熱く激しいダンスの応酬。宝塚歌劇星組公演『ノバ・ボサ・ノバ』、開幕

【演劇ニュース】

宝塚歌劇星組公演『ノバ・ボサ・ノバ』/『めぐり会いは再び』が4月15日、兵庫・宝塚大劇場にて幕を開けた。本公演では97期初舞台生34名の初々しい口上に始まり、フィナーレのショーでは若さあふれる晴れやかなラインダンスも披露している。

第1幕の『ノバ・ボサ・ノバ』は、1971年の初演以来、たびたび再演を重ねてきたショーの傑作で、今回は12年ぶりの再演となる。本作は、ブラジルのリオのカーニバルを舞台に、奇妙な人間模様が展開するミュージカル・ショー。セリフはなく、ダンスと歌だけでドラマチックなシーンが綴られていく。

街がサンバのリズムに踊り狂う年に1度のカルナバル。義賊のソール(柚希礼音)と盗賊のオーロ(役替わりで上演)が同時にふたつの銀行で強盗騒ぎを起こす。夜のクラブへ入ったソールは、オーロが観光客エストレーラ(夢咲ねね)からネックレスを奪う場面を目撃し、オーロからネックレスを取り返すが、オーロの子分にふたたび奪われ......。ネックレスをめぐる、めくるめくシーンがサンバのリズムに乗せてテンポ良く、スピーディに繰り広げられる。激しく熱く濃厚な色とりどりのダンスの応酬に、観ている側も心躍る。

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男役トップ・柚希のダンスは思わず見惚れてしまうほどにダイナミックで美しい。公演を重ねるたびに男役としての色気が増し、表現も豊かになってきている。また、娘役トップの夢咲もしっとりと可憐でありながら、恋する女性を情熱的に表現。柚希とのコンビネーションは抜群だ。

第2幕のミュージカル『めぐり会いは再び』は、貴族の男女の恋騒動をコミカルに描いた作品。舞台や衣裳はおとぎ話を立体化したようなメルヘンな印象だ。ストーリーは結婚相手を見定めるため、それぞれが召使いと立場を入れ替えたことから起こる騒動、とシンプルで誰もがライトに楽しめるよう構成されている。中盤、平井堅の『LIFE is...』を柚希がしっとりと歌う場面は鳥肌が立つほどで、深く心に残る。配役も、公爵の息子ドラントを演じる柚希、伯爵の娘シルヴィアを演じる夢咲はもちろんのこと、ドラントの召使いの紅ゆずる、シルヴィアの侍女の白華れみ、シルヴィアの兄の涼紫央らそれぞれのキャラクターがぴったりとハマっていて、星組の豊富なキャラクターが活かされている。そして初舞台生のラインダンスから始まるフィナーレは、1幕のショーとはまた異なる大人の味わいだ。

今回の星組は、さまざまな"色"が楽しめる、盛りだくさんのステージ。ぜひ劇場で堪能してほしい。公演は5月16日(月)まで。その後、6月3日(金)から7月3日(日)まで東京宝塚劇場、8月1日(月)から23日(火)まで福岡・博多座でも上演。兵庫公演のチケットは現在発売中。東京、博多公演のチケットは、それぞれ5月1日(日)、6月11日(土)より一般発売開始。チケットぴあでは、東京公演のインターネット先行抽選「プレリザーブ」を4月20日 (水)から受付。

取材・文:黒石悦子

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