ロイド=ウェバーの出世作『ジーザス・クライスト=スーパースター』、2年ぶりの東京公演開幕

【演劇ニュース】

劇団四季のミュージカル『ジーザス・クライスト=スーパースター』〈エルサレム・バージョン〉が4月13日(水)の開幕に先駆けて12日、東京・自由劇場にて公開舞台稽古を行った。

本作は、『キャッツ』『オペラ座の怪人』などを手がけたアンドリュー・ロイド=ウェバーの1971年の出世作。劇団四季では1973年に初演、この作品が四季が初めて上演したロイド・ウェバー作品だった。物語はキリストが十字架に掛けられるまでの7日間を描いたもの。期待と無力さの間で苦悩するジーザス、ジーザスを愛しながらも彼を裏切るユダ、ジーザスに心酔し"神の子"と讃えるもやがては彼に石を投げつける扇動されやすい民衆たちなど、登場人物たちの生々しい内面が描かれていく。

劇団四季では本作を〈エルサレム・バージョン〉〈ジャポネスク・バージョン〉のふたつのまったく異なる演出で上演しているが、歌舞伎風メイクが印象的なビビッドな〈ジャポネスク〉に対し、〈エルサレム〉は急勾配の舞台にエルサレムの荒野を置いたリアリスティックな演出で、物語のドラマ性がダイレクトに伝わってくる。急勾配を上り下りして熱狂する民衆たちの姿の後ろには乾いた大地と土ぼこりが見えるようだし、ジーザスを十字架にかける際の釘を打つ音や、滴り落ちる鮮血などは恐ろしいまでのリアリティで心に迫る。

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長年この作品にはユダ役として関わり、今回初めてジーザス役に挑戦している芝清道は「この作品におけるジーザスは、神の子ではなく、ひとりの青年として描かれます。悩み苦しみ、翻弄されていく人間・ジーザスのドラマを、しっかりお客様にお届けできるよう務めていきたい」とコメント。持ち前の力強い歌唱力で、穏やかさと激しさを同居させた彼ならではのジーザスを作り上げていた。難曲ぞろいのナンバーを見事に聴かせるアンサンブルも良い。ブロードウェイ初演から今年でちょうど40周年になるが、長く愛され続けているだけある傑作ミュージカルだと改めて思わされた。

公演は5月7日(土)まで。また5月14日(土)から29日(日)には〈ジャポネスク・バージョン〉も上演される。チケットはともに現在発売中。

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