【ニュース】寺島しのぶ、麻実れいなど実力派7女優が豪華競演。舞台『トップ・ガールズ』開幕

【演劇ニュース】

寺島しのぶ、麻実れい、小泉今日子、渡辺えりら実力派女優7人による舞台『トップ・ガールズ』が、4月1日に東京・シアターコクーンにて開幕した。英国の女流劇作家キャリル・チャーチルが1982年に描いた本作は、キャリア・ウーマンの昇進パーティに歴史上の女性がお祝いに駆け付け、女の人生について語り倒すという仰天のシーンから始まる。アクの強い女性たちに人気女優たちがそれぞれ扮し、演出の鈴木裕美も楽しんで手がけた様子が、ステージからありありと伝わってきた。

人材派遣会社で女性専務に就任したマーリーン(寺島)の祝賀パーティに集まった錚々たる面々。ヴィクトリア朝時代の旅行家イザベラ・バード(麻実)。天皇の側室で後に尼となり日本中を旅した鎌倉時代の二条(小泉)。主婦を引き連れ悪魔と戦い、ブリューゲルの絵のモチーフとなったフリート(渡辺)。女でありながらローマ法王の座についたとされるヨハンナ(神野三鈴)。チョーサーやボッカチオにより物語に記された、夫に従順なグリゼルダ(鈴木杏)。彼女たちは、「人生終わったと思った時のこと」「好きな男の話」「女の成功と幸せについて」「子供ができちゃった時の話」と、下ネタも交えた女の"ぶっちゃけ話" に興じている。女性の生き方に物申したい面々のトークはとどまるところを知らないが、やがてフリートの見た地獄の話を機に場面が転換。昇進パーティでホステス役を務めていたマーリーンに焦点を絞り、彼女の仕事、プライベートを掘り下げていく。

強烈な成り上がり思考を持ちつつ、男性専務からポストを奪ってもどこか満たされないマーリーンを、寺島が好演。この舞台は上記した歴史上の女性やキャリア組のみならず、なんとなく働き続けてしまった女性、家庭に縛られる女性など様々なタイプの女が出てくるが、ラストのマーリーンと姉ジョイス(麻実・ふた役)との激しい言い合いの中に、全ての女性が抱える葛藤が集約されている。自分では決して選べない家庭環境や性、そこから抜け出すための犠牲と努力とは何か。あけすけなガールズ・トークや、マーリーンの姪・アンジー(渡辺)とキット(池谷のぶえ)の子供のやりとりに笑いながらも、女性が生きていくことの難しさがズシリと胸に突き刺さる。

また、他人の言葉尻を捉まえて自分の話にすり替える小泉の二条と、二条のコメントに茶々を入れてすぐさま自分の話をする麻実のイザベラとのセリフの応酬は圧巻。人の話を聞かない女同士に苦笑すること請け合いだ。そして前半のパーティ部分でほぼセリフのない渡辺と池谷が、後半に太めの子供同士として登場するシーンも必見。体当たり演技の渡辺とセリフの返しが絶妙な池谷の間合いに注目を。神野と鈴木は前半ガールズ・トークに一石投じる役を、後半はそれぞれ古いタイプのキャリア・ウーマン、マーリーンを追い越したいキャリア組を演じ、女性の幅を広げた。公演は4月24日(日)まで。チケットは発売中。


pd_20110404_top.jpg

前の記事「【ニュース】「私たちが出来ることを」と瀬奈じゅんが万感の思いを込めるコンサート」へ

次の記事「【ニュース】井ノ原快彦が物件を延々モニタリング!? 新作舞台『芝浦ブラウザー』、ただいま上演中 」へ

カテゴリー

ジャンル

カレンダー

アーカイブ

劇団別ブログ記事

猫のホテル

文学座

モナカ興業

谷賢一(DULL-COLORED POP)

劇団青年座

劇団鹿殺し

 はえぎわ

柿喰う客

ONEOR8

M&Oplaysプロデュース

クロムモリブデン

演劇集団 円

劇団チャリT企画

 表現・さわやか

MONO

パラドックス定数

石原正一ショー

モダンスイマーズ

ベッド&メイキングス

ペンギンプルペイルパイルズ

動物電気

藤田記子(カムカムミニキーナ)

FUKAIPRODUCE羽衣

松居大悟

ろりえ

ハイバイ

ブルドッキングヘッドロック

山の手事情社

江本純子

庭劇団ペニノ

劇団四季

演劇チケットぴあ
劇場別スケジュール
ステージぴあ
劇団 石塚朱莉