【演劇ニュース 番外編】
宝塚歌劇団を退団後2年目に突入する瀬奈じゅんのソロコンサート『ALiveII』が、4月1日、東京・赤坂ACTシアターにて開幕した。
月組トップスターとして人気を博し、2009年に宝塚を退団した瀬奈。その後『エリザベート』『アンナ・カレーニナ』と立て続けに大作ミュージカルのタイトルロールを務めるなど、着実にキャリアを積んでいるまさに旬な女優だ。これらミュージカルでは、華やかさと説得力ある演技で女優として大輪の花を咲かせつつある彼女だが、このコンサート『ALiveII』では、彼女のもうひとつの魅力、ショー・スターの顔が堪能できる内容になっている。
瀬奈は冒頭からジャズのスタンダード・ナンバーで踊りまくり、宝塚時代の名曲、さらには『ジキル&ハイド』や『ルドルフ』など人気のミュージカル・ナンバーを歌い継ぐ。男役のようなスーツ姿から、大きくスリットが入ったセクシーなドレス姿も見せ、まさに七変化の魅力だ。一方で、阪神大震災を経験したという彼女は「壮絶な現場、リアルな不安を目の当たりにして、この舞台の上から皆様に夢や希望をお届けするなんて綺麗事のように感じた」と複雑な気持ちも。だが「今、こういう時だからこそ、私たちが出来ることをしなければいけない、という想いで、スタッフ・キャスト全員がひとつになりました。一人一人の想いが劇場に集中しました。そのパワー、それを少しでもお届けできることが出来たら、それが願いです」と話す。昨年のコンサート『ALive』の時に書き下ろされた「ALive」など、特にメッセージ色の強いナンバーを大切に歌う姿が印象的だった。
公演は同所にて4月5日(火)まで。また4月9日(土)・10日(日)にはNHK大阪ホールでも開催される。コンサートでは売り上げを全額寄付するチャリティーTシャツも販売する。
瀬奈じゅんソロコンサート『ALiveII』