●ヒラノの演劇徒然草●
本日、宝塚歌劇雪組 東京宝塚劇場公演『ロミオとジュリエット』が開幕しました。
このシェイクスピアの永遠の純愛物語は、さまざまなバージョンが世界中で上演されていますが、本作は2001年にフランスで初演されたバージョン。
現代的かつ詩的な音楽と、ふんだんに取り入れられたダンスなどが印象的で、世界各国で上演されている人気ミュージカルです。
日本では昨年、宝塚星組が初演。
今回は大劇場バージョンとして、また、新トップスター音月桂のお披露目公演としての登場です。
今日の日中には初日に先駆け舞台稽古と、音月桂の会見が行われました。
その模様は明日、ニュースでもお伝えいたしますが、「げきぴあ」ではひと足先に会見のレポートをUPいたします。
--大劇場を終えいよいよ東京でお披露目です。この大作でお披露目、その心境をおきかせください。
「やはり宝塚の方のお客様と、東京のお客様は反応が違いますし、私たちも感じる空気が少し違うので、実は緊張しています(笑)。作品はよりブラッシュアップされています。東京公演に向けて、フィナーレナンバーが少し変わりましたので、生徒も新たな気持ちで、またお客さまにも楽しんでいただけるようにしたいです」
--フィナーレナンバーの変更、具体的には。
「赤いお衣裳を着るシーン、前は男役と娘役がちょうど半分ずつくらいのナンバーがあったところを、男役が次の燕尾の場面にむけて準備ということで抜けて、娘役とわたしと、男役がだいぶ減って数名、という形になりました。その分燕尾の男役のシーンは大階段を使って豪華なナンバーになっています」
--作品そのものについては。
「1か月の大劇場公演終えてから、東京公演の稽古が何日かあり、その間また新たな発見をしました。ロミオについてもそうですし、まわりのキャラクターもすごく個性豊かなので、親友たちはより親友らしく、敵はより憎しみをこめてといいますか、関係性が濃厚になった感じがします。ロミオというのは他のキャラクターに比べて少しおとなしいというか、夢見心地な面が強くて、演じるのが難しいなと最初は思っていたんですけれど、いま東京公演の舞台稽古をおえて、ああ、なんかこれかな! という新たなものをまた掴んだ気がします」
--具体的にはそれはなんですか?
「ロミオという人物をすごく愛せるようになりました。大劇場公演中もロミオという人物に愛着がどんどんわいてきたのですが、さらに気持ちが共有できるというか。何かトキメキを探しながら人生を送っているというのが、わたしも共感できるような気がします。お客様にも恋してみたいなって思ってもらえるような役になるといいなと」
--相手役・ジュリエットがダブルキャストですが。
「やはり一番近くで芝居をするので、わたしは本当にふたりの違いが如実にわかりますけれど、お客様から、もちろんジュリエットも違うけれど、それに対する音月も違うって言っていただきまして。自分の中ではジュリエットを愛する気持ちはかわらないので、どちらが好きでこちらは嫌いとかいうのはまったくなく、ひとりのロミオとしてジュリエットを愛しているので、そこまでそんなに違うのかなと思うんですが。観ている方にはジュリエットが変わればロミオも違うし、組のカラーもかわるっておっしゃっていただきました」
--今回はトップお披露目公演。大階段を大きな羽根を背負っておりてきたときの心境を。
「前トップの水夏希さんに、一段、大階段を下りるときに、その瞬間をかみしめて降りなさいってすごく言われたんですが、実際に大劇場公演の初日の元日は、ドキドキとバタバタでそこを実感するというよりも、お客様の温かさ、舞台の平場で待っていてくれる組子の温かさが、幸せという言葉では語れない何とも言えない気持ちになり、それをすごく覚えています。東京公演初日の今日は、しっかり水さんがおっしゃった"一歩踏みしめながら"というのを感じながらやりたいなと思っています」
チケットは2月17日現在発売中です。残りわずかです!