『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』通し稽古レポート

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 音楽劇『ダ・ポンテ』通し稽古 海宝直人&平間壮一が "最高の相棒"に!

海宝直人、平間壮一らが出演する音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』の通し稽古が6月上旬、都内スタジオで行われ、第一幕の模様が公開された。

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タイトルロールになっているロレンツォ・ダ・ポンテはモーツァルト作のオペラ「フィガロの結婚」、「ドン・ジョバンニ」、「コジ・ファン・トゥッテ」の台本を執筆したイタリア出身の詩人。


海宝直人が演じる、年老いたダ・ポンテが夜のニューヨークの街を歩きながら歌う「この静かな夜に」で物語は幕を開ける。オペラ「ドン・ジョバンニ」がアメリカ初演を迎える1826年、77歳になるダ・ポンテが若かりし頃を回想する形で物語は進んでいく。

海宝.JPG 言葉巧みに女たちを虜にした挙句、ヴェネツィアを追放されウィーンへやって来たダ・ポンテ。ここでも口八丁手八丁で宮廷劇場詩人の職を得るが、そこに到るまで、詐欺まがいのことから恋文の代筆まで行ない、人から人へと渡り歩いてのし上がっていくさまを歌う「言葉の媚薬」はダ・ポンテの人となりをそのまま表しており痛快!

海宝 女.jpg

自信と野心に満ちあふれた天才的な詩人で陽気な詐欺師にして女たらしだが、時折、心の内に抱える寂しさや陰をのぞかせる――そんな主人公を海宝は魅力的に体現している。



そして、もうひとりの主役とも言えるモーツァルトを演じるのは平間壮一

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単なる"天才"ではなく、己の才能を最も輝かせられるステージを探し求める男として描いており、平間がその心情を力強く多彩な歌声で見事に表現する。

そんな2人がウィーンの酒場で出会い意気投合し、「フィガロの結婚」で大成功を収めウィーンの宮廷を一気に駆け上がっていくさまが第一幕では描かれるが、2人が歌う「共同作業は地獄の始まり」、「最高の相棒」はそんな彼らの豊かな才能、自信、勢いが乗り移った力強いナンバーとなっている。

海宝 平間.jpg

彼らの"宿敵"サリエリ(相葉裕樹)、ダ・ポンテが恋に落ちるフェラレーゼ(井上小百合)、ダ・ポンテの妻ナンシー(田村芽実)、モーツァルトの妻コンスタンツェ(青野紗穂)、そして、改革を標榜しダ・ポンテとモーツァルトを庇護する皇帝ヨーゼフ二世(八十田勇一)と脇を固める登場人物たちも個性と存在感を放つ。

第二幕では頂点に立ったはずのダ・ポンテとモーツァルトの転落が描かれるが、互いの才能を輝かせる"最高の相棒"だったはずの彼らがなぜ袂を分かつことになったのか?

天才たちが織りなす光と影のドラマの完成を楽しみに待ちたい。

取材・文・撮影:黒豆直樹



公演は6/21(水)~6/25(日)にTHEATRE1010 (東京都)でのプレビュー公演の後、7/9(日)~7/16(日)に東京建物ブリリアホール (東京都)にて上演。愛知、大阪と各地もめぐる。チケットは発売中。

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