柚希礼音、ソニンが主演するミュージカル『FACTORY GIRLS ~私が描く物語~』の公開稽古、囲み取材が行われ、柚希、ソニンの他、メインキャストが登壇、公演より一部場面を披露した。
2019年に初演し好評を博した本作。19世紀のアメリカで起きた実話を元に、文章の力で世界の女性に知性と力強さを発信すべく奮闘するサラ(柚希礼音)、サラと深い友情を結びながら対立することになるハリエット(ソニン)、そして工場で働く様々な女性たちが、自身の権利を求め戦う姿を描いたオリジナル・ミュージカルだ。
公開稽古で披露されたのは本作でも象徴的なシーンである「機械のように」「ローウェル・オウファリング」「剣と盾」「ストライキ」の4曲。特に工場で働く女性たちが団結し、経営者らに立ち向かうまでをみせる劇中でも大ナンバーである「ストライキ」はキャスト勢ぞろいでのパフォーマンス。10分を越えるシーンの中で、主要キャストだけでなく、すべての登場人物たちが熱量の高い演技を見せた。
公開稽古後は囲み取材を実施。柚希、ソニン、実咲凛音、清水くるみ、平野綾、演出家の板垣恭一が登壇。
2019年に初演し、再演となる今作だが、柚希は「1から作り直している感じ」と語る。「振り付けも全て変わっているので、新作を作っているつもり。板垣さんにもいっぱい新しいものをパスしてもらっています(柚希)」。柚希と同じく、初演より続投となるソニン、今作についてこれぞオリジナルと話す。「再演というとほぼベースは同じですが、今回はセリフ、振り付け、曲が変わったことで、さらに作りあげてお稽古をしようとしています。これぞオリジナルだからできることだなと。みんなでああしよう、こうしようと意見が飛び交っていて毎日刺激的です(ソニン)」。
またメインキャストでは唯一の新キャストとなる平野綾。『機械のように(M3)』について、「まずインパクトを残す大事な曲だな、と」と披露したナンバーについての印象を語る。ただその分、振り付けもフォーメーションも複雑であることから、「1日1M3やりませんかっていう提案をさせていただいて、1日1M3を目標にしています」と平野が話すと、同ナンバーには実際には出演しないソニンもM3を練習中だと言い「絶賛覚え中です、頑張ります」と笑った。
稽古中だか手ごたえを聞かれた演出の板垣は、「あります」と即答。「演出、解釈を変えているし、あまり(初演を)なぞる気がない。同じ方が喋っていても解釈が違っています。いろんな人が僕に話しかけてきて、こうしていいですかと。カンパニーメンバー全員が芝居を作っている、良い流れができていると思います」と話した。
囲み取材後は今回が初だという通し稽古を実施。稽古前に板垣から話を聞くと、囲み取材でも出演者たちが多く口にした通り、今回は振り付けが全て一新。東銀大介が手掛け、より力強く、機械に巻き込まれていくような振り付けとなった。
また板垣は作品について「カタルシスがある」とコメント。女性たちの権利や生き方について、その歴史とともに語る作品だが、それだけではないとし、「時代やテーマ的に難しい作品だと思われてしまうけれど、カタルシスもたくさんありますよ、と伝えられたら」と話した。
コロナ禍を経て再演となった今作について、柚希は「女が男を攻めたい、女だから文句を言いたいというわけでなく、人間として自分に期待をして、自分が変われるとわくわくして生きていける作品になるのではないかなと思います」と話す。是非皆さんに見ていただけたら、と結んだ。
公演は6月5日(月)~13日(火)まで東京・東京国際フォーラムホールC、24日(土)~25日(日)まで福岡・キャナルシティ劇場、6月29日(木)~7月2日(日)までCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて。チケットは発売中。