2022年11月アーカイブ

役者としてデビュー10周年を迎えた木村達成。2022年を振り返っても『SLAPSTICKS』、『四月は君の嘘』、『血の婚礼』と舞台に立ち続け、現在は11月18日(金)から紀伊國屋ホールで開幕する『管理人』の稽古真っ最中だ。年末の12月29日(木)、30日(金)には自身の10周年コンサートも開催される。

木村達成の「現在地」をざっくばらんに語ってもらった。

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ーー『管理人』のお稽古はいかがですか。

木村達成(以下、木村)」:最初に『管理人』に関するインタビューを受けたときは「すごく難解で......」と言っていたんですけど、実は紐解いていくと、人間らしいなと感じる部分もあって。不条理劇ではあるけど、「その感情あるよね」と思える瞬間が思いの外多かったんですよね。

 

ーーいい意味でギャップがあったわけですね。取り組みやすいという感覚ですか。

木村:いや、何だろうな......この作品は物事が大きく動くわけではないんですけど、例えば、余計なことを言ってみたりするんですよね。そのことにあんまり深い意味はないのだけれども、そういう感情に至るときってあるよね、と。そういうことがたくさん描かれている。とてつもない人間らしさが詰まっているなという印象です。

 

ーー3人芝居ということで、その分濃密なお稽古なのではないですか。

木村:そうですね。僕は前半はなかなか出てこないので、デーヴィス(演:イッセー尾形)とアストン(演:入野自由)、そして(演出の)小川(絵梨子)さんの会話をずっと聞いていて、一緒に物語を読み解いている最中です。

 

ーー小川さんの演出は初めてですよね。印象などがあればぜひ教えてください。

木村:とてもわかりやすく説明してくださいます。まだ立って稽古をしているわけではないので、これからどうなるかは分からないですが、親身に向き合ってくださる素敵な演出家だなと思いました。

 

ーー本読みの時間を長めにとっていらっしゃるんですね。

木村:今は本読みをやらせていただいてます。翻訳されたものと原文を照らし合わせながら、翻訳をされてる小田島(創志)さんと、小川さんと、役者のみんなで話し合って、「この言い方はこうした方が適切なのではないか」といった作業をしています。

 

ーー貴重な時間ですね。

木村:そうですね。海外の戯曲をやる上では、やはり翻訳家の方も交えて、意味の解釈を紐解いていくことはすごく大切な作業だと思うので、有意義な時間を過ごしています。

 

ーー演じられるミック役に関してはどうでしょうか。「こういう役にしていきたい」など、構想があれば。

木村:兄に対する思いやデーヴィスを利用する気持ちなど、言葉にしているセリフの中ではなかなか読み取れないものがたくさんあるんです。それらを、言葉だけではない、何かしらの表現でお客様に伝えることができれば、この作品はもっと深みも増すと思います。

 

ーー「不条理劇」自体はどうでしょう。ご自身の中のイメージなど、不条理劇というジャンルに対して思うことはありますか。

木村:今の世の中「不条理」だらけですし、その言葉だけを聞くと、あんまり観る気持ちにはならないと思うんです(笑)。自分も「不条理劇」はあまり聞いたことがなかったんですけど、まぁ、あえて知らない方が得なのかなとも思って。知っていくと、どんどんドツボにはまってしまう気がするので、あまり深く考えず、いい意味で能天気に頑張っていきたいと思います。

 

ーー続いて10周年コンサートについてもお話を伺いたいと思います。まずは、10周年を迎えたお気持ちを教えてください。

木村:もう10年か。長いようで早かったし、早いようで長かったという感じですね。舞台作品に熱中していると、3ヶ月なんてあっという間に過ぎてしまう。それだけ濃密な3ヶ月を過ごしているにも関わらず、あっという間ってちょっと残念(笑)。集中しすぎてあっという間に終わることが続くと、1年ってこんなに短かったんだと思い知ります。

若い頃はいろいろな初体験を重ねていくので、1年がすごく長く感じる。だから僕もこれからもたくさん初めての体験を重ねて、1年をもっともっと長く活用していきたいなと思うんです。「慣れ」が出てきてしまいそうなときもあるけれど、初めましての人と初めての会話を新鮮に楽しんでいける人間でありたいですね。

 

ーー明かせる範囲で構いませんが、コンサートの構想を教えてください。

木村:もちろん皆さまからリクエストがあった曲も照らし合わせながら、盛り上がるコンサートにしたいですね。「ミュージカル俳優」というのではなく、「役者・木村達成が歌う歌」でありたいんですよね。

綺麗に歌うところもあるかもしれないし、ソウルな感じで歌うところもあるかもしれないんですけど、僕が10周年のコンサートに歌う歌は、一節一節の歌詞に意味があって、なぜ今ここで僕がこの曲を歌うのかということも考えてもらえるようなコンサートになる気がしています。

 

ーー楽しみですね。ちなみに副題の「Alphabet Knee Attack」はご自身で作られたんですか。

木村:はい、自分でつけました。

 

ーーどういう思いを込めたのですか。

木村:理由はあんまり明かしていないので(笑)、いろいろと考察なさってください。

ーーぱっとひらめいた感じですか?それもいろいろ悩まれた?

木村:いや、結構前からこの言葉は自分の中にあって。ダサかっこいい感じというか、中2病みたいな感じが自分らしいかなと思ったんですよね。別に「ドルフィン・アタック」でもよかったんですよ?(笑)でも「Alphabet Knee Attack」は、ちょっと擦れている感じもあるし、キャッチーだし、いいかなと。

 

ーーゲストも豪華です。12月29日は加藤和樹さん。何度も共演経験がある加藤さんの印象を教えてください。

木村:初めてご一緒した作品で彼のことを分かったような気ではいたんですけど、全然そんなことはなくて。また別の作品で出会うと、最初に会ったのとは違う加藤和樹さんがいて。どんどん惚れていきますよ。僕なんかがコンサートをできるとは思ってなかったので、ちょっと手を貸してくださらないかな〜と思って、お声がけしました。

ーー木村さんと加藤さんは仲がいいイメージですが、いろいろ相談をされることも?

木村:そうですね。兄貴ですね。初日にいつもお水をいただくんですけど、「初日に加藤和樹からもらうお水」は、僕の中で結構大切なものです。

 

ーー飲んでパワーが出てくる......みたいな(笑)。

木村:「和樹水」は普通の水なんですけどね(笑)。かーくん(※加藤和樹の愛称)からもらったお水は、特別です。

 

ーー12月30日のゲストは柿澤勇人さん。柿澤さんについてはいかがでしょうか?

木村:かっきーさん(※柿澤勇人の愛称)は、共演が現実には叶わなかったんですけど.....(注:2020年4月1日〜5月31日に上演する予定だったブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season3。柿澤はトニー役、木村はリフ役で出演する予定だったが、緊急事態宣言の影響で公演中止となった)。でも当時はインタビューを一緒に受けたり、稽古を一緒にしていたりしました。話を聞いていて、格好いいなと思うんです。考え方が近いところもあって、信じられる人だなと思っています。

舞台での共演が果たせてない分、このコンサートで一緒に何かを作ることができるのであれば、僕も嬉しい。そう思って、出演をお願いしました。

 

ーー2022年ももうすぐ終わりますが、木村さんにとってどんな1年でしたか。

木村:とんでもないような汗をかきながら、ひたむきに走った2022年でした。もちろんその中には、上を向いて太陽の光を浴びながら走ったこともあったし、逆に下を向きながら走ったこともあった。もう駄目になったなという瞬間もあった。

でもそれは、この2022年だけではなく、デビューしたときからずっとそう。走り続けて、やっと花が咲いてきている気がするんです。まだまだこの花を枯らすつもりはないです。ここからとんでもない......花園を作るつもりです(笑)

 

ーー今年もいろいろな作品に出演されましたが、役幅も広かったですね。

木村:同じような役をやらせてもらえないんですよね(笑)。普通はその人がはまった役柄をやり続けて、やっと他の役に挑戦する切符を渡されるじゃないですか。でも、僕は突き詰める前に、いろいろな行き先の切符を渡されて、それにホイホイ乗ってきたので、固定した自分の得意技があんまりないと感じています。

......でもまぁそっち方が面白いっすよね(笑)。僕はそっちの生き方でよかったなと思ってます。

 

ーーぜひ来年に向けての抱負を教えてください。

木村:来年のことを全く考えてなかった(笑)。正直僕は、お仕事の目標みたいなものはあまりないんですね。向上心はもちろんあるし、今のままじゃ駄目だと思うし、もっとやらなきゃいけないなと思うし、今できる限りのことをやっているんですけど、「こういう作品に出たい」というのはあまりなくて。

来年も上を見ながら走るときもあるし、下を見ながら走るときもあるんだろうな。止まりたくなるときもあるかもしれないけど、完全には止まらないで、徐行で進んでいる状態を保てたらいいですよね。それで楽しく笑っていられる環境が自分の周りにあって、おいしくお酒を飲めたらいいなと思います。

 

ーー最後に、ファンの皆さまにメッセージをお願いします!

木村:『管理人』に関しては、観たらすごく引き込まれると思いますね。いろいろな解釈を生む作品だと思います。僕らも1パターンしか回収できないようなパターンではやらないし、本当に見応えある舞台になると思うので、皆さまぜひ劇場で観に来てください。

コンサートに関しては、自分自身の初コンサートではあるんですけど、実はこのコンサートの前にホリプロのコンサートに出てしまうんですね(笑)。でもホリプロのコンサートは歌っても数曲だけなので、慣れることもないでしょう。なので、10周年のコンサートはすごく新鮮な気持ちで迎えられると思う。

お客様も多分当日は緊張すると思うんですけど、一番は楽しむことですから。一緒に木村達成と10周年を迎えたことの喜びを爆発させようぜ!の会なので(笑)。あんまり緊張しないで、自分の殻を破って、全力で楽しんでほしいですね。

取材・文:五月女菜穂

【公演情報】

<「管理人/CARE TAKER」>
11/18(金)~11/29(火) 紀伊国屋ホール(東京都)

チケット情報はこちら

<「木村達成 10周年コンサート -Alphabet Knee Attack-」>

12/29(木) 17:30開場/18:00開演 ヒューリックホール東京

12/30(金) 12:30開場/13:00開演 ヒューリックホール東京

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演出家・小林香が2010年より作り続けているショー・ステージ「SHOW-ism」シリーズの最新作『BERBER RENDEZVOUS』が11月20()から上演される。歌とダンスをふんだんに盛り込みながらも、単なるコンサートあるいはミュージカルでは終わらせず、ストーリー性のあるショーの中で俳優自身の持つ輝きを一層際立たせ、好評を博してきた当シリーズ。第11弾となる今回は、柚希礼音、美弥るりかをはじめとする11名のレギュラーキャストと豪華日替わりゲスト、オールフィメールで挑む新作。内容は"映画愛"に満ち満ちたものになりそうで......11月某日、その稽古場を取材した。

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物語は、新作映画を撮るために11人の女性が集められたところから始まる。パリで撮影のはずが、気付いたらそこはサハラ砂漠。彼女らに課せられたミッションは、2週間で「人間とは何か」をテーマにした映画を1本撮ること。タイトルは『ベルベル・ランデヴー』。報酬は超高額。初対面の者、面識のある者、一方的に銀幕で見ていた者、関係性はそれぞれだがお互いをコードネームで呼び合い、急ごしらえのチームとしてこの仕事に取り掛かることに......

 

この謎めいたミッションの目的は一体何? というハテナもこの物語を貫く大きな軸なのだが、なんと取材日の稽古はその謎が明かされるシーンど真ん中。演出の小林からは「(ネタバレしないように)うまいことレポートお願いしますね!」と、こちらまで重大ミッションを課せられてしまった。おそるおそるレポートを進めてみよう。舞台面にあたる場所にはホリゾント幕になるのだろうか、白い大きな幕が設置されているだけのシンプルなセット。あるいはこれが銀幕になったりもするのかしら......? 「SHOW-ism」シリーズは演劇作品としてはかなり早い段階でプロジェクションマッピングを取り入れたりと、映像の使い方も印象に残るものが多い。そのため想像は膨らむが、答え合わせは本番の楽しみにとっておこう。

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どうやら彼女らが撮る映画は、オムニバスで様々な人間の姿を描いていくものになっている模様。この日、まず稽古にあたっていたのはその短編映画のひとつ、柚希、美弥、原田薫、JKim(この日の稽古は欠席)の4人を中心としたドラマ。祖母、娘、孫の三世代の歴史と思いが紡がれる内容だ。劇中劇シーンは華やかに魅せるものも多いが、ここはずいぶん"芝居"に寄った一幕だ。祖母役の原田が、孫娘役の柚希の背中を送り出すように押す、というアクションひとつとっても、どういう気持ちからその行動をとったのかを原田と小林が丁寧に話し合っている。柚希の演技からも抑えた中に温もりが伝わってくるし、娘役の美弥も愛情あふれる優しい目で母と我が子を見つめている。そんな積み重ねの結果、浮かび上がったのは「人生は美しい」という壮大な、しかしシンプルなテーマ。俳優たちの演技力と美しい音楽の力で、星々と小さな人間を対比させるような美しい情景が見えてくるようで、なんだか稽古の段階なのにすでに泣きたくなるような気持ちになってしまった。一方で、表舞台から退いている柚希演じる"ベラッジョ"が意を決して台詞を口にする、というような、劇中劇の外側の演出もつけられている。本番ではぜひそのあたりも注目してほしい。

 

その後、キャストが勢揃いし、この映画の真の目的が明かされるシーンへ。しんみり、じんわりした前のシーンとはうってかわって、"大・団・円!"といった賑やかさ。キャラクターたちの個性も際立っていて楽しい。柚希の"ベラッジョ"は言葉数は少ないながらもいつのまにか場の中心にいるような求心力があるのがさすがだし、ここまで少しひねた面も見せていた美弥の"ハロッズ"は映画愛を吐露し素直な表情を見せているのがチャーミング。セレブ設定の佐竹莉奈の"オルセー"も普通の女の子らしい明るい笑顔が可愛らしいし、"トキオ"役の鈴木瑛美子は返すたびに変わるコミカルなポーズも楽しく、イマドキの調子の良い女の子といった空気がぴったり。"ソーホー"宮本美季もまたインテリ風な台詞がハマっているし、フラメンコ劇団を率いているという"サグラダ"原田のパワフルさもこの人ならではの魅力だ。小林による"究極の当て書き"とでも言えるような役柄に、俳優たちがさらにその個性と魅力を注ぎ込み輝かせている。慣れ合わない、べたべたしない、しかしたまに意気投合して盛り上がることもある。何よりも仕事はきちんとやる女たち。それはこの登場人物たちの姿でありながら、きっとこのキャストたちの姿でもある。......もう「カッコいい!」としか言いようがない!!

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さらに日替わりゲストが演じる"ノーウェア"の意外な正体も明かされ、ワチャワチャと賑やかな、そして女性らしい華やかな雰囲気も満開に。この日の稽古場には花乃まりあが参加。キュートで愛らしい"ノーウェア"をお茶目に演じていたが、柚希・美弥らとのコミカルな絡みなどはゲストによって内容も変わりそうで、必見だ。しかも、楽しいだけでなく昨今の世界情勢に目を向けるようなテーマ性もうっすら伝わってくるのが小林ワールドだし、映画ファンはそこここに潜む"映画愛"にも、ニヤリとするだろう。取材時は「SHOW-ism」の大きな魅力であるショーシーン、歌とダンスはほとんど見られなかったが、それでもこんなに見どころがいっぱい、キャストの魅力も溢れんばかり。すでに大満足の気分ではあるが、制作チームによれば「作中で撮影されるほかの短編映画には、男性役の柚希が美弥とのデュエットダンスを披露する、フィルム・ノワール風に描いた『常夜灯』や、殺陣を交えながらアクションや激しいダンスで踊り歌う『ハイヒールズ』など、それぞれ全くテイストの異なった5つのオムニバスに仕上がっているので、ぜひいろいろな角度から楽しんでいただけたら」とのこと。完成形を目にするのが楽しみである。

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(取材・文:平野祥恵)

<公演情報>
11/20(日)~12/5(月) シアタークリエ (東京都)

メイキング映像はコチラ!>

『BERBER RENDEZVOUS』(ベルベル・ランデヴー)メイキング映像

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俳優の大倉孝二、脚本家・演出家ブルー&スカイが共同主宰するユニット「ジョンソン&ジャクソン」。結成の2014年から通算4回目のユニット公演となる今回は、佐藤真弓、ノゾエ征爾、渡辺真起子、というこの上なく力強い俳優陣を迎え、2022年11月9日、ユニットでは初となる下北沢 ザ・スズナリで初日を迎えた。


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撮影:宮本雅通

渡辺真起子扮する一流スターの"ユキコ"が、ある出来事をきっかけに、25年前同じ夢を抱いていたかつての仲間たちに会いにゆくことになるのだが...。
「くだらない、何の役にもたたない芝居作りを澄み切った思いで目指す」と標榜するジョンソン&ジャクソン。

150人に満たない間近な空間で、確かな技術を持つ俳優陣が「これでもか」と畳み掛けるくだらなさを、ひたすら浴び、ただただ笑う。
ジョンソン&ジャクソンにしかない不思議な味わいと、くだらなさと、切なさを久々に体感し、その絶妙な空気感に、唯一無二の尊ささえ感じるほどだ。
劇場にはただ笑いに来れば良い。
観客は贅沢な空間を満喫するだろう。

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撮影:宮本雅通

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撮影:宮本雅通

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撮影:宮本雅通

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撮影:宮本雅通

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撮影:宮本雅通

初日を迎え、ジョンソン&ジャクソン主宰の大倉孝二、ブルー&スカイからメッセージが届いた。

<大倉孝二>
いつも通り、たいした事はしてませんが、息抜きにいらして頂けましたらと思います。
歳をとっても相変わらずバカなことやってる感じですが、よりそこで味わい深くなっていれば、そう感じて頂ければ幸いです。
今回ご参加頂いたキャストの皆さん、こんなに分からないものに本当に一生懸命、真面目に取り組んで下さってるので、皆さんの活躍も見に、是非ザ・スズナリに足を運んで頂けたらと思います。

<ブルー&スカイ>
何とか無事初日が開き、ここまで楽しい初日が迎えられて本当にありがたいし、良かったです。
今までのJ&Jの中でも、今回は分かりづらいくだらなさを沢山入れてみましたが、客演の皆さんは最後まで、どうしたら面白くなるのか一緒に協力して作って下さいました。
大倉さんと僕が分担して脚本を書くスタイルは変わりませんが、以前は大倉さんから来た部分に僕がちょこちょこ笑いどころを加えたりしていましたが、今回は大倉さんから貰ったものがそのまま面白いなと思ってほとんど手を入れませんでした。脚本作りは2人とも、今までで一番苦しみましたね。

公演情報の詳細は、キューブHP(http://www.cubeinc.co.jp)にて確認。

ジョンソン&ジャクソン『どうやらビターソウル』 
【東京公演】 2022年11月9日(水)〜11月20日(日)  下北沢ザ・スズナリ
【大阪公演】 11月25日(金)〜11月27日(日)  ABCホール
<東京・大阪共通>
※開場は開演の30分前です。未就学児童の入場はご遠慮ください。
※車椅子でのご来場はチケットをご購入の上、来場日の3日前(土日祝は除く)までにキューブにご連絡ください。
※新型コロナウイルス感染拡大予防のため、ご来場前に必ずキューブHPにてご観劇に際してのお願いをご確認く
ださい。
作・演出 ジョンソン&ジャクソン
出演 大倉孝二 ブルー&スカイ ノゾエ征爾 佐藤真弓 渡辺真起子
宣伝イラスト:大倉孝二 宣伝美術:坂村健次
大阪公演協力:リコモーション
企画・製作:キューブ
■主催・お問い合わせ:キューブ 03-5485-2252(平日12:00〜17:00)
公演の最新情報はこちら→ http://www.cubeinc.co.jp

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誇張ものまねを筆頭に、ぶっ飛んだ芸でお茶の間に元気を与えるハリウッドザコシショウ。彼が行う年に一度の単独ライブは、漫談・コント・ものまね30連発で構成されている。(テーマソン
グやエンディングソング&映像まで、全て手作り!)
30連発と聞いて驚く方も多いと思うが、11月8日開催の『ハリウッドザコシショウのものまね100連発ライブ!SEASON4収録ライブ』では、タイトルの通り、ものまねを100個披露。驚愕の数である。
ストイックにお笑いに取り組む、芸歴29年のピン芸人。常にアンテナを張っている彼に、仕事とプライベートの境目はあるのだろうか? なぜYouTubeの毎日投稿を12年も続けられるのだろう
か? 後輩と指しあっている"嫌な気持ち将棋"とは......? ハリウッドザコシショウの信念が浮き彫りなったインタビューを公開!

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──幅広いジャンルの時事問題をネタにされていますが、情報収集はどのように?

 

芸人やから色々アンテナ張ってますけど、ニュースを観る時間ってのはそんなにないんですよ。1年間ずっと自分なりにメモを取っていて、その中から年に1回の単独ライブのネタを考えるから、気が付いたらメモをする習性はあるかもね。

 

──ご結婚してお子さんもいらっしゃいますし、全ての時間を自分のためだけに使えるわけではないですよね。

 

自分のことをやるのは家族が寝てからですね。この間も、子供(6歳になる女の子の双子)が「お笑いショーをやる!」って言ってきて。僕が普段作業してる地下室を舞台に見立てて、照明まで焚いて、「"みんなの憧れ、ハリウッドザコシショウさんが出てきます!"って言ったらパパ出てきて」って言われて、2人でショーの司会してるんですよ。どこからそんな知識を得たのかって、ビックリしましたね。

 

──どう対応を?

 

付き合いましたよ、「どうも〜」っ言って(笑)。しつこいんですよ!1時間ぐらいはいいんですけど、2、3時間はもう苦痛っすよ(苦笑)ひと通り終わったら「もう1回」って言われて、舞台を暗転されました(笑)。

 

──お子さんは、お父さんのご活躍を認識されているんですね。

 

テレビにちらっと映るのは観ていて、今は「パパだ〜」みたいな感じで言ってるけど、中学・高校になったら、裸芸人だし絶対毛嫌いされるでしょ?それが嫌ですね。周りの皆にもたぶんイジられるじゃないですか。

 

──ザコシさんは、もはやイジられる立場やキャラではない気がします。

 

『ドキュメンタル』も『R-1』も一位獲ってるからイジメられないのかな?でも、Twitterでエゴサーチすると「ザコシ気持ち悪い」とか「ザコシの腹はありえない」とか書かれてますよ(笑)。

 

──エゴサーチされているのが意外です。

 

めちゃくちゃする。世間の声を気にしなくなるのは、もう老害じゃないですか。何を言われても僕は何とも思わないですけど、ただ、量を気にしますね。テレビに出ても反応がなくなったら潮時かなって。世間に対して何にも波紋を起こせなくなるということですから。

 

──単独ライブではアンチツイートすらも笑いに変えていますが、傷心することはないですか?

 

マジでムカつくようなことがあれば、ずっと心に刻みます。傷つくというよりも、いつか仕返ししてやろうって。「どう嫌な気持ちにさせるか」って気持ちで動いてるから、僕は(笑)。後輩で、だーりんずの松本りんすっていう大無礼な奴がいるんですけど、僕が売れてない時から"嫌な気持ち将棋"の先手を打ってきてたんですよ。よくよく思い返してみたら、こいつムカつくなと。でも、ただ怒るとそれだけで終わっちゃうから、今はこの溜まった感情を、メディアを通して仕返ししています(笑)。企画を立てて動画であげて、全部お笑いとして将棋の後手を打っているんです。

 

──後輩の名前をメディアで出すというのは、優しさと捉えることもできますよね。

 

考えようによってはそうだけど、僕かなりしつこいから、あっちは本当に嫌な気持ちになってますよ(笑)。知名度は上がるけど、大無礼な奴として有名になってますから、作戦通りですよ(笑)。この間も、あいつが金ないからいい飯を奢ったのに、飲み終わったら「いや〜、長かったっすね」って言いやがって(笑)。だから帰りに動画撮って、嫌な気持ちにさせました。イジると面白くなる要素がたくさんあるのにいい子ちゃんぶるから、自分の持ち味を出せてないんですよね。もっと恥をかいて損しろと。損しないとおもろなんないから。カッコ悪いのを隠したがるサマも面白いから、そういうの世間に届けたいっていうのがありますね。

 

──りんすさんと飲まれている時のザコシさんのモチベーションは、プライベート?それとも、ネタ探しの感覚で?

 

ネタ探し(笑)。

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──人生において、プライベートと仕事の境目はありますか?

 

あんまりないですね。結婚する前は、好きな女の子とデートする時とかはお笑いのこと考えずにいたけど、今はそれが全くないから。芸人ってやっぱ、モテたいとかカッコつけたいとか思うと面白さが半減するんですよね。そのほうが伸びるって人もいるけど、稀ですわ。 異性のことを考えずにただただ面白いことを突き詰めてる舞台のほうが、僕は絶対面白いと思いますよ。

 

──境目がない中で、何をしている時が一番心が休まりますか?

 

動画編集かもしれないな。自分の好きな空間で、好きな映像を編集してる時はすごく楽しいっすよ。後輩集めて、思い通りに動いてもらって動画撮って、自分で笑いたい。そのついでにYouTubeにあげてるから趣味感覚。これは仕事じゃないから、つまらない動画をあげても文句言うなよって前提でやっています。お金を取るコンテンツだったら、絶対に同じ笑いのクオリティのを撮りますけど、そうじゃないからね。

 

──2009年から毎日ご自身でYouTube投稿されていますが、続けるほうが心が安定しますか?

 

やってないと不安なのかもしれないです。「毎日あげる」って言ったのに、それを守らないのが気持ち悪いんですよ。何事も、やるって言ったのにやらない人って結構いるじゃないですか。三日坊主だったり、どんどん上げる回数が減って終いには辞めちゃう人なんて、もう素人ですよ。そこがプロとアマの境目だと思うんです。プロだったら、最終回までずっとやり通さなきゃダメですよ。

 

──誇張モノマネをされている時、通常とはかけ離れたテンションですが、本来の開放している感覚なのか、それとも、もう1人の自分を演じている感覚なのでしょうか?

 

プロレスラーの武藤敬司さんとグレート・ムタみたいな感じじゃないですか?本名の中澤滋紀に、ハリウッドザコシショウが乗り移るって感覚が近いかもしれない。古いドラマですけど『ヤヌスの鏡』みたいな感じで、2面性があるという。

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──ファンはザコシさんの様々な顔を知っていますが、なんと褒められるのが一番嬉しいですか?

 

別に褒めるとかいらないですよ。好きな芸人として名前を挙げてもらえれば本望です。もっと認めてもらいたいとかない。僕が出てるテレビ絶対見ろよ!とも思いませんし。『さんまのお笑い向上委員会』みたいな番組もあれば、暴れていないのもあるし、全部あのテンションでやるのも無理ですからね。自分の性に合っているのは、アイドルとか俳優の好きな芸人枠として「ご本人が来ています!」みたいな感じで出ていくパターンかな。

 

──ご自身の位置を確立するためには紆余曲折があったかと思います。

 

もうね、自分が面白いと思ったことをやるしか、自分の火力の強さが出せないんですよ。「ああ、これ面白くないな」って思いながらやると、出力できない。だから、やりたい仕事しかやらない努力をしているというかね。

 

──その努力というのは?

 

それこそ、『R-1』の優勝とか。 あれで、こういう芸人っていうのが世間に広まったじゃないですか。それが広まらないと、やりたくない仕事も入ってくるんですよ。やっぱり、やりたいことをやるためには、何か一個結果を残さないと。音楽で言うところのヒット曲。そういうのがあることによって、自分がやりたい仕事をやっても文句を言われなくなる。売れなきゃ、自分のやりたいことだけができるようには絶対にならない。どの世界でも、期間を設けてもらって結果を出さないとクビになるからね。

 

■ハリウッドザコシショウ/1974年生まれ。静岡県出身。1992年に大阪NSCに11期生として入学し「G★MENS」として活動。同期は陣内智則、中川家、ケンドーコバヤシなど。2002年にコンビ解散、ピン芸人として活動を始める。「R-1ぐらんぷり2016」ではノーシードから優勝。アマゾンプライムで配信中の番組「ドキュメンタル」では史上初のV3達成。11月8日に「ハリウッドザコシショウのものまね100連発ライブ!SEASON4収録ライブ」を開催。

詳細は、https://w.pia.jp/t/zakoshisyoh/ で確認を。

DVD「ハリウッドザコシショウのものまね100連発ライブ!SEASON3」好評発売中。

サブ④_20220923_縺ゅ◆繧浬001_4236.jpegのサムネイル画像

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