上演決定の第一報の後、続報が待たれていた舞台「ザ・ウェルキン」の詳細が発表になった。 本作は、「チャイメリカ」(2013 年上演)でローレンス・オリヴィエ賞最優秀作品賞を受賞し、英国期待の若手劇作家として注目をあつめるルーシー・カークウッドの新作として、コロナ禍直前の2020年1月下旬に、英国ナショナルシアターで開幕。ロックダウンで中止になるまでの限られた期間の上演だったものの、若い観客層を中心に大喝采を浴びた人気作だ。本作のタイトルは、「天空」を意味する英語の古語。神の使いなのか、科学の予見なのか、75年ぶりに「天空」に舞い戻る大彗星(のちにハレー彗星と命名)を待つ18世紀半ばの英国辺境を舞台に、現代にも残る女性たちが受けてきた苦難の歴史が、陪審員審議の会話の中でドラマチックに描かれる。
出演は、吉田羊、大原櫻子、鷲尾真知子、梅沢昌代、那須佐代子、峯村リエ、明星真由美、那須凜、西尾まり、豊田エリー、土井ケイト、富山えり子、恒松祐里という総勢13人の女優陣と、土屋佑壱、田村健太郎と声で出演する段田安則が、物語にスパイスを加える。演出を手がけるのは昨年9月・新国立劇場小劇場での『友達』(作:安部公房)での演出も記憶に新しい加藤拓也。加藤にとっては本作が初めての翻訳戯曲演出となる。
~STORY~
1759年、英国の東部サフォークの田舎町。人々が75年に一度天空に舞い戻ってくるという彗星を待ちわびる中、一人の少女サリー(大原櫻子)が殺人罪で絞首刑を宣告される。しかし、彼女は妊娠を主張。妊娠している罪人は死刑だけは免れることができるのだ。その真偽を判定するため、妊娠経験のある12人の女性たちが陪審員として集められた。これまで21人の出産を経験した者、流産ばかりで子供がいない者、早く結論を出して家事に戻りたい者、生死を決める審議への参加に戸惑う者など、その顔ぶれはさまざま。その中に、なんとかサリーに公正な扱いを受けさせようと心を砕く助産婦エリザベス(吉田羊)の姿があった。果たして、サリーは本当に妊娠しているのか? それとも死刑から逃れようと嘘をついているのか?
なぜエリザベスは、殺人犯サリーを助けようとしているのか...。
法廷の外では、血に飢えた暴徒が処刑を求める雄叫びを上げ、そして...。
<公演情報>
『ザ・ウェルキン』
【東京公演】
2022年7月7日(木)~7月31日(日)Bunkamura シアターコクーン
【大阪公演】
2022年8月3日(水)~8月7日(日)森ノ宮ピロティホール
作:ルーシー・カークウッド
演出:加藤拓也
翻訳:徐賀世子
出演:吉田羊 大原櫻子
鷲尾真知子 梅沢昌代 那須佐代子 峯村リエ 明星真由美 那須凜 西尾まり 豊田エリー 土井ケイト 富山えり子 恒松祐里 土屋佑壱 田村健太郎 他
(声の出演) 段田安則
お問合せ:シス・カンパニー
03-5423-5906 (営業時間 平日11:00~19:00)