舞台を中心に活躍する出演者が、ソング&ダンスや芝居、タップ、ミニミュージカル、スケッチなど、エンターテインメントのあらゆる要素を詰め込んだ怒涛のジェットコースターステージを繰り広げる『CLUB SEVEN ZERO』のシリーズ3作目が2年ぶりに上演されます(※『CLUB SEVEN』は2003年から上演。2017年から『CLUB SEVEN ZERO』に)。
出演するのは、脚本・構成・演出・振付の玉野和紀と、玉野が絶大な信頼を寄せるレジェンドメンバー吉野圭吾、東山義久、西村直人。さらに前作から続投の大山真志、そして凰稀かなめと妃海風。
今作について、玉野、吉野、東山、西村、大山の男性キャスト5人にお話をうかがいました!
――玉野さん、現時点での『CLUB SEVEN ZEROⅢ』の構想についてお聞かせください。
玉野 基本的な構成は今までと変わらず、オープニングがあって、歌があって、踊りがあって、スケッチやって、ミニミュージカルがあって、50音順メドレー(「あ」から「ん」まで50音で始まる曲をメドレーでパフォーマンスする大変なステージ)というものです。構成自体は変わらず、新作......というか毎回ぜんぶ新作なんですけど、ネタ自体を新しいものにして、チャレンジしようと思っています。
――実際にやるやらないは別として、皆さんが今作でやってみたい役やパフォーマンスなどはありますか?
吉野 はいっ!
大山 早い!挙手制なんですか!?
吉野 昆虫!
大山 (笑)。昆虫のなにがやりたいんですか?
吉野 芋虫とか。
東山 いや、内容のはなし(笑)。
吉野 ミュージカル。
玉野 ははは! まっとうなミュージカルで?
吉野 はい。
玉野 それでいて泣けるやつ?
吉野 泣けるやつ!
東山 主役は誰がやるんですか?
吉野 主役は玉野さん。
玉野 俺!?(笑)
吉野 人間の男の子がいいな。
東山 僕は?
吉野 カマキリ。俺は芋虫。
大山 でかい芋虫だな!
西村 僕、やるならバッタかなあ。あ、でもバッタは飛ぶからちょっと疲れるかな。
一同 (笑)
西村 バッタはヨシ(東山)みたいな人がやればいいよね。
玉野 ヨシだね。
東山 真志はカブトムシのメスとかがいい。
大山 それ、フォルム(でのチョイス)じゃないですか(笑)。
玉野 真志はダンゴムシとかは? コロコロコロコロ
大山 転がるんですか!(笑)
――ほかにありますか?
西村 僕は、宇宙防衛軍ですかね。
大山 "地球"防衛軍ですよね?
玉野 (笑)。宇宙までは防衛できない。
大山 キービジュアルでその格好していますしね。玉野さん、やるんですか?
西村 楽しみですね。
玉野 (笑)。やるのかな?衣裳つくっちゃったからね。
西村 ってことは?
東山 いやでも、この感じで「無茶ぶり(コーナー)」とかやるんじゃないかな。
一同 ふふふ......。
玉野 まあ、決めるのは僕なのでね!(笑)
――『CLUB SEVEN ZERO』シリーズも3作目ですが、『ZERO』シリーズに入ってからの思い出や事件はありますか?
吉野 7人になってよかったですよね。大変だけど。
玉野 僕がすごくしんどくなったんですよ。あれ?人手が足りない!って。
大山 前回は「50音順メドレー」で玉野さんが僕にキャラクター系をすごく振り分けてくださって(笑)。
玉野 そうそう。そういうのはずっと俺とか直人の役割だったのに、真志が全部やるからさ。こっちはまともに踊らなくちゃいけなくなって......お前が一番ラクしてんだよ!
大山 ラクではないですけど!(笑)でも玉野さんが自分で自分の首を絞めてるなっていうのは感じます(笑)。
玉野 しょうがない。人手が足りないから。
一同 (笑)
玉野 でもやっぱ大変で、俺、初日に台詞がなんにも出ないことがあったよね。圭吾に言う台詞だったんだけど。
東山 ありましたねー!
玉野 バン!と出て「......?」って。必死だった。
東山 さっき準備してる時にもその話になって、圭吾さんが「ああいうの、ほんと勘弁してほしいんだよな」って。
一同 (爆笑)
――皆さんがお客さんだとして、ピンポイントな「『CLUB SEVEN ZERO』を観に行く理由」を教えてください。
東山 「50音順メドレー」の最後の「ん」の時の、みんなの表情とか充実感が見たいかな。生のステージだからこその汗や息遣いが一番感じられる部分な気がするんですよね。お客さんもそれまでの2~3時間を一緒に走ってきているから、一緒に「おめでとう!」って言いたくなるんじゃないかなって思うし。
大山 無茶ぶりコーナーでふられた時に、たまにどんズベることがあるんですけど(笑)、その状況下で悶えて悶えて悶えて、なにかひとつ見つけた時の表情が見たいですね。毎公演で見られるものではないですけど、あれはカタルシスというか......俺たちも「やった!」って気持ちになるし、お客さんも「よくやった!」みたいになると思うから、普通の舞台じゃ得られない感覚なんじゃないかなと思います。
西村 この舞台は、フォーメーションや立ち位置が、ものすごい数決められているんです。7人だけなのに、本当にすごいんですよ。だから舞台上には、その位置の目安を確認できるように"バミリ"というものが存在するんですけど。僕は、キャストがいつバミリを見て、立ち位置に入っているかを見たい。
一同 (笑)
西村 みんなプロなのでそんな素振りは見せないですが、どのタイミングでそれを見て、立ち位置に移動しているかを見るのは楽しいと思います。
大山 めちゃめちゃコアなファンじゃないですか(笑)。
吉野 僕は、なんだろうな。いい年した大人たちが、汗、水、涙を流して必死にくだらないことをやっている姿は美しいと思うし、心に響くと思うから。というか僕には響いた。何度か客席で観ているので。そこにグッとくるんですよね、それが見たいです。
玉野 そうか、圭吾は観たことあるんだ。
吉野 ありますよ。みんな必死にやってましたよ。
西村 どの辺のタイミングで「出たいな」って思うの?
吉野 某有名大ヒットミュージカルの曲でスケッチをやった時は「すごい!出たい!」って。
玉野 うれしいねえ。
西村 あの時、お客さんの拍手でショーストップしたんだよね。あの拍手は圭吾だったのかもしれないね。
吉野 そうかも。僕もすごく拍手したから。
玉野 舞台ってライブなぶん、"その瞬間"は本当に一度しかないじゃないですか。『CLUB SEVEN』のステージって、その究極みたいな気がするんです。これを見逃したら一生見ることはできないものがそこにある。その魅力を感じてほしくて、配信はせず、生の舞台にこだわっています。「唯一無二」の「一期一会」、そういうものを毎日届けるのが『CLUB SEVEN』だと思う。あとはみんなも言っているように、キャストが必死で汗水流してつくっている姿が見たい。これはね、中にいても感動する時があるんです。直人も一回、泣きそうになったって言ってたよね。
西村 ありましたね。みんなで円になって歌っているときに、涙が出そうになって。
玉野 みんなのことを尊敬できるから。こういう繋がりってそうそうないし、だから僕はこのメンバーのことを"グループ"だと思っています。ずっと一緒にいるグループ。そういう人たちが新しいことに挑戦しながらやっている、その姿をね。パフォーマンスもそうですけど、"生き様"のようなものを見せるのが『CLUB SEVEN』かなって思います。だからぜひ観ていただきたいですね。
公演は6月6日(日)から25日(金)まで東京・日比谷シアタークリエにて。
取材・文:中川實穂
撮影:石阪大輔