ミュージカル「サタデー・ナイト・フィーバー」観劇レポート

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12月13日(金)、東京国際フォーラム・ホールCにて、ミュージカル「サタデー・ナイト・フィーバー」が開幕。

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ディスコに青春を捧げていたDJ KOOとアン ミカのふたりが公式サポーターに就任したことでも注目を浴びていたが、公演初日を目前に行われた公開リハーサルには、多くの報道陣が集まり、改めてその注目度の高さを示した。

さて、本公演は1977年に劇場公開された同名映画のミュージカル版。日本のディスコブームの火付け役としてあまりにも有名であり、主演のジョン・トラボルタや主題歌を歌うビー・ジーズには、社会現象を巻き起こすほどの熱狂的なファンが続出した。

DJ KOOもそのひとり。映画をみてディスコに憧れを抱き、DJを目指したという経歴を持つ。そんな彼が公開リハーサル直後に語った言葉はこうだ。

「映画を観た世代にとっては忠実さに感動!」

原作の熱狂的なファンほど、リバイバル作品や舞台・ミュージカル公演に厳しい意見をぶつけるものだが、彼は違っていた。トレードマークのサングラス越しにも見て取れる満面の笑み。公式サポーターという立場を超えて興奮をあらわにしていた。

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それも納得。映画とはセットも背景も違うのだが、大スクリーンに映し出されたアメリカの景色と、2つの大階段を使った立体感のあるステージ演出のおかげで、まるで映画の舞台である70年代のブルックリンの喧騒に飛び込んだような臨場感を味わえる。内容も原作を忠実になぞってあるため、時折登場するミュージカルならではの斬新な味付けさえ抵抗なくスッと入ってくるのだ。

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舞台構成は、主役トニーの魅力をふんだん散りばめたACT1と、青年特有の葛藤を描いたシリアスなACT2。前半ではトニーの日常と一つとして華麗なディスコシーンが繰り返し登場し、主演リチャード・ウィンザーの美しい舞姿に釘付けにされる。トラボルタが踊るオリジナルのディスコダンスは、どこか垢抜けない若者らしい大胆さと、可愛らしくも見える大きく腕を上下させる振り付けこそが魅力だが、さすがバレエダンサーのリチャード。振り付け自体は大きく変わっていないのだが、指先、つま先、視線の送り方など細かな所作がバレエを感じさせる優雅さと気品を備えている。彼の踊りを見ていると、ディスコ=社会に反発した不良のたまり場というイメージは完全に払拭され、踊りに対する純粋な情熱がひしひしと伝わってくるというのが、率直な感想だ。

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ACT2では、親との確執、親友とのすれ違い、叶わぬ恋に加えて、差別問題などのシリアスなテーマがメインとなる。これに対して「自分はディスコ第二世代です」と話すアン ミカはこう語った。

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「映画はリアルタイムの世代ではありませんが、今回、目の前で観たことで、日本でもアメリカでも悩んでいることは同じなんだと実感しました。職場の問題、地域格差、青年の葛藤とか。その中にディスコという存在があって、自分の居場所があるという話は時代を超えて共感できます!」

ちなみにACT2でもリチャードのダンスは冴え渡る。ソロで踊る「イモータリティ」は、彼自身が振り付けをしたという意欲的なダンス。どこか悩ましくセクシーな魔力を放ち、男性であるDJ KOOも絶賛の声をあげた。

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さて、今回のミュージカルの魅力はそれだけではない。またもやDJ KOOが興奮気味に語った。

「演奏がすごく聴き心地がいいんです。生だからね。ACT2ではシリアスな場面があるんだけど、そこではビー・ビーズの歌詞がより心に入ってくるんですよ」(DJ KOO)

「ビー・ジーズがね、3人のキャラを再現してましたよね。すごくいいの!」(アン ミカ)

そう、ステージの上。テレビ的には「天の声」とでもいうだろうか。ステージの上空に、ビー・ジーズに扮した3人のシンガーが並び、メインテーマのステイン・アライブを始め、愛はきらめきの中になど往年のファンが涙する名曲を生演奏で歌い上げる。ミュージカルでありながら、ミュージシャンのライブを鑑賞している気分にもなれるという、贅沢すぎる演出もまた興奮を否応なく掻き立てる。

また、そんないきすぎた興奮をすぐに発散させてくれるというのも本公演の魅力である。本来ならキャストに拍手喝采を送るカーテンコールで、なんとキャストたちと一緒にディスコダンスを踊ることができるのだ。

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「女性の皆さんは、今年はまたスパンコールが流行ってるから、ぜひ私みたいなスパンコールのドレスでいらしてください!」(アン ミカ)

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なるほど。歌舞伎を堪能するために和服を着る女性が増えている。ディスコミュージカルを堪能するにはディスコファションに身を包む。そして思いのままに踊る! いいじゃないか!!

かつてディスコとは、めまぐるしい現代社会の中、心の行き場をなくした若者が思いの丈をぶつけた場所。40年が過ぎた今もめまぐるしさは変わらないが、今度はそんな若者が親となり、子どもたちの手をとって、着飾り、共に踊って大いに楽しむ。時代を超えて人をつなぐ物語、音楽、ダンス...and more。新生ミュージカル「サタデー・ナイト・フィーバー」には、映画にはない愉楽が詰まっている。

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写真:ヒダキトモコ

公演は東京国際フォーラムホールCにて、12月29日(日)まで。全編英語での公演だが、日本語字幕が表示されるので、大人から子供まで楽しむことができる。チケットはぴあにて発売中。

(取材・文=浅水美保)

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