2019年12月 2日アーカイブ

チケット情報はこちら

b_0066d.jpg撮影:宮川舞子

日本文学の先達への憧れとリスペクトを込め、シス・カンパニーと劇作家:北村想が新作戯曲をお届けするシリーズ「日本文学シアター」。斬新かつ繊細な北村想独特の感性から紡がれる言葉のきらめきで、多くの演劇ファンをうならせてきた人気シリーズです。その待望の第6弾『風博士』東京公演が、11月30日(土)に東京・世田谷パブリックシアターにて開幕した。

本作は題名の通り、坂口安吾の短編「風博士」や「白痴」等が創作のインスピレーションだが、そこは大胆不敵な劇作で知られる北村想のこと。原作の舞台化とは全く意味合いが異なる、100%オリジナルの物語が展開します。しかし、全編に流れるのは、まさしく坂口安吾へのリスペクトそのものだ。観客は、その美しい言葉の数々に涙し、時にはミステリアスで、時にはユーモラスな展開に笑いながら、この世界を旅していくことになるだろう。また本作は、音楽劇やミュージカルとは銘打っていないものの、出演者全員がその心情を歌で紡いでいくところも見どころ。

b_0360d.jpg撮影:宮川舞子

<あらすじ>
戦況が厳しくなったある大陸。果てしなく広がる青空の下、とある商売を営むフーさんという男がいた。風を読み、風を知り、風を歌い、はるかな大陸をただ生きるこの男...。どうやら、もともとは風船爆弾を研究する科学者だったらしい。そのためか、「風博士」と呼ばれるフーさんの周りには、不思議な人々が集まり、心を通わせながら、彼らもまた生き抜いていた。日々のささやかな喜びも苦しみも悲しみも、すべては吹き抜ける風まかせ......。そして、戦況は悪化の一途をたどり、果たして彼らの運命は...?

b_1684d.jpg撮影:宮川舞子

初日を終えたキャスト陣のコメントはこちら。

中井貴一
稽古に入ってから、こんなに泣ける芝居だったのか、、、と驚かされました。戦時中の話ですが、反戦を声高にうたっているのではなく、必死にその時代をただ生き抜く人たちが描かれています。つくづく、北村想さんは文学をエンターテイメントにするさじ加減をよくご存じの方だなあ、と思いました。戯曲の捉え方は人それぞれでしょうが、お客様がさまざまに想像できる余韻を残せたら、と思っています。

段田安則
過去に出演したシリーズ3作も、原作とは違う世界が広がって楽しかったんですが、今回も、原作とは全く別モノで戦時中のお話です。戦争は兵隊だけでなく、その周りの人も悲惨な目に遭わせます。そんな時代に、どんな人がいて、どう生きてきたのか...。皆様には、北村想さん独特の「それ無茶苦茶では?」という破天荒な展開を楽しんでいただきつつ、心に響く何かを感じ取っていただきたいと思っています。

吉田羊
北村想さんの戯曲は言葉遊びに満ち魅力的で、寺十さんの遊び心に溢れた演出で、キャラクターたちが生き生きとしてくるのには目を見張りました。死と隣り合わせの環境の中、それでも全力で生き抜く人たちを明るく軽やかなタッチで描いていますが、その明るさが逆に悲しくもある...。お客様には、笑いながらも、その背中合わせにある悲しみや怒りといった感情を汲み取っていただけたら嬉しいですね。

渡辺えり
北村想さんは同世代の演劇人ですが、その作品を役者として演じるのには、いつも難しさを感じて、今回も悩みながらの稽古でした。最初に、この台本を読んだときに反戦への思いを強く感じました。私が演じる梅花のように、実際に大陸に渡った女性たちの真情を思うと切なくなります。彼女たちの存在を「なかったこと」にしないためにも、当時の女性たちのリアルさを出せるようにしたいと思っています。



<公演情報>
【東京公演】
2019年11月30日(土)~12月28日(土) 世田谷パブリックシアター
【大阪公演】
2020年1月8日(水)~1月13日(月・祝) 森ノ宮ピロティホール
【作】北村想
【演出】寺十吾
【音楽】坂本弘道
【出演】
中井貴一 段田安則 吉田羊 趣里 林遣都 松澤一之 渡辺えり 内藤裕志 大久保祥太郎





チケット情報はこちら

声優、俳優、タレントとして幅広く活躍中の山寺宏一さんと水島裕さん、そして演出家の野坂実さんがコメディをやるために2015年に立ち上げた演劇ユニット「ラフィングライブ」。

その第五回公演「Out of Order」が、11月28日(木)から12月2日(月)まで東京・三越劇場にて上演されます。

今回もレイ・クーニーのワンシチュエーションコメディを小田島恒志さんの翻訳で上演。

山寺さん、水島さん、そしてお馴染みキャストに加え、『美少女戦士セーラームーン』月野うさぎ、『新世紀エヴァンゲリオン』葛城ミサト役等の声優を務める三石琴乃さん、『ハイキュー!!』清水潔子、『交響詩篇エウレカセブン』エウレカ等の声優を務める名塚佳織さん、俳優・声優等マルチに活躍する岩尾万太郎さんが初参戦します。

げきぴあは稽古場におじゃまし、山寺さん、水島さん、野坂さんに寿さんも交え、お話をうかがいました。

DSC05186 げきぴあ.jpg

*****

――お稽古が始まっていかがですか?

水島 大変だろうと思っていましたが、もっと大変でした。

山寺 (笑)。想像以上だったということですね。

水島 そういうことです!

山寺 大変じゃないと「ラフィングライブ」じゃないからね。

野坂 そうだね。

山寺 ときどき「あと◎日だ!」と思って眠れなくなることもありますけど。まあ、7分後には寝てますけどね。

一同 (笑)

水島 僕は夜中にこむら返りで目が覚める。肉体的な疲労で(笑)。

――寿さんは3度目の参加ですが。

寿 そうです、ありがたいことに。過去を振り返っても、今作はかなり‥‥ですね。役柄的にも、今までは騙される側だったのですが今回は違うので、面白いなと思いながら稽古をがんばっています。

水島 寿さんが演じるジェーンはちょっと天然みたいな感じの役だよね。寿さんの中にその要素ってあるの?

寿 あると思います。

山寺 「年の割にしっかりしてる」というイメージだけど、天然っぽいとこあると思うんだよね。

寿 自分で気付いてないんですけどね。

山寺 それ、周りも気付いてないから、それ、ないんじゃない?

一同 (笑)

野坂 でも普段お喋りしてても、ちょっと抜けてる瞬間はある。

寿 (笑)

山寺 さすが演出家は見抜いてるんだね。「抜けてんな」と思ってたんだね。

一同 (笑)

――野坂さん、山寺さんと水島さんはどんな印象ですか?

水島 怖いこと聞きますね!

一同 (笑)

野坂 おふたりって役者としてすごく違うように見えると思うのですが、根っこが同じなのがおもしろい。山寺さんは基本的には真面目ですし、水島さんは不真面目なような見せ方してて真面目です。

水島 (笑)

野坂 どこかで「最終的には自分でやらなくちゃいけない」ということをわかっていらっしゃるので、自分の場所はしっかり自分でやるよという覚悟がある。でもタイプが違うので、「ラフィングライブ」はうまくいってるような気がします。

水島 本番まであと「20日ある」と思うか、「20日しかない」と思うかの違いがあるね。山ちゃんは「20日しかない」のタイプかな?

山寺 俺、2か月前から焦ってますからね(笑)。

野坂 そしておふたりは、"最終的な目標"は同じだけどアプローチの仕方が全く違うんですよね。なのに一緒にお芝居してると、アドリブかのような台詞回しになる。それが僕はおもしろいなと思います。遊ぼう遊ぼうとしますからね。クリエイトするほうの遊び。それに夢中になってる。

山寺 掛け合いおもしろいよね。

水島 うん、おもしろい。出演者みんなそうなんですけど、根本に持ってるリズム感とか、それが大体みんな一緒のような気がする。

野坂 「ラフィングライブ」は、最初からふたりのテンポ感がとってもいいので、なんとなくそれがベースになって、客演の方々が「このテンポに合わせとこう」という感じになっていった。それは大きかったです。そのテンポが"僕らのテンポ"になって、つくられている感じ。


DSC05262 げきぴあ.jpg

――「ラフィングライブ」は毎回レイ・クーニーの作品を上演されていますが、今作はいかがですか。

山寺 今作は、僕が演じるリチャードが自分の保身のためにみんなを巻き込むのですが、今までに比べて、よりひどい人だよね(笑)。今までは倫理的には道をはずれても法は犯してなかった気がするんですけど。しかも巻き込む人(水島演じるジョージ)も今回は部下だから。言いたい放題言う。だからそこが心地いいですね!

一同 (笑)

山寺 大先輩(水島)に言いたい放題。

水島 俺に言ってるわけじゃないから許す(笑)。

野坂 今まではクーニー作品の中でも「無駄なものが削ぎ落された作品」をやってきたのですが、今回は、少し無駄だなって思うものもついてきてる脚本なんですよ。そのぶん下世話な部分も増えている。それが「ラフィングライブ」色にどう変化できるか、というのは新しい試みだと思っています。


DSC04673 げきぴあ.jpg

――無駄にみせるものこそ。

水島 ちょっと無駄だなって思える台詞が、より深みを増すための台詞にできればいいなと思って。そこはすごく悪戦苦闘しながら「ここはもしかしていらないんじゃない?」という部分があったほうが、より人間描写が深くなってたりするように持っていこうとしています。

寿 私はレイ・クーニー作品は「ラフィングライブ」で出合ったものしか知らないのですが、今まで演じてきた第二回公演「Run for Your Wife」、第四回公演「パパ、アイ・ラブ・ユー!」って、メインの道がしっかりあって、そこにちょっとずつ参加してくる誰かがいるようなイメージだったんですけど。今作は、野坂さんがおっしゃったように、もちろん軸はあるんですけど、入り乱れる感じ。それがどんどん"天丼"になって‥‥

水島 天丼!?

山寺 お笑い用語で、同じパターンをかぶせていくことです。

水島 え、これ、わかんないの俺だけ?ごめんごめん!

山寺 急にお腹すいたのかなと思った。

一同 (笑)

寿 そうやって重なってくる面白さだったりするので。だから観終わった後、お客様がどんな感覚になるのか未知数だなって思ってます。私も脚本を読みながら毎回感じ方が違って、発見があるので。

水島 それ、まとめると「3回観たほうがいいよ」ってことね。

山寺 そうね!

――水島さんは今作についてどう感じていらっしゃいますか?

水島 「おじさん二人がひっちゃきになる」というのは、「ラフィングライブ」が今までキープしてきたところですし、僕も「あーラフィングライブやってるな」と感じます。でも今作は初めてラブシーンがあるんですよ。それがね、辛くて辛くて。俺、下手なんだよね。

山寺 あれ、ラブシーンっていうの?(笑)

水島 ひどいラブシーンだよ。悩んでます。でもあと20日ありますからね。

山寺 もう20日もないよ。

水島 まあ、20日近くあるからね!

一同 (笑)


DSC04764 げきぴあ.JPG

――先ほど野坂さんがおっしゃった「ラフィングライブ」色ってどんな色ですか?

野坂 レイ・クーニーの戯曲って、意地悪のように、ト書きがちょこっとだけあるんですよ。「〇〇が下手(しもて)にいる」とか。しかもそれが整合性がつかないんです、なかなか。なので他のカンパニーだと「まあいいや」となっちゃってたりもします。でも僕らはそこに真っ向勝負しようとしている。このセットもレイ・クーニーがやってるまんまなんですよ。

――すべて。

野坂 すべて。「これは予算的に難しい」とか「これはギミック的に難しい」とかじゃなくて、僕らはあくまでもレイ・クーニーがやっていたものをやる。そのうえでブラッシュアップして、クオリティの高いものをやろうとしています。台詞の掛け合いも細かく細かくつくっている。"なり"でやったりはしない。だから気が狂いそうになる時が多いですね(笑)。

山寺 うん、気が狂う感じだよね。

寿 (笑)

山寺 ちなみに今「僕ら」と言ってますけど、野坂実が言ってるんですよ。「ラフィングライブはレイ・クーニーと一緒じゃなきゃダメだよ」とか言ったことないですから。

一同 (笑)

山寺 でも彼に言われた通りやると、ちゃんとウケるし、お客さんが喜んでくれる。それを今まで実感してるから。しょうがないなって。だから毎回言ってるけど、野坂塾に通ってるんです(笑)。

水島 脚本読んでて「これ、どうやってやるんだろう」ってところとかあるよね。それでも考えて、ちゃんと成立させるから凄い。

野坂 それと、キャストは声優さんで構成されていますが、僕は舞台ってマイクを入れるのではなく生声でやっていくものだと思っているので、声はかなり大事な要素になってくるんです。なので、その部分は僕らの強みなんだと思っています。声優さんは身体も動く方が多いですし。

山寺 そんなこと言って大丈夫ですか。昨日、劇団四季を観たばかりなので‥‥。

一同 (笑)

水島 しかも『キャッツ』観てるから(笑)。

山寺 僕は初演で肉離れした男なので‥‥。

一同 (笑)

山寺 あと、これはぜひ書いていただきたいんですけど、寿美菜子さんがね、来年からイギリスに行くでしょ。そのきっかけのひとつがこの「ラフィングライブ」だと聞いた。

寿 そうです。

水島 え、本当?

寿 ここでレイ・クーニーの戯曲と出合って、やっぱイギリス演劇っておもしろいなと思ったので。

山寺 嬉しいですよね。我々は行く気ないけど(笑)。

寿 なんでですか(笑)。

水島 遠いもの。

一同 (笑)

野坂 イギリスに行く前の舞台はこれが最後なの?

寿 そうです!

山寺 戻ってきたときはまたフィードバックしてほしいよね。

寿 呼んでいただけたらいつでも!


DSC04862 げきぴあ.jpg

「今回のパンフレットにもCDがついて、出演者のみんなでラジオドラマみたいにして演じています。僕が適当な話を書いて」(山寺)というラフィングライブ第五回公演「Out of Order」は、11月28日(木)から12月2日(月)まで東京・三越劇場にて上演。

カテゴリー

ジャンル

カレンダー

アーカイブ

劇団別ブログ記事

猫のホテル

文学座

モナカ興業

谷賢一(DULL-COLORED POP)

劇団青年座

劇団鹿殺し

 はえぎわ

柿喰う客

ONEOR8

M&Oplaysプロデュース

クロムモリブデン

演劇集団 円

劇団チャリT企画

 表現・さわやか

MONO

パラドックス定数

石原正一ショー

モダンスイマーズ

ベッド&メイキングス

ペンギンプルペイルパイルズ

動物電気

藤田記子(カムカムミニキーナ)

FUKAIPRODUCE羽衣

松居大悟

ろりえ

ハイバイ

ブルドッキングヘッドロック

山の手事情社

江本純子

庭劇団ペニノ

劇団四季

演劇チケットぴあ
劇場別スケジュール
ステージぴあ
劇団 石塚朱莉