『TRUMP』シリーズ最新作「COCOON」星ひとつ編ゲネプロレポート

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作・演出の末満健一が2009年に大阪の小劇場で初演し、今や大人気の『TRUMP(トランプ)』シリーズ。その最新作となる『COCOON 月の翳り星ひとつ』が、5月11日(土)から26日(日)まで東京・サンシャイン劇場、5月30日(木)から6月5日(水)まで大阪・サンケイホールブリーゼにて上演中です。

吸血種(ヴァンプ)の宿命を描いたゴシック・ファンタジーシリーズで、続き物ではなく、ひとつの時の流れの中にあるさまざまなエピソードを描いていく本作。今回は、アンジェリコとラファエロというふたりの少年の物語を描く「月の翳り」編、原点の作品『TRUMP』の主人公の一人・ウルの物語を描く「星ひとつ」編という2作品が同時上演されます。

げきぴあでは、それぞれの公開ゲネプロに潜入、この記事ではゲネプロ2日目に行われた「星ひとつ」編をレポートします。

◎「月の翳り」編・これまでの作品紹介・末満さんのコメントはコチラhttp://community.pia.jp/stage_pia/2019/05/trumpcocoon.html

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※※以下、ゲネプロレポート※※

※※ネタバレ注意!!!※※

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さて、「星ひとつ編」で描かれるのは、ウルという青年の物語。ウルは「月の翳り」編に登場するラファエロの弟で、名門デリコ家の次男です。

星ひとつ① 350.jpg

▲中央がウル

ウル(宮崎秋人)は特級貴族ダリ(染谷俊之)の子息ですが、実は秘密があります。彼は人間種と吸血種の間に生まれた混血種《ダンピール》。生まれてすぐに実の両親を亡くし、ある事情から特級貴族であるダリに引き取られ育てられたのですが、彼がダンピールであること以外、つまり出生の秘密などはウルや兄のラファエロ(荒木宏文)は知りません。

繭期(人間でいう思春期)を迎えたウルが、兄のいる≪クラン≫(繭期の吸血種の少年たちを収容する施設)に入る、というところから物語は始まります。ダンピールは忌み嫌われる存在。ウルは、名門デリコの家名を護るため、表向きは《純血種》として生きることを父に命じられます。また、ラファエロもそんなウルを護るようにと父に命じられます。

星ひとつ② 350.jpg

▲クランには、ウルにとっても幼馴染であったアンジェリコ(安西慎太郎/左)も。彼の「月の翳り」からの変化はじわっと感じさせるものがあります

自分がダンピールであることをひた隠して生きるウル。あるとき、同じクランにやってきたダンピールのソフィ(三津谷亮)と出会い、ダンピールであるにも関わらず毅然と生きるその姿に心惹かれていきます。そこに反応したのがラファエロ。弟がダンピールであると露呈することを恐れ、ふたりを引き離そうとします。

星ひとつ③ 350.jpg

▲中央がソフィ。ウルは言います「ソフィ、君は僕であり、僕は君だ」

 

同じ頃、TRUMP(→永遠の命を持つとされる原初の吸血種「TRUE OF VAMP」の呼称)を監視・守護する《ヴラド機関》の任務にあたるダリは、ソフィがこのクランに入所していることを問題視していました。なぜならそこにはTRUMPであるティーチャークラウス(陣内将)がいるから。ソフィには、クラウスの精神状態に悪影響を及ぼしかねない秘密があるのです――。

星ひとつ④ 350.jpg

▲左からティーチャークラウス、ダリ。繭期(思春期)の少年たちを描く作品ですが、大人たちの姿から見えるものにもぜひ注目してほしい!

星ひとつ⑤ 350.jpg

これまでの作品を観てきた人は、思わずその場で答え合わせをしたくなりそうなエピソードも。ですがそれ以上に、シリーズを通して描かれ続ける「生」と「死」というテーマや、人間の業が濃く描かれているのが本作。この作品だけを観ても、受け取るものは大きいです。

星ひとつ⑥ 350.jpg

ウルはダンピールであることを隠し生きているせいで、心に抱えたものをわかちあえる相手がいません。大切なことを言えないまま続くソフィとの交流ですが、すべてが明るみに出たとき、ふたりの間になにを生むのでしょうか。

星ひとつ⑦ 350.jpg

そんなウルを必死で護ろうとする兄ラファエロも、実は繭期にいるのです。父親の期待に応えなくてはならないという気持ちが強い彼ですが、その父親ダリの心の内もこの作品では描かれます。それぞれが何を見て、何が見えていないのか、ぜひ注目してみてください。

星ひとつ⑧ 350.jpg

▲一番右は転校生・臥萬里(木戸邑弥)。ウルとソフィが一目見て"違和感"を感じる彼は、果たして何者なのか......と書きつつ、この"何者"というのも引っかかるところ。この世界の登場人物には「ヴァンプ」「ダンピール」「TRUMP」「繭期」などなどさまざまな特性がついてまわります。その特性、例えば「特急貴族」からイメージするものは、本人以外の言葉で語られることが多く、それを何度も聞いているうちに、いつのまにかその聞いたイメージを重ねて観る目で見ている。劇中、突然そこに気付かされる瞬間が何度もありました。

美しい美術や衣裳、照明や音楽、迫真の殺陣など、さまざまな面で楽しめる作品。ぜひ劇場やライブビューイングで体感してください。

『COCOON 月の翳り星ひとつ』は5月26日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演後、5月30日(木)から6月5日(水)まで大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。

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