ドキュメンタリー・ミュージカルで湖月わたるがリアル婚活?!

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湖月わたるさんが舞台生活30周年を記念して、2作品連続上演に挑みます。VOL.1『ドキュメンタリー・ミュージカル わたるのいじらしい婚活』(今年7月)、VOL.2『Song&Dance』(今年10月)。この2作について、囲み取材会でのお話をお伝えします。

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まず、ご挨拶をどうぞ。

湖月 私は今年芸能生活30周年を迎えます。長いこと応援してくださった皆様、関係者の皆様、作品で出会った方々、あたたかくご支援くださる皆様、ありがとうございます。今回、記念公演として2作品を異なるコンセプトで上演する、大変幸せな機会をいただきました。

私は作品と向き合う時に目標としているのは、"挑戦と進化"です。VOl.1『ドキュメンタリー・ミュージカル わたるのいじらしい婚活』では今人気の放送作家・竹村武司さんを脚本、新進気鋭の演出家・永野拓也さんを作詞・演出にお迎えし、ドキュメンタリーミュージカルという未知の分野に飛び込みます。自分自身を演じるということで、役者として何かを掴みたいです。VOL.2『Song&Dance』では私を応援してくださる皆様に心からの感謝を込めて、懐かしい曲で歌い踊ります。『ベルサイユのばら45』では14年ぶりにアンドレとフェルゼンを演じました。また現在、3年半ぶりに『雪まろげ』のアンナ役に向き合っています。再挑戦での私の目標は、今の自分にしかできない表現、進化したパフォーマンスをお届けしたいということです。VOL.2では懐かしい曲とともに、今の私をお楽しみいただきます。

私を応援してくださっている方には挑戦&進化する姿を、まだ湖月わたるをご存知ない方にはこんな面白い女優がいる!と思っていただけるように、作品と真摯に向き合い、初日に向かって頑張ります。

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竹村 脚本を担当する竹村武司です。普段は放送作家の肩書で、バラエティ番組や情報番組、ドラマの脚本などを幅広く手がけています。正直、このお話をいただくまで宝塚歌劇を観たことがなく、舞台公演の脚本も経験がないので、初めての打ち合わせで「なぜ僕なんですか?」と心の中の声を含めて100回くらい伺いました(笑)。その答えを聞いて、僕に白羽の矢を立てた冒険心、何か違うことをやりたいという心意気をひしひしと感じました。僕自身も"ここではないどこか"みたいな作品を作り続けたいので、お引き受けしました。

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永野 作詞&演出の永野拓也です。僕も「僕でいいんですか?」と同じことを聞きました(笑)。湖月さんはすでに人気も実績もお待ちで、30周年記念公演として過去を振り返るショーであれば、僕より確実に上手い演出家がいるはず。そこでお受けする前に「湖月さんと直接お話させていただけますか?」とお願いしました。湖月さんとお会いして感じたのは、僕が思っていたある種のスターのイメージとはいい意味で違うこと。非常にチャーミングで、保守的じゃない。そして、この先を見据えて新しいチャレンジをするために僕なのだ、と。それなら「とことんチャレンジしましょう」とお話しして、脚本を竹村さんにお願いすることにしました。怖がりながらもきちんとチャレンジしたいです。

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ドキュメンタリー・ミュージカルになった理由は?

永野 湖月さんが宝塚のトップスターを経て30年、この世界で活躍し続けているのはすごいことです。また、その実人生を作品に生かしたいというオーダーがありました。僕の個人的な考えですが、ミュージカルは虚構性の高い、飛躍しやすい表現方法です。一方ドキュメンタリーは、ああわかる!そう思うよねと共感を得やすい表現方法で、ミュージカルとは対極にあります。この二つが共存し、作品として成立したら面白くなるに違いない。例えば、ふられたら悲しいし、涙を流して救われる曲を聴きたくなる。そんな入り口のミュージカルがあれば、観客の皆さんはより共感しやすいでしょう。そう考えて、このチャレンジをお願いしました。

"婚活"がテーマである理由は?

竹村 テレビ屋の悪い癖に、パンドラの函を開けたがる習性があります。そしてドキュメンタリーはいくらバリアを張っても、必ずその人となりが出てしまうんです。湖月わたるさんのドキュメンタリーとなった時に漂う恋愛ネタのタブー感。そこにテーマを置いて、今までに見たことがないものを作りたいと思いました。また、湖月さんがチャーミングお化けみたいな方なんです。穴という穴からチャーミングが溢れ出している(笑)。そして僕が知るチャーミングな女性の中で一番背が高い!チャーミング含有量が多いんですね。婚活、恋愛はそのチャーミングさを一番引き出せるテーマだと思いました。

湖月 "婚活"がテーマだと聞いて、最初は戸惑いました。でも竹村さんが構成したテレビ番組『山田孝之の東京都北区赤羽』で、山田さんがおじさんに叱られるシーンがあって、本当に感きわまるというか、彼自身の葛藤が見えたんですね。あの映像を見て胸が熱くなり、涙が溢れて...。あの作品を手がけた竹村さんが、今の私に興味を持っていただけたことが嬉しかったですし、私を題材に何を引き出してくださるのか。また永野さんが演出した『ツクリバナシ』を映像で拝見したら、目から見える出来事だけでなく、目に見えない心の葛藤や戦い、喜びがダイレクトに伝わってきました。その永野さんが「DDD青山クロスシアターという約200席の密な空間で、嘘の芝居はバレてしまう。本当に心が動くものを」と。その上、女優として挑戦、進化したい私にとって勇気をもられる、お客様にもこれからの私をお見せできる作品になると、確信を持って話してくださいました。そこでお二人の才能に身を委ねて、まっさらな気持ちで作品に飛び込もうと決心しました。

竹村さんの作品は、虚構をあたかも現実のように見せる点が魅力のひとつだと思います。今回は、フェイクと現実がどんな割合で進むのでしょうか。

竹村 それはお楽しみとしかいえないですね。というか、全部本当です!湖月さんは今、絶賛婚活中です。実際、撮影が進行中で、それが実る可能性も。

湖月 私、ずっと仕事に夢中でやってきて、本当に不器用なんです。まさか恋愛の可能性のある公演と出会えるとは!もしかしたら素敵なゴールが待っているかもしれません。私が一番、ハラハラドキドキです。

ミュージカルマニアの永野さんは、湖月さんをこの作品でどう引き立たせたい、料理したいと思っていますか。

永野 僕は『ベルサイユのばら45』を拝見していて、湖月さんは直接お話をしたらチャーミングな方なのですが、ベルばらでは超カッコいいんです!これって面白いなと思って。あれほどチャーミングな人が、舞台に立つと愛を叫びながら死ねる。それを見ているお客さんも、ハラハラと涙を流しているわけです。僕はミュージカルを始めた頃に宝塚を見て、お客さんの熱気に圧倒されて、そんな情熱を生むものは僕にあったかなあ?と考えたことがあって。ドキュメンタリーとミュージカルはいわば2次元と3次元。湖月さんが培ってきた舞台上のかっこよさと、素のめちゃチャーミングで可愛らしいさやそこに賭けよう!と思わせる二面性をドキュメンタリーとして、ミュージカルとして描くことにチャレンジしたいです。

宝塚バウホールで公演することへの思いをお聞かせください。

湖月 宝塚バウホールには退団後、初めて立ちます。大劇場の一画にある劇場で、ふるさとに帰る気持ちです。30周年記念公演を湖月わたるが産声をあげた場所で上演できるのですから、ただただ感謝の気持ちを込めてお届けしたいです。チャレンジする姿を街の皆様にお届けしたいです。

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VOL.1の音楽はどのような形になりますか?

永野 現在、全曲、オリジナルで製作中です。湖月さんがチャレンジする紆余曲折にできるだけハマる音楽にしたい。ものすごくエンタメに寄せるというよりは、心情に寄り添う叙情的な音楽を作りたいと話しています。ジャンルに関しては、クラシカルな曲からポップなものまで、アップテンポなものから心情に寄り添うしっとりとしたバラードまで、幅広く取り入れたいです。

VOL.1の共演者には、宝塚から縁が深い朝海ひかるさん、初共演となる廣瀬友祐さん、迫田孝也さんなど。楽しみなキャスト陣です。

湖月 朝海さんは『ベルサイユのばら45』でも"ワタコムコンビ"と呼んでいただきました。今回は私の相談相手だったり、背中を押してくださる役どころ。

永野 基本、お二人の実生活での関係性がそのまま舞台に上がると思います。

湖月 新たな二人の絆をお見せできることでしょう。私たちの名コンビぶりを楽しみにしていただきたいですね。廣瀬さんは...。

永野 これこそお楽しみに!です(笑)。こうなったらという願いはあるけど、進行の様子でどうなるか。

湖月 私の頑張り次第ということですね。廣瀬さんはミュージカル『ロミオ&ジュリエット』のティボルト役が印象的。大胆な情熱の中に繊細さが漂い、背が高くて素敵な方です。迫田さんは三谷幸喜さんの作品によく出ていらっしゃいますね。

竹村 僕は三谷作品が大好きでよく見ているのですが、迫田さんは達者な方。

湖月 インタビューを拝見したら、人間的にもとても温かい雰囲気が伝わってきて、助けていただこうと思います。 

VOL.2『Song&Dance』では30年間の懐かしい歌や踊りが繰り広げられるわけですね。

湖月 はい。30年のうち18 年間は宝塚で育てていただいたので、宝塚時代の曲も踊りたいと思っています。そして『DANCE LEGEND』で踊ったラスタ・トーマスさん振付のタンゴやフラメンコをはじめ、退団後に出会った色々な役や歌も。今、構成を考えている最中ですが、色々なダンスにチャレンジしたいです。もちろん、今の私の歌とダンスもお見せしたいですし、スペシャルゲストをお呼びしたいと考えています。お楽しみに!

【公演情報】

DDD青山クロスシアター (東京都)
2019/7/5(金) ~ 2019/7/15(月・祝)

宝塚バウホール (兵庫県)
2019/7/19(金) ~ 2019/7/21(日)

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<おまけ>最後にビジュアル撮影の感想を聞いてみました!

湖月 私が雨女ということもあり、夜に雨が降る中での撮影となりました。ポーズをとるというより、物語の中に自分がいるイメージです。使われているビジュアルは道端に立った写真ですが、雨降る公園に佇んだりもしました。そんな暗い公園での撮影は初めての経験でした。

その時に、「雨って狙っても撮れないよね」という話になって。私は雨に濡れることが結構好きなんです。『雨に唄えば』も大好き(笑)。大人になると、傘をささずに雨の中を歩くことってなかなかないでしょ?雨に濡れながら佇んでいると、自分の心と向き合える気がしました。今回。自分の心をさらけ出す作品ですから、それに合う良い写真が撮れたと思います。

ビジュアル撮影の様子はこちらです!

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文:三浦真紀 撮影:南方篤

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