FUKAIPRODUCE羽衣「春母夏母秋母冬母」稽古場日誌【2】

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2004年女優の深井順子により設立した「FUKAIPRODUCE羽衣」。妖艶かつ混沌とした詩的作品世界、韻を踏んだ歌詩と耳に残るメロディで高い評価を得るオリジナル楽曲、圧倒的熱量を持って放射される演者のパフォーマンスが特徴の、FUKAIPRODUCE羽衣の最新公演、深井順子40歳記念 第23回公演「春母夏母秋母冬母」

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作家部・平井寛人さんから届いた、本公演の稽古場レポート第2弾をお送りします。

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こんにちはこんばんは。FUKAIPRODUCE羽衣 作家部平井寛人です。普段は舞台作家として私的に活動しています。羽衣では糸井さんの楽曲のPVを作ったりしました。また今回の公演の宣伝用にと、目下新しいPVも制作中です。幼稚園に通っている頃、学友と先生と一緒に隠れんぼをしていたのになかなか見つけにこなくて、僕から探す羽目になって見つけた時には皆んな縄跳び遊びをやっていました。それを見てなんだか体が軽くなった覚えがあります。そうした、ひっそりとした働きの中で、こっそりとした視点で今作の稽古場を見ていきたく思います。羽衣をチラ見するような視点での、稽古場日誌です。

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肌も汗ばみつつ、夏目前にて。太陽が辺りのくすんだ景色を、ときには眩くイタズラに鮮やかに粟立たせる中で、一際強く日常の風景から切り出されようと『春母夏母秋母冬母』の舞台があらゆる面から築き上げられていっている。一週間ぶりに観た稽古場は、糸井さん不在の役者御両人による自主練の場だった。緊張感に歯止めを感じられない程、スリルを影にしていた。何を落として何が遅れてきても、意に介さず進み作るしかないのだという逞しさがあった。影を落として、進めてwildな作品になってきていた。それらは比喩や何でもなく、まま命を賭代にするような。観ていて実に爽快だった。季節が舞台でころころと変わった。

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色々な試みがなされている。一単語を格好良く言い表そうとするところなど、傍から見ても、ウケた。どうしても細かいところで言い間違えてしまうところへは体ごと想像の世界へ入って繰り返す中で、一度一度を大事に修正が重ねられ、ここはこう動くのだろうと、既にある情報の中で導き出される、自分達の世界を、自分達で丁重にと作られていっている。その手つきは、今回も、1つ羽衣の作品イメージ通りに、保証されてストイックな限りだった。目線は大概奥の世界にいっている。そうして季節と母が生まれつつもある。少なくともそういった事は、この現場では成り立っていた。Wildでストイックでユーモラスで羽衣で――

季節や、他人であるところの母へ、自分達の自己満足での捉え方でしか自身では話す事も出来ないのだろうけど、それらについて、まさしくプロフェッショナルな御両人からは、より人に伝えよう、普遍にしようとの研究が見えた。事実として以上の面を感じた。

舞台に立つ御両人の人柄に大きく依っているのだろうけれど、ただの風景の変化やただの他人としてそれぞれを扱わない、優しい、染み入ってくるような豊饒さも舞台に茂るように生じつつあった。色々な実りあるタイプの現場もあると思うが、元の作物が良いのか、本作の舞台はより豊作な場に僕には思えた。それは関係者のオリジナリティであると明らかに照らされていた。その日現場に入っていた木皮さんの振付はその照りをより鮮やかに浴びせる箇所へ案内しているかのようだった。ある動物の形態を模写すべく役者方と振りを共有する。役者方がそれを受けて自分の世界の中の自分の体へ落とし込む。その瞬間、魔法でも目の前にしているようでなんとも心地良い。それらが結実した舞台には、少なくともなろうとはすぐに分かった。

秋はまだまだ遠いはずだけれど、時には秋の予感さえした。それは今の観ている僕の周りへの捉え方とリンクし、本作の奇跡的な体験、完成を充分予期させた。

***

FUKAIPRODUCE羽衣 深井順子40歳記念 第23回公演 「春母夏母秋母冬母」は、5月24日~5月28日まで、吉祥寺シアターにて。チケットは現在発売中。

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