2018年2月16日アーカイブ

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2016年に続き2回目の開催となる、「観て」「踊って」「過ごして」体感する新時代の若手ダンスフェスティバル「DANCE×Scrum!!!」ダンスカンパニーBaobabが主催し、ディレクター北尾亘が務める。
第2弾のテーマは、「パフォーマンス空間、アーティスト同士の"×(クロス)"」。舞台と観客の境界線を越えて躍動する身体の熱と熱が交差するここだけのコラボレーションが見所だ。

ディレクター北尾がステージプログラムでコラボレーションするのは、ともにコンテンポラリーダンスの若手振付家として活躍する中村蓉
創り手としてだけでなくダンサーとしても活動しているほか、演劇作品への振付やワークショップ講師など活動は多岐にわたる二人。初のコラボレーション、どのような創作を行っているのか?稽古場見学とともにロングインタビューを行った。

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それぞれがオリジナルの振付を創り互いに教え合う。性別も体型も、踊りのルーツも異なる二人は、「やりづら〜い!!」「早くてついていけない〜!」などと漏らしながらも、みるみる自分の身体に振付をフィットさせていく順応性はさすが。二人で選曲した軽快な音楽に合わせ互いのカラダを共鳴させるようにその瞬間を純粋に楽しんでいる。日々ダンサーの身体に向き合っている二人だからこそ、阿吽の呼吸や間合いで絶妙な距離感と時間の流れが生み出されていく。瞬時に振付家とダンサーの役割が入れ替わり、ときにミックスされている様子は非常に興味深い。

―2016年のDANCE×Scrum!!!はどうでしたか?

中村前回のテーマだった「横で繋がる」というのがとても新鮮だったの!競うのではなく、肩を組んで一緒にやろうという感覚が発見だったし共鳴した。私だったらせっかく大きな劇場を使えるなら独り占めしたくなっちゃうかも(笑)。でも当時は作品創作がけっこう大変で、フェス全体に100%参加しきれなくてすごく後悔した。もっと盛り上げられたのにな〜、って。でも、前回の作品は自分の挑戦的な創作が観客に伝わった実感があってとても大事な作品になったから、何かあるたびに思い出すんだよね。それはスクラムが[挑戦できる場だったから]だと思う。

北尾すごい嬉しい!前回は初めてで色々手探りだったから、みんなを巻き込みきれなかった部分もあって、今回は前回以上にムーヴメントの渦を起こしたくて、"×(クロス)"をテーマにしたんだよね。

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――2011年の『ヴィラ・グランデ青山~返り討ちの日曜日~』、2015年の『ブロッケンの妖怪』に続き、3作目の竹生企画です。これまでの手応えは?
倉持 いや、よかったと思いますよ。
生瀬 まぁ「ちょっと手応えは......」とか言われてもね(笑)。
倉持 なんで3回目やるんだって話ですよね(笑)。ただ自分の中ではちょっと落ち込むところもあって......。
生瀬 そうなんですか!?どこどこ?
倉持 竹中さん、生瀬さんが強力なので、助けられ過ぎているなって実感はあります。あまり面白くないところも面白くしていただいたりして。
生瀬 謙虚ですねぇ。だって倉持さんが自分で書いて、自分で演出しているわけですから、それはおかしな話ですよ。僕らはただの素材であり、どう料理するかは倉持さん次第。だから面白いのは全部倉持さんの手柄です!
倉持 はい、ありがとうございます。

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――竹生企画に書き下ろす上での面白さとは?
倉持 まずあまり気を遣わなくていいっていう安心感はありますよね。これ出来るかな?みたいなことが、おふたりに関してはありませんから。
生瀬 倉持さんの中には竹中さんのイメージ、僕のイメージってものがあるわけですよね?
倉持 ありますね。
生瀬 それが僕は面白いんですよ。台本を読んだ時に、自分ってこんなふうに見られているんだなって。
倉持 ただ竹中さん、生瀬さん、それぞれにというよりかは、おふたりの関係にあてて書いている感じですね。生瀬さんの方が引っ張っていくタイプかな、とか。
生瀬 竹中さんはすごくシャイですけど、僕は結構破壊しちゃうタイプですからね。その点、竹中さんにとって僕は、ものすごく苦手な人間だと思う(笑)。
倉持 竹中さんは一つひとつ、きっちりとした自分の世界観を持っていますからね。そこを生瀬さんにどんどん土足で踏み込まれ、崩されてしまう(笑)。でもそういうのって、書いていてやっぱり面白いんですよ。

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――今回竹中さんと生瀬さんは、とある事故で生き残ったふたりという設定ですね。
倉持 ええ。前回、前々回が腐れ縁のふたりという設定だったので、今回は赤の他人にしようと。ただ九死に一生を得たという強烈な共通項があれば、ひとつ確かな核になると思ったんです。
生瀬 僕の中には昔からずっとあたためていたお話があって、それを倉持さんにお伝えしたんです。帰りの燃料を積まないで目的地に向かった宇宙船のお話なんですが、今回倉持さんからうかがっている内容とは全然違う。でもタイトルに"火星"が入っていたりして、僕の夢が実現しているような気がします。
倉持 実は竹中さんからもSF的なお話がありまして、それで『火星の二人』というタイトルにしました。火星って30年に2回だけ地球に大接近するらしいんですけど、なんかそれもいいなと。ふたりは他人なんだけど、15年前にも強烈な接点があった、みたいな話になると面白いと思ったんです。

――その事故をきっかけに、物語はどういった展開を見せていくのでしょうか?
倉持 竹中さんの家族のもとに、生瀬さんが居候として割り込んでくることになります。しかも竹中さんの家に入れてもらえなかったので、庭にテントを張って居候を始めるという......(笑)。
生瀬 ハハハ、テント面白いですね。で、竹中さんが"なぜ人の家にテントを張っちゃいけないのか"をキチンと説明したりして。
倉持 そうそう。それだけで面白くなると思うんですよ。テントを張るか、張らないかだけで、15分はいけると思います(笑)。

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――おふたりのやり取りがこれまで以上に楽しめる作品になりそうですね。
倉持 そうですね。これまでの中では一番ふたりのシーンが多くなると思います。3回目にして、"竹生企画"の名に偽りなしの芝居になるかなと。
生瀬 たぶん竹中さんは嫌だと思いますけどね(笑)。これまでもふたりきりは嫌だって、他の役者を呼んでいるわけですから。
倉持 上白石さんも竹中さんのご紹介ですが、いい女優さんですよね。かわいらしいし、芝居も出来るし、新しい方とご一緒できるのも楽しみですね。

「火星の二人」東京公演は、2018年4月10日(火)から25日(水)までシアタークリエで行われる。

(取材・文:野上瑠美子 撮影:源賀津己)

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mozart_04.jpg ミュージカル「モーツァルト!」製作発表 山崎育三郎

山崎育三郎、古川雄大がヴォルフガング・モーツァルトを演じるミュージカル「モーツァルト!」の製作発表が行われ、劇中の3つの楽曲がメインキャストによって歌唱披露された。

本作は「エリザベート」「レディ・ベス」などを手掛けてきたミヒャエル・クンツェ(脚本・歌詞)と、シルヴェスター・リーヴァイ(音楽・編曲)のタッグによる作品。

日本では2002年に上演されて以来、再演が繰り返されてきた大ヒット作だ。

これまで、中川晃教、井上芳雄、山崎育三郎がタイトルロールを演じてきたが、今回は新たに古川雄大が加わり、山崎育三郎と共にWキャストでヴォルフガングを演じる。

妻のコンスタンツェ役は前回に引き続き平野綾が演じ、さらに生田絵梨花 、木下晴香がトリプルキャストで演じる他、和音美桜、涼風真世、香寿たつき、山口祐一郎、市村正親らが出演する。

 
本作の製作発表が行われ、劇中曲 3曲が歌唱披露された。動画はこちらをダイジェストにしたもの。【動画2分】

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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ

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■ミュージカル「メリー・ポピンズ」特集(4)■

2018年3月、ついに日本初演を迎えるミュージカル「メリー・ポピンズ」。日本を代表するミュージカル俳優、そして演劇にとらわれない活躍をする役者・歌手のみなさんが揃う日本初演。観劇の組み合わせに迷っている方も多いのでは?

げきぴあキャストインタビュー第四弾は、Wキャストでバート役を演じる柿澤勇人さん!。自身とバートの違いや、オーディション期間中のある演出家の方からのアドバイス、そして柿澤さんの思う『メリー・ポピンズ』日本初演への意気込みをお伺いしました。

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"ミュージカル『メリー・ポピンズ』製作発表より"

子供と同じ目線でいることがバートを演じる上での第一歩に

――『メリー・ポピンズ』との出合いは?

「22歳の時、劇団四季を辞めてすぐにニューヨークへ行ったんです。で、その時最初に観たのが『メリー・ポピンズ』。向こうの友達には、『着いたその日に舞台を観ても絶対に寝ちゃうからやめた方がいいよ』とは言われていました。でもマンハッタンに降り立った以上、どうしてもミュージカルが観たくて。とりあえずよさそうだなと選んだ作品でしたが、これが本当に面白くて、もちろん最後まで寝ることもなく。時差ボケにも負けないほどの魅力が『メリー・ポピンズ』にはあると思います(笑)」

――そんな作品にご自身が出演することになるとは、不思議な縁ですね。

「はい。もちろん当時は自分がバートをやるなんて思っていませんでしたし、オーディションが始まった時も僕はバートじゃないと思っていたんです。というのも劇団四季を退団してから、闇のある人間ばかりを演じてきたので(笑)。また自分自身、そういう役を得意としてきたと思いますし。でも親しい演出家の福田雄一さんにオーディションの話をしたら、『やんちゃなところとかチャーミングなところがカッキー(=柿澤)にぴったりだと思うし、絶対にバートはやった方がいい』と言ってくださって。自分がチャーミングだとは思いませんが(笑)、この役を通して新たな自分を発見出来るかもしれないなと思ったんです」

――オーディションにはどんな思いで臨んでいたのですか?

「『ラディアント・ベイビー』(16年)という舞台でアキレス腱を切ってしまい、今回のオーディションでも踊れない時期が結構あったんです。正直これはダメだなという思いもあったんですが、逆にいいこともあって。アキレス腱切断という役者人生最大の絶望を味わったせいか、それ以降あまり緊張することがなくなったんです。ちょっとくらい失敗しても、なるようになるかって思えるようになって。今回のオーディションでもまったく緊張しませんでしたし、楽しむことすら出来た。それが結果的にいい方向に働いたと思いますし、アキレス腱のことがなかったらバート役との向き合い方も違っていたと思います」

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"ミュージカル『メリー・ポピンズ』より 柿澤バート&平原メリー"

――バートを演じる上で足がかりになりそうなこととは?

「いわゆる二枚目でもないし三枚目でもない、何とも言えない役どころですよね。でもやっぱりチャーミングなところが魅力なのかなと。こんなに闇のない役を演じるのは初めてですが(笑)、オーディションの時に感じたのは、子供たちとの交流を大事にしていきたいなということ。きっとバートが小さい時はこういう子供だっただろうし、常に子供と同じ目線でいることが、バートを演じる上での第一歩になるのではないかと思います」

――バートのシーンやナンバーで楽しみにしているのは?

「僕が一番楽しみであり、恐れてもいるのが(笑)、逆さまに吊られながら天井でタップを踏むという大ナンバー『ステップ・イン・タイム』。高いところは別に大丈夫なんですが、これまで逆さまに吊られてタップを踏むって経験がないですからね(笑)。ただバートの一番の見どころですし、ショーストップ出来るほどのナンバーでもあると思うので、ぜひ成功させたいなと思います」

――日本初演の『メリー・ポピンズ』がいかなる舞台になるのか、期待は高まります。

「歌あり、ダンスあり、芝居ありっていう、ミュージカルのすべての要素がフル稼働して成り立つ作品です。その分、ロンドンやニューヨーク公演のクオリティに達するまでには、みんなが本当に努力しないといけなくて。ただやるからには必ずその水準まで引き上げてみせますし、日本ならではの『メリー・ポピンズ』をぜひ楽しみにしていただけたらと思います!」

取材・文:野上瑠美子

撮影:イシイノブミ

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