関西発信の戯曲賞として1994年より続く「OMS戯曲賞」。第24回を迎えた今年の授賞式と公開選評会が12月19日、主催である大阪ガス本社ビルにて行われた。
今年は53作品の応募があり、8作品が最終選考にノミネート。大賞には悪い芝居・山崎彬の『メロメロたち』、佳作には立ツ鳥会議・植松厚太郎の『午前3時59分』が選ばれた。
最終選考の選考委員は、生田萬、佐藤信、鈴江俊郎、鈴木裕美、渡辺えりの5名。司会を務める小堀純が「二転、三転、四転、五転して、山崎さんが大外から逆襲という形で大賞に選ばれました。今年の第61回岸田國士戯曲賞を受賞した上田誠さんの『来てけつかるべき新世界』も評価が高かった。何人かそういった方がいる中で大賞を争って、結果的に山崎さんになりました」と、激論が交わされた様子を語り、選考委員による選評へ。生田は「主役は音楽。圧倒的な勢いのドラムソロで始まって、要所要所にたぶん劇場中を揺らすような生演奏が織り込まれながら、物語が展開していく。デッサンよりも色彩に命を託した劇。物語とか筋立てを語ることにあまり意味はない。それよりも圧倒的な色彩の氾濫におぼれるべきじゃないかと感じた」とコメント。渡辺は「私が戯曲を評価した点は、あがいているところ。全員にいい役を書きたい。登場人物全員に言葉を持たせたい。その中で、試行錯誤しながら、傷つきのたうちまわっている感じがセリフの中から伝わってきました。これからもどんどん自分の仲間のために書いていってほしい。破綻があろうと、絶望しようと書いていってほしいと強く思った。破綻していたり、未熟な部分はあるけども、役者一人ずつを愛していることが伝わりました」と評した。
山崎は12月28日(木)に開幕する怪奇幻想歌劇『笑う吸血鬼』の稽古のため、授賞式を欠席したが、げきぴあへのコメントが到着!
「最終選考にノミネートされ続けること数年、念願のOMS戯曲賞大賞をいただくことができました。
山崎が演出を務める怪奇幻想歌劇『笑う吸血鬼』は12月28日(木)~31日(日)、大阪・OBP円形ホールにて開催!こちらも要チェックです!