2017年11月 8日アーカイブ

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俳優・大倉孝二と劇作家・演出家のブルー&スカイによる演劇コンビネーション「ジョンソン&ジャクソン」。大倉の所属する劇団・ナイロン100℃の番外公演として上演された『持ち主、登場』で作・演出の共作経験を経てコンビ構想をスタートさせ、その後、2014年初回公演『窓に映るエレジー』、2016年第二回公演『夜にて』、と大倉孝二とブルー&スカイが信頼を寄せる魅力的なキャストが集い公演を行ってきた。"役にたたない演劇"と称し、ナンセンスでくだらない作風を、実力派俳優たちが、全力の悪ふざけのように、生き生きと演じる姿が、なんとも癖になる公演シリーズだ。

そのジョンソン&ジャクソンが、2018年6,7月に再び帰ってくることが発表になった。

今回はキャストに何と、いとうせいこうの参加が決定。ラッパー、MC、小説家、芸人...、様々な顔を持つが、「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」、「シティボーイズ」などのナンセンス・コメディ作品で俳優として舞台に立つ一面も持ついとうせいこうが今回、ジョンソン&ジャクソンにどんな風を吹き込むのか未知数だ。更に強力キャストに池谷のぶえ。2014年上演の『窓に映るエレジー』でも、その"剛腕ぶり"を見せた至宝のコメディエンヌの参戦となる。ナンセンス・コメディ好きにはたまらない、この4名の濃いメンバーが、どんな"未知との遭遇"をし、どんな化学反応を起こすのか、期待に胸が膨らむ。作と演出を担うジョンソン&ジャクソン・大倉孝二と、いとうせいこうからのコメントは以下の通り。

<作・演出・出演:大倉孝二(ジョンソン&ジャクソン) コメント>
前回の公演が終わって、ジョンソン&ジャクソンを今後もやっていきたいという気持ちを、ブルー&スカイと確認しました。今回は、二人で始めた原点に立ち戻り、少人数で自由にやってみましょうかということで、お声がけをしたところ、これ以上無いお二人に出演頂けることになり、悪いことばかりじゃないなと思いました。
「自分たちが何をやりたいか」とともに、今回は「お二人にどう面白がってもらうか」も大事だと思っています。どんなことを面白がるのだろう、とお二人のアイデアも頂きながら、着地点は決めきらないで、創る過程を楽しみながら、探していきたいです。
音楽的なことは今回も絡ませていきたいと思っています。演劇的なものになるかわかりませんが、"変なもの"にしたいです。
せいこうさんや、池谷さんの持っているものも借りて〝くだらなさの研究″みたいなものができたら、むしろ僕らが学べたら、と思っています。

<いとうせいこう コメント>
ジョンソン&ジャクソンに出たいとずっと願っておりましたし、たぶんメンバーの二人にも言ったと思いますが、連中は忘れているでしょう。私は舞台で笑いをやる機会を失っていたからです。今回出演がかない、なおかつ大好きなコメディエンヌ池谷のぶえさんと一緒で楽しみで仕方がありません。ただ、四人しか出ないのでセリフが多くなりそうで心配です。私の性根が芸人で役者ではないこと、ブルー&スカイが理解していてくれるのを祈るのみです。

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<公演情報>
ジョンソン&ジャクソン新作公演
『タイトル未定』

作・演出:大倉孝二 ブルー&スカイ(ジョンソン&ジャクソン)
出演:大倉孝二 いとうせいこう ブルー&スカイ 池谷のぶえ

公演日程:
【東京公演】
2018 年6、7月 CBGKシブゲキ!!
ほか公演予定

一般発売:【東京公演】2018 年4月予定

企画・製作:キューブ

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ペンギンプルペイルパイルズの主宰にして、劇団外でも数々の舞台にひっぱりだこの作・演出家、倉持裕
(近年だけでも『鎌塚氏』シリーズ、シアターコクーン『上を下へのジレッタ』、世田谷パブリックシアター『お勢登場』、ミュージカル『HEADS UP!』等々、手がけた舞台作品は本当にたくさん!)

『誰か席に着いて』 は、その倉持裕による新作オリジナルコメディ。

芸術家支援財団の、来年の助成対象者の選定に集まったふた組の夫婦。芸術の発展という崇高な目的のために集まっているはずが、実はそれぞれ自分勝手な、個人的な問題でそれどころじゃなくて......。

......つまり、「どの芸術団体にカネを出すか」を話し合うために集まった、インテリぶりたいけれど実は芸術のことをよくわかっていない人たちがああでもないこうでもないと話し合いながら、なんだか人間のどうしようもなさを露呈しつつ、ひるがえって人間の愛おしさを描き出す物語です。


キャストも、田辺誠一、木村佳乃、片桐仁、倉科カナといった豪華メンバーが揃いました!
10月末の某日、その稽古場を取材しました。dareka02_0016.JPG


稽古場にはすでに、ちゃんとしたセットが建てこまれています。
まさかの日本家屋。しかも庭。
(いえ、勝手に、会議室的なものを想像していたので...)
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ふた組の夫婦が中心の物語ですが、木村佳乃さんと倉科カナさん演じる妻ふたりが姉妹です。
そして、この姉妹の父が資産家で、もともと芸術支援団体を立ち上げた人。
父の死後も、血を引く彼女らが、どの団体に助成金を出すかという選定に関っているのです。dareka11_0104.JPG

姉夫妻の夫が、田辺誠一さん扮する哲朗。映画プロデューサー。
少し、うだつの上がらない感じでしょうか?
自分(つまり身内の作品)も助成金の応募をして良いかどうか、という話題でプチ議論に。
ほかにも「自分たちの仕事は、"ああそうですか"とうなずくだけ(=承認するだけ)」という、それを言っちゃあ...な発言をしてしまったり、ちょっとこの仕事を舐めてる?的なところも。
あと、どうやら潔癖症な模様...!?

田辺さんの、どこか掴めない独特のたたずまいが、あいまいな空気を醸しだす哲朗に似合っています。

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その妻・木村佳乃さん演じる織江は、スランプ中の売れっ子脚本家とのことですが、取材に伺ったシーンあたりではその脚本家の顔はまだ出てきておらず、"しっかり者の長女" という感じ。dareka12_0199.JPGあまり本腰を入れていなさそうな、言ってしまえば"しかたなくこの場に参加しています" 風な男性陣の尻を叩き、チャキチャキと会議の舵を取っている...風。



一方で、妹夫婦はこちらのおふたりが演じます。
片桐仁さんは夫・泰平役。
「いやぁ、難しいなあ」「大変だなぁ」と他人事めいた発言が多く、ちょっと"お客さん" 感があります。
実際、妹夫婦は、この選定に加わるのは初の様子。dareka42_0028.JPG



倉科カナ
さん扮する妻の珠子は、いかにも何かワケあり風。

しかもちょっと、空気がトゲっとしています
姉妹も仲が良いのか、悪いのか。
姉の発言の言葉尻を捉えて突っ掛かったと思ったら、次の瞬間には姉妹がタッグを組んで別の人を攻撃してたり。
一筋縄ではいかない感じが、面白い!dareka13_0026.JPG

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年末恒例となった立川談春のフェスティバルホール公演まで2ヶ月を切った。今年の演目は、初めて落語を聴く人や、初めて立川談春の落語に触れる人にこそお勧めできる『芝浜(しばはま)』と『文七元結(ぶんしちもっとい)』の二席。ともすれば、この演目は「古臭い、難しい、退屈」など、落語に対するネガティブな印象を持たれかねない人情話。ところが、談春の手にかかれば、浜辺の朝焼けの風景が見えたり、橋から身を投げようとする男と止めようとする男の魂のやり取りをストレートに感じられ、二本のドラマティックな中編ムービーを鑑賞した気分を味わえるのだ。

この二席を一度に堪能できるという本公演は談春ファンにとってはまさに垂涎モノ。なのだが、この二席を、一席だけを演じる時と同様のクオリティを保ち、さらに3階席まである大ホールの観客全員に届けるには、想像を絶する体力、驚嘆に値する集中力が求められるはず。普通では絶対に考えられない構成は、まさに空前絶後の大勝負。いやがうえにも、特別な意味合いを持つことを感じてしまう。そう、この冬は師匠・談志の七回忌を迎えるのだから...。

会場の大阪フェスティバルホールは、収容人数2700席。国内はおろか世界各国の超一流演者の演奏が披露されるここは、その建築構造からなる音の響きや荘厳な雰囲気から、多くの音楽家たちが「ステージ上では天から音が降ってくると感じる」と語り、「神が宿るホール」とも称される特別な場所。ここで、名作『芝浜』と、数ある人情話の中にあって、江戸っ子の本質を描ききるのが最も難しいとされる大作『文七元結』に挑む談春。どちらも師匠の十八番であった大根多である。落語ファンなら、談春が天に向かって噺す覚悟も持って年末の高座に上がるだろうことを想い、今から身震いするのでは。

見届けるべきである。落語ファンのみならず、ライブエンタテインメントファンは、見届けるべきである。そして見届けたあと、衝撃に少しの間席から立てない状態になるかもしれない。しかしその衝撃は、フェスティバルホールのシートの座り心地の良さが、きっと和らげてくれるはずである。

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