たった約10ヶ月の活動期間の間に、140点以上の作品を残し忽然と消えた浮世絵師・東洲斎写楽。2010年「写楽は女だった...?!」という大胆な着想で、写楽の謎に迫りながら、喜多川歌麿、葛飾北斎、十返舎一九、太田南畝(別号・蜀山人)など、寛政の時代に、熱く自由に生きる芸術家たちの姿を、等身大の人間として描き好評を得たミュージカル『戯伝写楽』。8年の時を越え、2018年新春、装いも新たに上演されることが決定した。2018年版は、演出を河原雅彦、作詞を森雪之丞が担当し、まったく新たな"日本産ミュージカル"『戯伝写楽 2018』が誕生する。
キャストは、主役の斎藤十郎兵衛に橋本さとし。情感豊かでパワフルな歌声と、スケールの大きな存在感で、ストレートプレイからミュージカルまで数々の舞台、映像で活躍する橋本が、再び斎藤十郎兵衛を演ずる。ヒロイン・おせいには、歌手、女優として活躍し、近年はミュージカル『ブラック メリーポピンズ』、『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』、妄想歌謡劇『上を下へのジレッタ』など、話題の舞台に続々と出演し、舞台でも実力を発揮している中川翔子。その他、小西遼生、壮一帆、東山義久(Wキャスト)、栗山航(Wキャスト)、山崎樹範、吉野圭吾、村井國夫など、演劇界の実力キャストが、粋で華やかな大江戸絵巻を演じ、歌い、踊る。
脚本は、「劇団☆新感線」座付き作家でもある中島かずき。数々のエンターテインメントな創作時代劇を生み出してきた中島の、武器をふんだんに生かした今作。演出は河原雅彦。『八犬伝』、残酷歌劇『ライチ☆光クラブ』、音楽劇『魔都夜曲』など、ジャンルや規模を縦横無尽に行き来し、緻密で美学に貫かれた作風で、今最も注目される演出家の一人である。加えて、作詞に森雪之丞、音楽に立川智也と力強いクリエイターが集い、新版『戯伝写楽 2018』を産み出す。絵師たちの夢、版元達の野望、花魁の恋、そして稀代の天才"写楽"の謎に迫る、新春にふさわしい、華やかなエンターテインメント作品に期待が募る。公演に先駆け、脚本の中島かずき、演出の河原雅彦、主演の橋本さとし、ヒロインの中川翔子から以下の様にコメントが届いた。
<脚本:中島かずきコメント>
『戯伝写楽』は、初演時のプロデューサーに「写楽が女だった」という芝居を書いてくれという依頼で始まった企画です。取り組んでみると、想像以上にキャラクターが際立ち、自分自身思い入れのある作品になりました。「劇団☆新感線」出身の橋本さとし君とも本当に久しぶりに一緒に仕事が出来たし。今回、改めてさとし君の十郎兵衛と出会えるのはもちろん、演出の河原君始め、キャストスタッフ、継投の方初めましての方含めて刺激的で、どんな形になるのか実に楽しみです。
<演出:河原雅彦コメント>
物語の着想自体が素晴らしい上に、各キャラクターが生き生きと描かれているので、これに音楽という要素が上積みされればずいぶん魅力的なエンタメになることは間違いないな、と。いわゆるオーソドックスなミュージカル俳優とは一線を画した歌自慢の役者たちが大勢集まっているので、大変僕好みであります。しょこたんとは初めてお仕事させてもらうので、それも楽しみ。いつも通り僕が面白いと思うものを作ります。お口に合えば幸いですが、これだけのキャストスタッフが集まりましたから。いやがおうにもお口に合うことでしょう。ま、頑張ります。
<斎藤十郎兵衛役・橋本さとし コメント>
初演は2000年? 今何年でしたっけ? ずいぶん時間が経ってしまいましたが、再演というより新しい作品に取り組む初演という意識で参加したいと思います。人情より野心や自分の夢を叶えるため狡猾に江戸を生きる男が人間的な感情に目覚めていく。欠落した男がもがきながら成長していく過程を演じる事が出来れば、と思います。カンパニーの空気がお客様に伝わり作品が育っていくと思うので。このキャストスタッフだとそこは間違いないと思います。今から楽しみです。
<おせい役・中川翔子 コメント>
作品を見て最初に思ったのは、「私で大丈夫かな...」という不安でした。他のお仕事に比べてミュージカル自体がまだ不慣れということもあるのですが。言葉使いや動きなど、普段とは違うことばかりですので、精一杯頑張ります。音楽については、想像していたより今風なPOPS寄りで、メロディーなども体に馴染みやすい曲調でした。今から歌えるのが楽しみです。前回公演の映像を拝見し、「おせい」が取りつかれたように絵を描いているシーンが印象的でした。絵さえ描ければそれでいいと言わんばかりの強烈な演技に圧倒されました。「おせい」は絵師ということで、私自身絵を描くことが大好きなので、共通する部分があるなと感じました。また、「おせい」については謎めいた感じが魅力でもありつつ、内に秘めてる何か強い物を感じますし、それをどう演じるかというのが大事だと思いました。今回は再演ということで、中川翔子だからこその「おせい」を演じたいと思います。
中島かずきさんは、私がオープニング曲を担当させて頂いた、アニメ『天元突破グレンラガン』のシリーズ構成を担当していらっしゃいました。この『天元突破グレンラガン』との出会いが私の運命を大きく変えたと言っても過言ではないので、今回ミュージカルという、違った形でご一緒出来ることをとても光栄に思っております。
河原雅彦さんは、この間公演していた音楽劇『魔都夜曲』を観させて頂いて、難しい世界観や複雑な人間関係を、謎を残しつつ分かり易く演出していて、とても繊細なイメージがあります。今回の戯伝写楽ではどの様な演出をされるのか楽しみです。 和装でのミュージカルという、すべてが未知の世界で、演じる私自身、どんな作品ができあがるのかとても楽しみです。「おせい」を通じて、中川翔子のまた新たな一面をお見せできるのではないかと思いますので、是非会場で、戯伝写楽の世界観を堪能して頂きたいです。
<ストーリー>
江戸、阿波国蜂須賀家お抱えの能役者・斎藤十郎兵衛は、ある日、町中の喧嘩の最中、その様子を夢中に絵に書き留める女・おせいと出会う。おせいの絵は、普通の美人画や大首絵とは異なり、人物の内面までをえぐり出し、時に醜さまで浮き彫りにしてしまうような、非凡なる筆力を持っていた。時は、喜多川歌麿、葛飾北斎、十返舎一九、太田南畝など、才能豊かな絵師、文人が江戸の町で、競い合うように描き夢を追い、蔦屋重三郎を始めとする版元達は、大衆が求める作品を自分の版元で売り出そうと、様々な策を巡らせていた頃。能役者が本業の十郎兵衛は絵を書きながらも芽は出ず、非凡なる才を持つおせいと偶然に出会い、ある大儲けの策を思いつく。絵を描くことさえ出来ればそれでいいおせいは、その提案を快諾する。様々な人々が生き生きと才能と野心と恋の花を咲かせ、その只中、彗星のごとく登場し駆け抜けていった"東洲斎写楽"とは、一体誰だったのか、独創的な着想で展開してゆく、大江戸ジャパニーズミュージカル。
<公演情報>
cube 20th Presents
Japanese Musical『戯伝写楽 2018』
作:中島かずき 作詞:森雪之丞 音楽:立川智也
演出:河原雅彦
出演:
橋本さとし、中川翔子、小西遼生、
壮一帆、東山義久(Wキャスト)、栗山航(Wキャスト)、
山崎樹範、吉野圭吾、村井國夫 他
公演日程・劇場:
[東京公演]
2018年1月12日(金)~28日(日)東京芸術劇場 プレイハウス
東京公演一般前売り開始 2017年11月18日(土)
久留米・名古屋・兵庫にて上演予定
企画・製作:キューブ
お問い合わせ:キューブ 03-5485-2252(平日12時~18時)