平野良さん&滝川英治さん ミュージカル「しゃばけ」弐 ~空のビードロ・畳紙~ インタビュー

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2017年1月に上演されたミュージカル「しゃばけ」。大人気のファンタジー時代小説をミュージカルにした同作は、この9月に新作公演が決定! げきぴあではミュージカル「しゃばけ」弐 ~空のビードロ・畳紙~の主人公・松之助役を演じる平野 良さん、また初演に引き続き佐助役を演じる滝川英治さんに話を聞きました。

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『感情が揺れ動く部分と心が浮き立つような楽しさ、その両方を伝えたい』

――1月に上演されたミュージカル「しゃばけ」の第2弾が早くも上演決定ということで、今のお気持ちは?

平野:僕は今回初めて参加するんですが、昨年の制作発表の時からずっと気になっていた作品なので、すごく嬉しいです。英治さん(滝川)は前作も出ていたんですよね。
滝川:引き続き、佐助役で出させていただきます。平野さんは今回、主人公の松之助役で、さらに座長さんですからね。
平野前回好評だった作品に座長として参加するというのは、ちょっと不安で......。
滝川:なんでよ。大丈夫だって!

――ちなみに追加公演も決定しているそうですよ。

滝川:ほら、"平野 良効果"じゃないですか。
平野それを聞いてホッとしました(笑)。

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――もちろん第1弾が好評で、今回の第2弾につながったこともあるわけですが、滝川さんは振り返っていかがですか?

滝川前作は、佐助と仁吉(実は犬神と白沢という"妖(あやかし)")の2人が、長崎屋の若だんな・一太郎を守るために奮闘する物語だったんですよね。仁吉役の(中村)誠治郎くんとは、コンビで自由にアドリブをするシーンもあったりして、楽しかったですね。"今日はやらかしたな"と反省する日も多かったけど......。
平野(笑)。
滝川ただ今回は、松之助が働いている東屋の物語がメインなので、長崎屋からは僕だけ(若だんな役の植田圭輔は声のみの出演)なんですよ。どの程度東屋に絡むのかは分からないけれど、また雰囲気もガラリと変わって、新しい『しゃばけ』の世界が楽しめるんじゃないかな。
平野僕は"時代劇でミュージカル"ってどうなるのかなと思っていたけれど、前回の舞台を観たら、ロックとか色んな曲調の音楽で彩られているのが新鮮だった。英治さんたちの"妖"もカッコよくて。
滝川:時代劇だからといって、難しくはないよね。親しみがもてる世界というか。

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――今回平野さんが演じる松之助は、東屋の奉公人。佐助が守っている長崎屋の若だんな・一太郎の、実は腹違いの兄でもあります。

平野:とにかく辛抱役で、前半に堪え忍んだ想いが最後にあふれてしまうような役なんです。役づくりはこれからですけど、稽古場でもしんどそうだなと。
滝川:良(平野)の実力なら、いつもの3%ぐらいの力で出来るでしょう!
平野いやいや! 稽古場では、英治さんと、石井(智也/東屋の跡取り・与吉役)ちゃんのポップさに助けてもらおうと思ってます。

――「堪え忍ぶ役は稽古場でもしんどくなる」というと、平野さんは役に没頭してしまうタイプ?

平野そう言っておいたらカッコいいかなと......(笑)。
滝川いや、ホントに良ってそういうところ、あるよ。
平野そうなのかなぁ。自分では分からないんだけど。本番を観に来てくれた友人たちと終演後に食事に行くと、「公演ごとに雰囲気が違うよね」とは言われる。
滝川まさにカメレオン俳優!
平野そう言われると、それはそれで違うような......。

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――では平野さんから見て、滝川さんはどんな人ですか?

平野よく神社とかを、エネルギーをもらえる"パワースポット"って言いますけど、僕にとって英治さんは"パワースポット"ですね。そばにいるだけで元気をもらえるというか。
滝川その割には打ち上げとかで飲んでると、俺の周りに誰もいなくなるんだけど......。
平野確かに、浴び続けているとヤケドするというのはある(笑)。
滝川圭ちゃん(植田)とか、「滝川さんは先輩だけど、得るものは何もない!」って言うんだよ。ヒドくない!?
平野あはは(笑)。
滝川そうだけどね! って思って。
平野それだけなんでも言える先輩ってことで(笑)。

――(笑)。それでは、お互いに役者としての印象はいかがでしょう?

滝川良が主演の舞台で共演することが多いんだけど、すごく周りを見て、考えている役者さんだなと。
平野つい、考えすぎちゃうんだよね。
滝川いや、だからこそ座組がまとまっていくんだなと感じるよ。
平野でもね、僕が"ちまちまと田植えをしてきた"ところを、英治さんという風神の一振りで"一気に田んぼが緑になる"ことも多々あって。
滝川どういうこと?
平野観客を舞台に引きつけるパワーというか、英治さんが出てきただけでブワーッと色が変わることがあるじゃない? 僕が舞台の序盤からちょこちょこと積み上げてきたものなんて、その色の前ではかなわないなって思うことがあるよ。
滝川変えすぎて、たまにお客さんが引くこともあるけどね。
平野それだって予定調和じゃない、舞台っていうライブならではの空気を作ってるってことでしょう。それって観る側からすると、すごく楽しいよ。

――ところで原作の『しゃばけ』は累計772万部超えの大人気シリーズ。改めてその魅力をどう感じていますか?

滝川僕が演じていて思ったのは、病弱な一太郎と、彼を見守る佐吉と仁吉っていうのがいつも真ん中にあって、その周りをさまざまな物語が展開していく。切なかったり悲しかったりすることもあるけれど、最後は心がほっこりして終わる、そんな温かさが『しゃばけ』にはあると思うんですよね。
平野時代劇って、最新の技術を使ったりする現代の映画とは真逆の、"何も手を加えてない"良さがあるよね。心と心のやりとりが、そのまんま表れるというか。『しゃばけ』にはそういった日常に加えて、非日常である"妖"がフッと入ってくるポップさもあって、そのバランスが面白い。僕も、登場人物の感情が揺れ動く部分と、見ていて心が浮き立つような楽しさ、その両方をきっちりお伝えできればいいなと思っています。

――本当に、時代劇を観ていると、現代の人間関係と変わらないと感じることもしばしばですよね。

平野この舞台を観たら、きっと共感してスッキリしてもらえると思うので、お仕事を頑張っているOLさんやサラリーマンの方にもぜひ観に来ていただきたいです!
滝川僕達の姿を観に、ぜひ劇場にいらしてください!

(取材・文 佐藤さくら/撮影 イシイノブミ)

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