松也、巳之助、壱太郎、隼人が意気込みを語る「新春浅草歌舞伎」

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次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が、古典や舞踊の大役に挑戦する「新春浅草歌舞伎」

戦後、しばらく途絶えていた浅草での歌舞伎興行を、若い俳優を中心に歌舞伎をやろうと、地元の熱い要望に応える形で1980年に復活。その後お正月の名物公演として37年続いてきました。

2015年からは尾上松也を最年長とし、主要メンバーを一新。20代の花形俳優が中心となり、フレッシュな顔ぶれで贈る「新春浅草歌舞伎」は2017年で3年目を迎えます。

来年の公演に出演する尾上松也、坂東巳之助、中村壱太郎、中村隼人、そして中村錦之助が都内で会見を開き、意気込みを語りました。

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松也
「初めて出させていただいたのがついこの間のことのようです。来年で3年目ですがメンバーも少し変わりますし、私自身も初役の大役を勤めさせていただきますので、もう一つステップアップをした私たちをご覧いただけるように、これから準備を進めていきたいと思っています」

巳之助
「初めて浅草歌舞伎に出演した時の演目が『傾城反魂香』で、その時は修理之助の役で出させていただきました。それが(自分にとって)浅草歌舞伎の原点でしたし、大きなお役をさせていただく経験も乏しかった中、役者としても原点となった演目を浅草歌舞伎の3年目にさせていただけるということで気持ちも新たに勤めたいと思います。またその時に、先輩方に教えていただいたように、今回は修理之助を梅丸くんが演じますので、私もまだ若手ではありますが先輩と後輩という関係も意識しつつ、成長していきたいです」

壱太郎
「3年ぶりの出演です。学生の頃から先輩方の舞台を見ていて浅草歌舞伎は憧れの公演でしたので、最初に出させていただいた時は大変嬉しかったです。また浅草歌舞伎では大きな役もたくさん経験させていただきました。『傾城反魂香』のおとく、『吉野山』の静御前をどちらも初役で勤めます。『吉野山』を清元でさせていただくのは初めてです。初役の勉強をするのはもちろんですが、それがしっかりと力となってお客様に伝わるドラマとなるように頑張っていきたいです」

隼人
「高校二年生で出させていただいてから毎年毎年大きなお役を勤めさせていただいています。今回は4役やらせていただきますが、その中でも『御存鈴ヶ森』の権八は私が今まで演じてきた中で一番大きなお役です。この演目は新橋演舞場で(十八世)勘三郎のおじさまと吉右衛門のおじさまがなさったのを見て憧れた演目でした。その演目ができるという事と、リニューアルしてから3年目の浅草歌舞伎に自分の名前が連ねられる事は本当にありがたいです。勉強会ではないので、しっかりと先輩方に教えていただき、自分の中に吸収して皆様にお見せできればと思っています」

錦之助
「今年に引き続き、2年連続で出演させていただきます。上置きという立場ですけれども、気持ちとしては若い人たちと一緒になって皆様に楽しんでいただける芝居を創っていきたいと思っております。歳は上ですが気持ちはまだ20代のつもりでおりますので、皆様よろしくお願いいたします」

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――初役が多いですが、役への思いと意気込みをお聞かせください。

松也
「初役は『吉野山』の佐藤忠信だけです。『角力場』はこんぴら歌舞伎で初めて芯を勤めさせていただきました。その時は与五郎と長吉の二役をさせていただきまして、私にとってはとても思い出深い作品です。
『棒しばり』は自主公演で勉強させていただいたことがあります。その時は1日だけの公演でしたから本当にあっという間に過ぎてしまった感じでしたが、今回は一か月勤めさせていただけるということで、しっかりと踊り込んでお客様に楽しんでいただけるようにしたいです。
『吉野山』は浅草歌舞伎でも何度も上演されてますし、『義経千本桜』という狂言自体が非常に大切にされていますので、とても光栄でやりがいを感じています。壱太郎くんと踊りを一緒にやるのは初めてですね。場の雰囲気を賑やかにしてくれる早見藤太の巳之助くんとの絡みも非常に楽しみです」

巳之助
「『傾城反魂香』の又平が初役になります。誠心誠意勤めさせていただきたいと思っております。物語は夫婦の愛、いつの時代も変わりない普遍的なテーマでありながらも古風な作品ですので、非常に歌舞伎らしい演出がたくさんあります。浅草歌舞伎には若いお客様がたくさん来てくださるので、今の時代にも通じるテーマと歌舞伎らしい雰囲気を受け取っていただければと思います。
『吉野山』の藤太も初役です。先ほど松也のお兄さんがおっしゃった通り、明るく出てきて賑やかに場を盛り上げる三枚目の道化の役です。ハッピーエンドとは言え『傾城反魂香』は重たいお芝居ですので、自分でばらまいた重たい空気を自分で振り払いに出てくるということになるんじゃないかなと思います(笑)。
『棒しばり』は二人で創っていくものですから、お相手が松也の兄さんになり、また違ったものになると思って楽しみにしています」

壱太郎
「おとくはずっと憧れていた役の一つでもあります。去年、父の鴈治郎襲名狂言でやった『傾城反魂香』の時に、おとく勤めた猿之助さんに教えていただこうと思っています。おとくはうまくしゃべることができない夫を支える女房ですので、セリフが大きな眼目になってくると思います。古典歌舞伎の時代的なところもあり、その中でどうやって"世話"としてみせるか、セリフの駆け引きがとても重要であり難しいところでもあります。そのあたりをしっかりと学び、心情を乗せてお客様に伝えていきたいです。
巳之助さんと一緒に夫婦のお役をさせていただくのも初めてですし、松也さんと踊らせていただくのも初めてで、女方としても楽しみです。
静御前は、やはり女武者の強さとお姫様のたおやかさ、しとやかさの出し引きと踊り分けがとても重要になってくると思います。また今回清元ですので、その雰囲気をしっかり掴んで表現できたらなと思っています」

隼人
「昼の部は『傾城反魂香』の雅楽之助を初役で勤めさせていただきます。この役は"ご注進"といって歌舞伎ではしっかり型のある役なので、重たいお芝居の中に少しでも場の空気を変えることができればと思っています。
夜の部『角力場』では与五郎という二枚目のつっころばしの役を勤めさせていただきます。私は体が大きいので体の殺し方、使い方を勉強して、濡髪(長五郎)との対比が出るようにしたいと思っています。
『鈴ヶ森』の権八は梅玉のおじさまに教わります。名だたる名優の方がたくさんやっている演目ですし、私自身だんまりの中での立ち回りは経験がないのでしっかり勤めたいと思います。(設定が)暗がりで砂浜ということで、舞台上は普通ですけれど、お客様にはその風景が伝わるように見せていきたいと思っています。そのあたりも注目してください。
『棒しばり』の松兵衛も初役です。松也の兄さんと巳之助の兄さんの中に飛び込んでやらせていただくので、お二人に負けないような雰囲気を出していければと思っています」

錦之助
「去年、大阪松竹座で初めて幡随院長兵衛をやらせていただきましたが、その時も"なんで私が長兵衛なの?"と思ったぐらいびっくりしました。普段ですと私は権八の方が得意とする役柄ですので、これっきり来ないだろうなと思っていたら次は息子とやることになりまして。息子と一緒にそれぞれの権八と長兵衛を創っていきたいと思っています。舞台上では少しでも大きな、江戸っ子らしい長兵衛になるように勤めたいです」


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◆公演情報
2017/1/2(月・祝) ~ 1/26(木)
浅草公会堂 (東京都)
第1部
お年玉〈年始ご挨拶〉/「傾城反魂香」/義経千本桜「吉野山」
第2部
お年玉〈年始ご挨拶〉/双蝶々曲輪日記「角力場」/御存「鈴ヶ森」/「棒しばり」

★ピックアップニュース
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対象日:1/15(日)15:00 開演 ( 14:30 開場 )


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