「僕の"うきは"を通して観たとき、あずみが世界で一番美しく見えるように」――鈴木拡樹インタビュー

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昨年9月に上演され、元AKB48・川栄李奈が"女優"としての本格的スタートを見事に飾った舞台としても話題となった「AZUMI~幕末編」。

そして早くも上演される"川栄あずみ"の第2弾、

「AZUMI~戦国編」では、

あずみの相手役、忍びのうきは役を鈴木拡樹が演じることが発表され、大きな話題を集めている。

舞台を中心に活躍する若手男優の中で、いま絶大な人気を誇る彼を直撃!


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――本作を演出する岡村俊一さんの作品には、これまでも若手の男優たちがたくさん起用されてきましたが、鈴木さんは岡村さんの演出作には初登場ですね。

「周りには岡村さんと一緒に作品を作っている役者もいて、少し話を聞いたりもしていたので、刺激的な現場なんだろうなあと、決まってからずっと楽しみにしていました。

例えば、宮崎秋人くん(Dステ『夕陽伝』出演)とか、前作(『AZUM~幕末編』)に出演していた細貝圭くんから、『すごいよ』っていうような話は聞いていましたね」


――その「すごい」というのはエネルギーであるとか?

「そのことだったんでしょうね。1公演1公演がハードというか、もちろん殺陣も多いでしょうけど、感情的な部分でのハードさがあるというような。エネルギーのある舞台って観る方としても、観ている間はすごく楽しいけど、観終わった後にはいろんな心地いい疲れがありますもんね? そういう演出、作品だったんじゃないかなっていう」

――女刺客であるヒロイン・あずみ役の川栄さんにはつい先ほど初めてお会いになったそうですが(取材時)、印象は?

「人見知りらしいんですけど全くしゃべってくれないってことはなく(笑)、初対面で多少は砕けられたのでうれしかったんですけど。

グループの中でチーム力を培いつつ、自分がどう輝くかということも考えてきただろうから、きっと賢い方なんだろうなって感じたし、そういう魅力は舞台で相当光るだろうなと思いました」


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―― 一見、儚げな少女のようなんですが、舞台上では非常に化ける方で。

「豹変すると! 面白そうですね」

――そういう意味では鈴木さんも、今お話している姿と舞台上ではガラッと変わる"豹変"タイプですよね?

「うーん......自己評価するのは、なんか恥ずかしいです(笑)」


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――原作の漫画にはもう触れていますか?

​「抜粋した形でいただいて全体のあらすじはわかっているんですけど、コミックスをまだちゃんとは読めていなくて。
お話をいただいたとき、『『あずみ』ってすごい名作で、だいぶ長く連載しているよな?』というのが最初に頭をよぎって。なのでマネージャーにまず『何巻まで出てます?』と聞いたら(笑)、48巻だそうです! 絶対ちゃんと読みます」​


――"2.5次元舞台に数多く出演されている鈴木さんですが、漫画の読み方に何か特徴はありますか?

原作として読む場合、読み方はこだわっています。作者が伝えたかった意図はもう作画やコマ割で描かれているので、そこはちゃんと作品愛として、舞台にも乗せたいんですよ。
例えば、テンポよくページをめくらせたいときのキャラクターの目線誘導とか、『ここはツラツラといって、数ページしてからキメのドン!が欲しいんだな』とか、そういうスキルはわかってきたので。
演じ手側が多少なりとも知っていれば、そういう原作の意図は汲めるんじゃないかなと思うんです。
もちろん現場では演出家が一番作品を(客観的に)観ることができている人なので、演出家さんのビジョンをしっかりと考えるようにしていますが、そのビジョンを崩さないよう、作者の方の意図も取り入れられるんだったら、僕は頑張ってはみます」


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――演じるのは、あずみと幼なじみの忍び"うきは"です。
「忍びの仲間たちの中ではしっかり者。みんながどんぐりの背比べ的に"子供"な中で、冷静で大人な感覚を持っているっていうのは難しいですけど......」

――あずみやうきは はあまりに過酷な運命を背負っていますけど、まだ子供なんですよね。
「でも、無理やり子供っぽさを感じさせなくていいと思うんです。時代背景が違うし、彼らは"信念"で生きているから、今の感覚からすれば圧倒的に大人っぽく見えるはず。ただ、みんなとじゃれているときとか、ふとした瞬間に子供っぽさは出るんだろうなと。
そこでお客さんが『あ、そうだよね。子供だったよね』と思い返してもらえるくらいがいいかなと思っていて。
そんな子供たちが、愛する人や友達を自分の手で殺さなくてはならなかったりする。
『これって正しいんだろうか』と悩むこと自体が恥ずかしいことだという教育をされたんだと思うんですよ。
それぐらい、"信念"が強い。だから今僕が想像しているよりもっとすごい辛さ、深みがきっとある作品で、そこも届くといいなと思います」


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――そんな状況下で、あずみと うきはの淡い恋も描かれていきます。
「思春期のそういう部分を描ける楽しさを感じるし、お客さんにもぜひ感じ取ってほしい、見どころのひとつにしたいと思います」


――男優との共演が多いので、鈴木さんの恋愛っぽい場面自体、わりと珍しいのでは?
「初めてってことはないんですけど、既に夫婦になってたって設定だったり(笑)。だから"愛"はあっても"恋"を描いた作品がわりと僕、少ないと思うんです。
中でも、今回はすごくピュアな感じの恋ですよね。
うきはという人間が真剣に愛した女性であるので、僕演じるうきはに感情移入してくれたりすることで、あずみの見え方も変わると思う。そのためにも大事に作っていきたいですね。
"あずみが世界で一番美しく見えるように"っていうのが、テーマのひとつです」

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取材・文/武田吏都

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【公演情報】

「あずみ~戦国編」

公演日程:2016年11月11日 (金) ~2016年11月27日 (日) 

会場:Zeppブルーシアター六本木

原作:小山ゆう(「あずみ」小学館刊)

構成・演出:岡村俊一


出演:川栄李奈 鈴木拡樹/

早乙女友貴 小園凌央 斉藤秀翼 三村和敬/

山本 亨/

吉田智則 久保田創/

有森也実

星田英利 他



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