
王政に対する不満を民衆が爆発させ、その怒りを動力に革命を成功させた「フランス革命」。
その革命期のフランスをテーマにしたミュージカルは『レ・ミゼラブル』『ベルサイユのばら』、そして今春上演されたばかりの『1789-バスティーユの恋人たち-』と、日本でも数々愛されていますが、その中でも異色の作品が『スカーレット・ピンパーネル』です。
この作品は、権力を得た民衆側が暴走し、元貴族らを次々と処刑していく中、無実の彼らを救おうと立ち上がったイギリス貴族側の視点で描かれた、いわば"裏から見たフランス革命"の物語。
といっても重いテーマを扱った作品というより、身分を隠し人助けをする正義のヒーローの冒険活劇、といった華やかさと爽快さのあるミュージカルで、日本では2008年に宝塚歌劇団星組が初演、好評を得て2010年には月組が再演、さらに2017年にも星組で上演が決定している人気作です。
その作品が、日本では宝塚歌劇団外で初めて上演されます。
時はフランス革命の最中、無実のフランス貴族たちが次々と革命政府により断頭台へ送られていく。
そんな混乱のパリでは、彼らを救い出す謎の集団"スカーレット・ピンパーネル"の存在が話題になっていた。
"スカーレット・ピンパーネル"のリーダーは、実はイギリス貴族のパーシー・ブレークニー。
その正体は誰にも明かさず、そのことから妻マルグリットとの間にも大きな溝ができていた。
一方でマルグリットの元恋人であり、フランス政府特命全権大使のショーヴランはマルグリットに近づき、ピンパーネル団の素性を暴こうと執念を燃やし...。
"スカーレット・ピンパーネル"のリーダーであるイギリス貴族、パーシー・ブレークニーを演じるのは、石丸幹二。
その妻マルグリットは、日本初演となった2008年宝塚歌劇星組公演でパーシーを演じた安蘭けい。
これ以上にない豪華キャストが、ブロードウェイをはじめ各国で活躍しているガブリエル・バリーの演出のもと、待望の男女混合ミュージカルとしての『スカーレット・ピンパーネル』を上演します!
パーシーを演じる石丸幹二さんに、お話を伺ってきました。
●今回は"大人で魅せる『スカーレット・ピンパーネル』"。行き着くテーマは"勇気"です
――石丸さんが「ひとかけらの勇気」(2008年宝塚歌劇星組公演時に書き下ろされた、劇中を代表するナンバー)を色々なところで歌っていらっしゃるのを聴いていましたので、ついに来たか!と思いました。
「『スカーレット・ピンパーネル』はいつか演じてみたいと熱望していました。ブロードウェイ・ミュージカルの翻訳上演として、宝塚歌劇で上演を繰り返していますが、これまで日本では男性が演じたことがなかったので、その"最初に関われる男"になれることが嬉しいです(笑)」
――石丸さんはこの作品、ご覧になっていらっしゃいましたか?
「宝塚星組版を観ました。そのあとブロードウェイ版を映像で観て、さらにヨーロッパではいくつかドラマにもなっているので、DVDを色々と観ました。ヨーロッパでは非常に人気のある物語。やはり身近な歴史だし、何よりテーマが人を惹き付けるのだなと思っています」