『ドリアン・グレイの肖像』製作発表レポート

チケット情報はこちら

肖像画に描かれた若く美しい自分に嫉妬した美貌の青年、ドリアン・グレイのたどる数奇な運命......。
世紀末文学の傑作と呼ばれる、オスカー・ワイルドによる怪奇幻想物語『ドリアン・グレイの肖像』が、中山優馬の主演で上演されます。
演出を手がけるのは、『グランドホテル』『タイタニック』などを手がけた、イギリス演劇界の名匠、グレン・ウォルフォード
共演には徳山秀典舞羽美海仲田拡輝(ジャニーズJr.)、金すんら といった華やかな顔ぶれが揃います。

7月13日、その製作発表が都内にて行われました。
dorian_01_0142.JPG

"圧倒的な美青年"であり、"輝ける青春"とあだ名されるドリアン・グレイには、今回初ストレートプレイ出演にして、初主演となる中山優馬
「本当に素晴らしい作品に出させていただきますので、一生懸命、自分の持っている力を出し切って頑張りたい」と挨拶を。

「緊張やプレッシャーもあったのですが、グレンさんに最初にお会いした時、「私のことを信じてくれれば大丈夫」と仰ってくださった。それに、キャストの皆さんが本当に優しい方たちで、稽古場に行くのが楽しみになっている。皆さんに助けてもらいながら、自分なりに精一杯いいものを作りたい」と意気込みを語ります。

そしてドリアンと自分、似ているところは...という質問には、
「ドリアン・グレイという人は、すごく純粋な人だと思います。自分の生きたいように生きている人で、肖像画が歪んできたりというようなリアルではない物語が、自分の中ではリアルに感じる。でもなかなか自分と似ているところを探すほうが難しいのですが...あえてこういう答えをしたいと思います。美少年であるというところが似ていると思います!」と宣言!

「お世辞かもしれませんが、この舞台への出演が決まってから、色々なところで「美青年の役でしょ、でもぴったりですよ」と言っていただける。自分では何も意識せず、自分は美青年なんだ、これからは自分は美青年であると受け入れて生きていこうと...それだけでございます」と話し、場内の拍手を浴びていました。


ドリアンの友人であり、純真無垢な彼に様々なことを教え、自分の色に染めていこうとする快楽主義者、ヘンリー・ウォットン役は、徳山秀典
「グレンさんの演出にすべて任せようと、あえて白紙の状態で挑もうと思っています。初めてお会いしたときに、優馬くんが本当に驚くほど聡明な方だったので、(快楽主義者の役としては)どうしてやろうかなと思い(笑)、本番を楽しみにしています」と話します。
dorian_11_0282.JPG
ドリアンと恋に落ちる女優、シヴィル・ヴェイン役は、元宝塚雪組トップ娘役の舞羽美海が演じます。
舞羽さんは「お芝居こそ自分の居場所、すべてだと思っているところは、自分もシヴィルに通じるところがあります。素晴らしい台本や原作がありますが、私もグレンさんに身を委ねたいと思っています」と話しました。
dorian_12_0241.JPG

そのシヴィルの弟で、ドリアンとの失恋により命を断った姉の敵としてドリアンを追うジェームズ・ヴェイン仲田拡輝
念願の初・ストレートプレイ出演とのことで「僕は事務所外の舞台に出るのは初めて。チラシにも<仲田拡輝(ジャニーズJr.)>とひとの2倍スペースをとっていますので(笑)、ひとの2倍頑張れというメッセージだと受け止めています。舞台に関してはあまり不安はなく、グレンさんについていけば、稽古の中でおのずと気持ちが湧き上がる瞬間が来ると思っていて、その瞬間をすごく楽しみにしています」と意気込みを。

なお、中山さんと仲田さんは同い年で普段から仲がいいとのことで

中山「プライベートでも仲が良く、定期的にごはん会を開いているのですが、そこでも一緒にお芝居をしたいねと毎回話していて。その最後のごはん会の3日後くらいに、この舞台に一緒に出られるということを聞いたので、めちゃめちゃ嬉しかったです」
仲田「嬉しかったですね。まだ役についての話などはしていないのですが、(これから)すごく楽しみです」

というようなお話も。


さて、ドリアンの"奇跡の肖像画"を描いた芸術家、バジル・ホールウォード役は、劇団四季出身の金すんら さん。(四季退団時の芸名は金森勝さん)
金さんは「美しいまま齢を重ねていきたい、という人間の持って生まれた本能、業があります。齢を重ねるとともに変貌していく自分の姿を嫉妬して、ドリアンも変わっていくのですが、それを演出のグレンさんが、悲劇ではなく、コメディのように描いてくれています。人生エンジョイしながら、それぞれがロンドンの貴族として自然に楽しく生き、それで結末がどう運ばれていくか。エンターテインメントのように、人生のように描けたらいいなと思っています」と話しました。
dorian_13_0145.JPG

そして、演出を手がけるのは、英国演劇界の重鎮、グレン・ウォルフォード
「私自身も過去に『ドリアン・グレイの肖像』を手がけていますが、それに囚われることなく、素晴らしいカンパニーと美しい中山優馬さんと、白紙の状態から新しい作品を作って、東京向けの特別な素晴らしい作品にしていきたいと思います。私の演出をご存知の方にはおなじみかと思いますが、私はアクションが大好きです。物語を語るということに終始心がけて、お客様には前のめりで見ていただけるよう心を尽くしたいと思います」と話していました。
dorian_14_0175.JPG

ちなみにドリアンは音楽的才能もあり、ハープシコードを弾くシーンがある...とのことで、この日、中山さんが(ハープシコードではありませんが)グランドピアノを演奏するひとコマも...。
「いままでピアノは触ったくらいの経験しかないのですが、最近本当に練習しています。難しいです。そんな簡単に出来るものではないんですが、しっかりとやりたい」と話す中山さんでしたが、なかなかの腕前を披露!

グレンさんも「素晴らしい技術だった。初めて優馬くんと話した時、ドリアンが自分で弾いているところを見せるのがとても大切よと話させていただきました。その時間髪いれずに「習います」と言ってくれた。大スターが映画出演に際し、とてつもないことを頼まれた時のような回答でした。そういう人たちは躊躇することをしない、とにかくやれるまで学習をする。リスクを恐れずに果敢に挑戦をするという姿勢が見て取れました。そのような勇気あふれる行動は本当に尊敬します。きっとその姿勢が、ピアノだけでなく、最終的な役どころにむけての演技の色々なところに生きてくると思います」と、絶賛と期待の言葉でした。

dorian_15_0247.JPG
↑ 弾き終わった中山さんに拍手を贈る皆さん


ちなみに、宣伝ポスターは、タイトルになぞらえて、キャストの皆さんの肖像画風のビジュアルです。
その感想についてはみなさん以下のように話しました。

中山「第一印象は、少し恥ずかしいなと。でもすごく綺麗に描いていただいてびっくりしています。本番ではこれよりもいい男になりたいと思います」

徳山「なかなか、我ながら美青年ではないかと...(笑)」

舞羽「素敵に描いていただけて嬉しかったです。このポーズで写真を撮ったのが、肖像画になっているのですが、写真と肖像画の雰囲気が違いますよね。これが宣伝ビジュアルになってすごく嬉しい」

仲田「これ、駅にすごい貼り出されていているんです。その前を通るのが楽しみで。誰かに気付かれないかと(笑)。上半身裸ですし、絶対気付いてもらえないんですが、友達や家族が僕の肖像画の前で2ショットを撮って送ってくれたりするのが、すごく嬉しい! これ、広告として大成功だと思います(笑)」

「自分は上半身裸にならないと思ってたんです。優馬くんだけがなると思ってたら、撮影に行ったとたんに脱がなきゃいけないということでドキドキしました。正直恥ずかしいし、照れくさい」

と、バラエティに富んだ感想でした。
dorian_22_0258.JPGdorian_23_0262.JPG


また、美青年・ドリアンに扮する中山さんの、どこが特に美しいと思うか...という質問には、共演者の皆さんからこのようなお答えが。

「目は口ほどにものを言うといいますが、目が本当にすごい。目力がありながら透明で素直な目をしている。純粋な心と、持っている目の力、すべてが整っているんでしょうか。ドリアン・グレイとして、もう納得、です」

徳山「すべてですね。今一緒ににいても、ぼやっと白いオーラがある。純粋な何か。すごく聡明で純粋な雰囲気が伝わってくる。人として美しい。...(ヘンリーとして)真っ黒に染めてってやります(笑)」

舞羽「美しいです。初めてお会いしたときに、肖像画から出てきたような、本当に、時が止まるような感覚がありました。笑顔も華やかで引き込まれるところが素晴らしく、ぴったり。お客さまもとりこになると思います」

仲田どうアラを探しても出てこない。嫉妬してしまいます。昨日も早くもドリアン・グレイのTシャツを作って、稽古場でみんなに配ってました。そういう気配りもぬかりがない」

...と絶賛なのです。
dorian_21_0184.JPG

それを受けて中山さん、「ありがたいです。僕も皆さんのことを信頼してやらせていただいてます。皆さんにお会いするのが楽しみで、稽古場に行くのがウキウキしているんです」と話し、カンパニーの良い雰囲気も伝わってくるのでした。

そして改めて初座長の中山さん、
「もちろんプレッシャーや緊張はありますが、ストレートプレイ初挑戦で、初座長。イロハも何もない。守るものがないので、全力でぶつかっていくだけなので楽しみですね」と、前向きな意気込みを話していました。

このメンバーでどんなドリアン・グレイの物語が立ち上がるのか、楽しみにしましょう。


取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)


【公演情報】
8月16日(日)~18日(火)/9月1日(火)~6日(日)
  新国立劇場 中劇場(東京)
8月22日(土)~26(水) 森ノ宮ピロティホール(大阪)
8月29(土)・30(日) キャナルシティ劇場(福岡)

チケット情報はこちら

前の記事「【インタビュー】気鋭の演劇人・熊林弘高!」へ

次の記事「少女マンガの金字塔『王家の紋章』、ミュージカル化!」へ

カテゴリー

ジャンル

カレンダー

アーカイブ

劇団別ブログ記事

猫のホテル

文学座

モナカ興業

谷賢一(DULL-COLORED POP)

劇団青年座

劇団鹿殺し

 はえぎわ

柿喰う客

ONEOR8

M&Oplaysプロデュース

クロムモリブデン

演劇集団 円

劇団チャリT企画

 表現・さわやか

MONO

パラドックス定数

石原正一ショー

モダンスイマーズ

ベッド&メイキングス

ペンギンプルペイルパイルズ

動物電気

藤田記子(カムカムミニキーナ)

FUKAIPRODUCE羽衣

松居大悟

ろりえ

ハイバイ

ブルドッキングヘッドロック

山の手事情社

江本純子

庭劇団ペニノ

劇団四季

演劇チケットぴあ
劇場別スケジュール
ステージぴあ
劇団 石塚朱莉