集英社「週刊ヤングジャンプ」にて連載、累計発行部数1,300万部突破の人気コミックの舞台化で話題となった、舞台『東京喰種トーキョーグール』。
先日公開されたキービジュアル、キャラクタービジュアルはご覧になられましたか?
<キービジュアル>
<キャラクタービジュアル>
☆金木 研(小越勇輝さん)
☆霧嶋董香(田畑亜弥さん)
☆左上から、西尾 錦(鈴木勝吾さん)、永近英良(宮﨑秋人さん)、
神代利世(浜田由梨さん)、ウタ(村田 充さん)
☆左上から、四方蓮示(吉田友一さん)、ヤモリ(山神佳誉さん)、
亜門鋼太朗(君沢ユウキさん)、笛口アサキ(奥野正明さん)
☆左から、真戸呉緒(有馬自由さん)、芳村(加藤忠可さん)
©石田スイ/集英社 ©舞台『東京喰種トーキョーグール』製作委員会
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本作で主演のカネキこと金木研を演じる、小越勇輝さんに話を聞きました。
小越さんは今年3月に初演からの動員累計200万人を数えた、ミュージカル『テニスの王子様』の 2ndシーズンで4年間、全作品で主人公の越前リョーマを演じきった、注目の若手俳優です。
★ 小越勇輝 ロングインタビュー ★
----カネキをはじめ、キャラクタービジュアルが話題になりました。撮影はいかがでしたか?
「初めてキャラクターになって......すごく新鮮でした。髪型のせいもあるとは思うんですが、幼くなったなー、顔が丸いなー、とか思って見てました(笑)。そんなふうに思う自分の感覚も含めて、新たな役で新しいことが始まっていくんだと実感しました」
----年齢に近い、等身大の役は初めてではないでしょうか。
「5月まで出演していた舞台の役も近い年齢で作ってもらっていましたが、ごく普通の大学生の役、という意味ではそうですね。衣裳もほかのキャラクターに比べたらだいぶおとなしい感じです。きっと楽しく友人と大学生活を送って平凡に過ごしていくと思っていたのが、思わぬ事故で半喰種(グール)になってしまう......未だにちょっと想像できません。でも、カネキもそんなことになるなんて思ってもみなかっただろうからその不安や恐怖を考えたりして原作を読み返したりアニメを観たりしています」
----共演者の方々とはお会いになりましたか?
「これからですが、亜門鋼太朗役の君沢ユウキさんはミュージカル『テニスの王子様』で、ウタ役の村田充さんも以前に少しだけ共演したことがあります。ほかは皆さん、ほぼ初めましての方々なので、どんなカンパニーになるのか、どんなふうに東京喰種の世界に染まっていくのか、このメンバーが集まったからこその空気感があると思うので、今から楽しみです」
----演出は前作に続き茅野イサムさんです。
「とても愛をもって演出してくださる方でいい関係を作らせていただきました。今回もいろんなアドバイスをもらいながらさらに一緒に前に進んでいきたいです。前の作品からまちがいなく成長できた部分があって、僕が選んだこの道は終わらない道だし、すべてが勉強だと思っていて、ひとつの公演が終わるたびにその一部をわずかだけれど必ず手に入れることができているはずなんです。その新たに手に入れたものを握りしめて次の作品に挑みたいし、そこでぶつかる新たな課題を茅野さんやいろいろな方の助けを借りて乗り越えていきたいです」
----そして、実は初のストレートプレイです!
「そういった意味でも大きな挑戦なんですが......どんな感じになるんだろうな......。きっと稽古に入ったらものすごく不安になることや、わからないこともたくさんあるんだと思いますが、今はそういったことを考えずに、ただ楽しみにしています」
----考えこまずに飛び込むタイプでしょうか。
「いや......そうでもないし、悩むだろうし、きっと苦しむと思います。ただ、稽古が始まったらなるようにしかならないし、周りも手を差し伸べてくれるだろうし、わからないことは教えてもらえると思うし、それを信じてやっていくしかないので、ぼくがやれることを全部やります」
----とても頼もしい言葉です。ともすれば、新たな試みがたくさん詰まった舞台になりそうです。
「それは僕も感じています。ことさらに『2.5次元』というジャンルでくくらなくても、舞台にはいろいろな可能性があって新しい試みも映像による演出もたくさん出てきているので、きっと観ていて楽しい、おもしろい舞台になると思っています。『喰種(グール)なんていったいどうやって表現するんだろう......』と思う方もいるかもしれませんが、『あ、こんな方法があるんだ!』とか驚いたり、発見してもらえたらうれしいし、そういったところは僕自身も楽しみだし、まるでその世界が目の前にあるような空間をみんなで創りあげたいと思うので、(期待して)待っていてください」
----舞台のたびに新たなことを習うことも役者の仕事のおもしろさだと感じます。
「アクションがあるんじゃないかな......と、いってもきっと、僕はやっつけられるばかりだと思いますが(笑)。ただ、殺陣や現代アクションを習ったことはありませんが、身体を動かすことは得意なので、もしあったとしたらしっかり教わりながら、楽しくふっとばされたいです!」
----ミュージカル『テニスの王子様』 、ロック☆オペラ『サイケデリック・ペイン』と主演舞台が続いていますが、先ほど「終わらない道」で「ずっと勉強だ」という言葉がありました。真ん中に立つ覚悟や続けいていこうという意思が感じられます。
「それはずっと心にあります。......もちろん。やるからには責任はありますし、背負っていかなければならないものがあって、僕自身、上へ上へと行くことを目指していきたいから。たぶん僕はとても恵まれていて、こうして機会を与えていただけることに感謝もしているし、すごく幸せなことなのでそれを無駄にはしないよう吸収できることは吸収して、出せることは出していって観に来てくださる方になにかを届けたり、残してもらえるような役者で在りたいです」
----断言することが潔(いさぎよ)いです。それらの覚悟はいつ、できたのでしょう。
「物心ついたころからこの仕事をしていたので、最初のころはやっているのが当たり前でした。でも、だんだんと心や気持が発達していろいろなことを考えるようになって中学生のときに『ああ、演じていきたいなあ』と思いました。なので、高校もそういった方面の学校を選んだし、この仕事で食べて行きたい、いや、食べていこうと決めました」
----そう決めて、実際に続けていることが尊(たっと)いです。
「それは、ありがたいことにやらせてもらえているからです。それに、やっぱり楽しいんです。でも、僕にはものすごく突出した部分があるわけではないし、普段暮らしていても思うけどなんてことのない人間なんです。ですが舞台上で輝きたいし、その輝きを届けるために一生懸命、稽古するし僕が演じている、その『役』がきらきらしていたらすばらしいことだし、そうあるべく目指していきます」
----今年、5月5日のご自身の公式ブログで、その時の出演作品を手がけた森雪之丞さんの『人間達が"奇蹟"と呼ぶに相応しいショウ』という言葉を掲げていましたが、もしかしたら舞台はすべてそうなのかもしれなくて、観客は毎日、奇跡を見せてもらっているのかもしれないと感じました。
「それはもちろん舞台だけでなく、映像も漫画や小説といった創作物はすべて、奇跡を見せてもらっていると思っています。現実ではありえない世界が本当にそこにあるんじゃないかと思わせてくれて、ひたらせてくれる、それはとてもすてきなことで、届けることができるところに僕はいる。光栄で幸せなことなので、これからもこういった舞台を......この言葉を借りるなら『ショウ』を届けたいと思います」
----ところで同じく今年、5月17日の公式ブログで「ほしいものができた」とありました。これがとても気になっているのですが......。
「ほしいものはいつもあるんですが、あのときは靴がほしかったんです。僕、買い物が好きなんです。稽古中や本番中は行かないし、なんかもう、服とかもいらないかなと思ったりするんですが、やっぱり買いにいくと、いろいろ買っちゃう(笑)」
----公演が終わったら「ご褒美に、あれ買おう」といったこともあるのでしょうか。
「......あるんでしょうね。ああー、きっと買っちゃうんだろうなあ」
----最後に、この公演が終わったらなにを買いましょう。ぜひ、読者に明かしてください。
「千秋楽は7月だから、夏ですよね。なんだろう、もう夏物はいいかなと思うので、指輪かレザーを買いますね、きっと(笑)」
----ありがとうございました!
取材・文/おーちようこ
撮影/石阪大輔
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