夏休みに親子で楽しめるミュージカルとして人気の『ピーターパン』。今年の主演は、昨年に引き続き、9代目ピーターパンの唯月ふうか。昨年、初舞台にして堂々たる演技と透明感のある歌声で魅せた彼女が、今年はどんな姿を見せるのか。今の心境を訊いた。
周囲もパッと明るくなるような、女の子らしい声と柔らかい笑顔が印象的。あどけなさとともに、言葉の端々からは芯の強さも感じられる。「来年もやりたい!と思っていたので、すごく嬉しいです。前回、舞台に立つ責任感や度胸、コミュニケーションを取ることの大切さ、本当にたくさんのことを学びました。特に大切だなと感じたのは、難しいことも最後まであきらめない気持ちで挑んだり、ピーターパンのように子ども心を忘れず、何事にも好奇心旺盛でいること。ピーターパンが終わってからも、この気持ちを持っていろんなことに向き合っています」。
今年は、"大人も楽しめるエンタテインメントショー"にリニューアル。演出・振付・上演台本に、数々のミュージカルやショーを手掛けてきた玉野和紀、フック船長とダーリング氏役には世界的ダンサーの大貫勇輔を迎え、新たな『ピーターパン』が生み出される。「玉野さんも大貫さんもダンサーなので、よりダンサブルになるんだろうなと、今からワクワクしています! お芝居もフライングも、歌もダンスも、すべて一からの気持ちで、良い汗をたくさんかきたいです。少しでも成長した姿をお見せしたいです」。そして、"カッコイイ"男の子を目指したいと意気込む。「男の子には憧れの存在になれるよう、女の子には恋してもらえるように演じたい。大人の方にも子どもの心を思い出してもらえたら嬉しいです」。
舞台デビューからまだ1年だが、「舞台ならではのハプニングも楽しい」と、すでに度胸たっぷりだ。「舞台は生モノということを実感しました。ハラハラドキドキすることもありますが、それを乗り越えるのも楽しいです。本番初日はすごく緊張しましたが、実際に舞台に立ってお客さんの表情を見たり、子どもたちが"ピーターパン!"って声をかけてくれたりしたことで、"絶対負けないぞ!"という気持ちになれたんです。今は舞台がいちばん自分を出せる場所だと思うので、今後もいろんな作品に出られるように頑張りたいです」。
公演は7月13日(日)神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場 ホールにて。その後、7月20日(日)から31日(木)まで東京・東京国際フォーラム ホールC、8月2日(土)広島・広島文化学園HBGホール、8月9日(土)に大阪・梅田芸術劇場 メインホールでも上演。チケットは発売中。
取材・文:黒石悦子