本作は、2005年ノーベル文学賞を受賞した劇作家ハロルド・ピンターが1970年に発表した作品を、
生前のピンターたっての希望で演出家デヴィッド・ルヴォーに演出をお願いしていた経緯から、
このたび世界で初めて上演される舞台となります。
イギリスを代表する英国不条理演劇の第一人者と言われるピンターの戯曲に、
ブロードウェイやウエストエンドでその名を轟かせる名演出家のルヴォーがいかに挑むのか、演劇界では大きな話題を呼んでいます。
出演は、『危険な関係』『テレーズ・ラカン』などでルヴォー演出を受け、高い評価を得た 麻実れい、と若村麻由美。
に加え、ジャンルを問わず幅広く活躍する実力派男優 堀部圭亮が決定、ルヴォー氏が認めた3名が挑みます。
制作発表には、デヴィッド・ルヴォー、堀部圭亮、若村麻由美、麻実れいの4名が登壇されました。
この4名からコメントが届いております。
デヴィッド・ルヴォー(演出)
以前、ピンター作品は日本人観客に合っていると思う、という話をしたのを思い出しました。この作品はそれぞれが『記憶』している過去の出来事がテーマです。三者三様の異なる記憶に、観客は何が真実か、さらに登場人物たちの生死すらも分からなくなるかもしれません。ピンターの生前には実現できませんでしたが、彼から直接演出を請われた作品でもあり、今日この場にいることにとても感激しています。加えて、過去に舞台を共にした麻実さんや若村さんと「昔の日々」という作品で再びご一緒することにとても意味を感じますし、彼女たちがする僕についての「昔の話」を、「そうじゃないよ、本当はね・・・」と言える相手として今回初めてご一緒する堀部さんがいてくれるのは、僕にとってとてもラッキーなことです(笑)
堀部圭亮
この話を伺ったときは震えました。ハロルド・ピンター作、デヴィッド・ルヴォー演出と聞いただけで大変な作品であることは分かるのに、そのどこに自分が入れるのだろうかと。先日初の本読みがあったのですが、駅から自宅までの普段通りの道を自転車で帰ろうとして、道に迷ったくらいです。(ルヴォー演出については)役者としてそこまで自分を穿り返したことはない気がするので、自分の底辺を見てみたい、対峙してみたいという欲求もあります。ぐちゃぐちゃにしていただきたい。今回はそうそうたる先輩方がいらっしゃるので、嫁に行くような気持ちで皆さんの胸に飛び込んでいきたいと思います。
若村麻由美
ルヴォー演出作には『テレーズ・ラカン』と『令嬢ジュリー』の2作続けて出演させていただいたことがあります。ルヴォー氏は、私にとって「青い炎」のようなイメージですね。人間の心の奥にある痛い部分を突つかれていくようで、でも、そこを通過しないと光が見えてこないというか。的確な例え話もたくさんしてくれました。あの頃付き合っていたドイツ人女性の話も随分聞きましたよね?(笑) また、尊敬する麻実れいさんと昨年舞台でご一緒することができ、大変幸せな時間を過ごさせていただいたのですが、こんなに早く、再びご一緒できる喜びに、今にも涙が出てきそうです。
麻実れい
初めてお会いした時のデヴィッドは、穴の開いたTシャツにジーンズ姿でした。とても分厚い制作ノートを大事そうに抱えた若き演出家で、それでも力のある演出家さんだと感じましたね。「蒼白い光を放つ刀」といいますか、とても繊細な演出で初めの頃は「三歩歩いて息を吸って、そこで見上げて」といった神経質ともいえる演出の洗礼を受けていたのです。今回久しぶりにお会いしたのですが、あの頃の出来事がついこの間のことのようで、時間が飛んでしまいましたね。ご一緒した数カ月はそれだけ濃密な時間だったのだなと思います。また彼との壮絶な戦いが待ち構えていますが、その先に辿り着いたら、素晴らしい時間を観客の皆さんと共有できると思っております。
『昔の日々』
【作】ハロルド・ピンター
【演出】デヴィッド・ルヴォー
【出演】堀部圭亮 若村麻由美 麻実れい
《東京公演》
2014年 6月 6日(金)~ 6月15日(日)
【会場】日生劇場
【席種】S席 8,000円 A席 5,000円 (全席指定・税込)
【一般発売】2014年 4月19日(土)
《大阪公演》
2014年 6月19日(木)~ 6月22日(日)
【会場】シアター・ドラマシティ
【席種】S席 8,000円 (全席指定・税込)
【一般発売】2014年 4月19日(土)