ドラマティックに歌い上げる名作ミュージカルに石丸幹二が挑む!
現在絶賛上演中、ミュージカル「モンテ・クリスト伯」。
先月の、キャスト登壇イベント模様の様子をお伝え致します。
上演中のレポート(http://community.pia.jp/stage_pia/2013/12/monte131217.html)と共にチェックください!
アレクサンドル・デュマの名作を、ミュージカル『ジキル&ハイド』や『シラノ』等を手がけたブロードウェイの巨匠フランク・ワイルドホーンの楽曲で舞台化。その日本版が、石丸幹二と花總まりという二大スターによって上演されることでも話題の『モンテ・クリスト伯』。特に石丸は今年を代表する大ヒットドラマ『半沢直樹』で浅野支店長役を演じ、お茶の間の知名度も急上昇。"倍返し"される側から本作では"復讐する側"へ回るとあって、ホームでの活躍がいっそう注目されている。そんな中、先日内で行われたイベントに、モンテ・クリスト伯役の石丸と、女海賊ルイザをダブルキャストで演じる濱田めぐみ、彩吹真央が登壇した。
モノトーンの服で合わせた3人が登場すると、会場は一気に華やかな空気に。役をイメージしてか無造作ヘアがワイルドな石丸だったが、作曲家自ら来日して行われた歌稽古の話になると「楽曲の転調に次ぐ転調に苦しんでいます」と苦笑。聞けば、石丸の声に合わせたいと考えたワイルドホーンがどんどん楽譜を修正。日本版オリジナルとなったとはいえ、かなり高度な技術を要求される楽曲になったのだそう。ほかに見どころとして、ルイザが手下を引き連れて船の上で踊るダイナミックなシーンをあげた石丸。全員でのハードな殺陣もあるそうで、筋肉痛の症状を明るく話す濱田に場内は爆笑。濱田が「ゆみちゃん(彩吹)は元男役だけあってキマってた」と話すと、笑顔を浮かべたまま「負けたくない!と思って」と言う彩吹に、また客席は笑いの渦に。「今回舞台上に出っぱなしの僕は、おでんでいうと(登場人物をつなぐ)"串"」と例える石丸に、「じゃあ私はゆで卵」(濱田)、「私はこんにゃくかな」(彩吹)とすかさず返す2人。そんなところからもチームワークの良さが伝わってきた。
イベントの最後にプレゼントとして歌われた「ほんとうかうそか」と「あの日の私に」は、石丸たちが言う通り転調の連続と、最後には全力で歌いあげるワイルドホーンらしいドラマチックなナンバー。イベント後のインタビューで彩吹は、「低音でカッコいい歌なんですが、それとエドモン(モンテクリスト伯)を愛する女らしさのバランスを意識して演じたい」と意気込みを。濱田も「初めは女海賊って?とよくわからなかったけれど、結局はエドモンが抱えている過去にルイザも自身を重ねて惹かれたんじゃないか」ということに気づいてからは迷いが晴れたと話す。「この作品はエドモンの心の成長の物語。彼を通して人々の想いが交差し、最後には人が人を許していく。僕も映像や舞台で悪い役も経験した後だからこそ表現できることがあるんじゃないかって。今はそう思っています」と、石丸も充実の表情で語ってくれた。
取材・文 佐藤さくら