和と洋の融合で"芯"が際立つ四季の『ジーザス』

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【チケットぴあニュース】

劇団四季のミュージカル『ジーザス・クライスト=スーパースター』〈ジャポネスク・バージョン〉が12月7日(土)に東京・自由劇場で開幕した。 
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作品は、イエス=キリストが十字架にかけられるまでの最後の7日間の物語。民衆たちの期待と自らの無力の狭間で葛藤するひとりの青年・ジーザスを中心に、ローマ帝国、ユダヤの王、ユダヤ教という三重の支配に苦しめられていた当時のパレスチナの状況、うつろいやすい民衆の心などを描き出す。聖書の中の神格化されたキリストの物語ではない、リアルな人間の物語が、観る者の心を鋭くえぐる内容になっている。『キャッツ』『オペラ座の怪人』などを手がけたアンドリュー・ロイド=ウェバーのブローウェイ・デビュー作で、1971年の初演以来、世界各国で上演を繰り返している。 
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劇団四季では〈エルサレム〉と〈ジャポネスク〉のふたつの演出版があることでも知られているが、12月1日まで上演されていた〈エルサレム〉に続き開幕したのが〈ジャポネスク〉。土ぼこり舞う荒野を舞台上に創出するリアルな〈エルサレム〉に対し、こちらは真っ白な舞台に、立体的に動く大八車、さらには歌舞伎風メイク...と、日本の伝統芸能のエッセンスを取り入れた作り。音楽も、笛や鼓の音が効果的に使われている。西洋発のミュージカルとしてはかなり奇異なビジュアルに一見驚かされるが、白塗りをし、記号化されたキャストから伝わってくるのは、登場人物たちの最も重要な"芯"の部分の感情。シンプルだからこそ、大切な部分が際立つのだ。俳句などにも通じる、日本独特の削ぎ落としの美の形が、西洋のミュージカルと見事に融和した、無二の舞台だ。 
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エルサレム版に続きジーザス役を演じているのは神永東吾。丁寧な歌唱で、若く生真面目そうなジーザスを造形しており、真面目さゆえの葛藤と悲しみが伝わってくるようだった。神永は上演にあたり「悩み苦しみ翻弄されていく人間・ジーザスのドラマを、日本の様式美にのせてしっかりとお客さまにお届けできるよう務めていきたいと思います」とコメントを発表した。 
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公演は12月14日(土)まで。チケットは発売中。

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