世界でも珍しい女性だけのレビュー劇団、宝塚歌劇団。
トップスターを中心とした徹底したスター制度、独特の美意識に彩られた華やかな世界に、熱狂的なファンも多いのはよく知られているところ。
"タカラヅカ"でしかない、オリジナリティある世界は、もはや日本エンターテインメント界を代表する存在でもあります。
そんな宝塚歌劇団、1914年に誕生し、まもなく100周年を迎えます。
その100周年へ向けたカウントダウン企画、〈TAKARAZUKA WAY TO 100th ANNIVERSARY〉シリーズの掉尾を飾る作品『DREAM,A DREAM』がまもなく開幕。
宝塚へのオマージュを捧げたこのシリーズですが、ファイナルに相応しく、元トップスターが総勢22名も出演!(日替わりゲスト含む)
そのほかの出演者もすべて宝塚OG。
宝塚に在籍していた人しか生み出せない"宝塚スピリッツ"に溢れたステージを展開します。
開幕を目前に控えた10月某日、その稽古場を取材してきました。
メインで出演されるのは、こちらの元トップスター13名。
まず元星組トップスター、鳳蘭さん。
大らかで華やかなオーラはトップ・オブ・トップの輝き!
稽古着でもスターオーラがハンパないです!!
元星組トップスター、峰さを理さん。
男女の双子2役を演じた『紫子』など、その確かな演技力で観客を圧倒したスター。
元月組トップスター、剣幸さん。
華やかな舞台姿でブロードウェイ作品などが似合います。
なんといっても初演の『ME AND MY GIRL』ビル役!
花が咲くようなこの笑顔!
元雪組トップスター、杜けあきさん。
和物から洋物まで、"芝居の雪組"を体現するようなしっとりとした芝居が印象的なスターです。
元花組トップスター、安寿ミラさんはダンスの名手。
現在は振付家としても活躍する安寿さん、さすがに動きがいちいちキマっています!
だんだん現役姿の記憶も鮮明になってきましたよ。
元星組トップスター、湖月わたるさん。
高身長から繰り出される迫力のダンス、包容力ある舞台姿!
相変わらずカッコイイ!!
元月組トップスター、彩輝なおさん。
中性的で蠱惑的な魅力を持つスター。『エリザベート』のトート役などが印象的でした。
元雪組トップスター、朝海ひかるさん。
10年に一度のオスカル役者とも言われたフェアリー的な外見と、それに相反するような骨太な芝居、さらにハイレベルなダンスで魅了したスターです。
ここからは、相変わらず可憐な元娘役トップの皆さまです。
元雪組娘役トップ、紫ともさんの柔らかい笑顔!
元星組娘役トップ、星奈優里さんのカッコイイダンス姿は、相変わらず男役顔負け!
元月組娘役トップ、彩乃かなみさんの天使の歌声もたっぷり楽しめそうですよ。
コケティッシュな魅力も健在、元宙組娘役トップの紫城るいさん。
そして、元星組・月組娘役トップ、伝説の『ベルばら』初代マリー・アントワネット役、初風諄さん!
チャーミングな笑顔、まわりをほんわかとした気分にさせてしまう存在感。
娘役はかくあるべき、の見本のようです。
さらに、〈ドリームゲスト〉として、元星組トップスター安蘭けいさん、元雪組トップスター水夏希さんが交互出演。
この日の稽古場は水さんが登場。
"ゲスト"といっても、歌って踊って、ガッツリほかのキャストとも絡むようですよ。
さらにさらに!
日替わりで〈スペシャルゲスト〉として以下の元トップスターたちも出演!
敬称略で失礼します。
汀夏子、榛名由梨、瀬戸内美八、高汐巴、平みち、日向薫、紫苑ゆう、涼風真世、一路真輝、高嶺ふぶき、稔幸、真琴つばさ、香寿たつき、えまおゆう、姿月あさと、大和悠河
トップ経験者、総勢22名!
通常の宝塚の公演では、1組にトップスターは男役・娘役1名ずつ。計2名です。
特別なイベント以外、複数名のトップが同じステージに立つことはありません。
ということはこの舞台、ある意味、現役を超える豪華さ。
ということはこの舞台、ある意味、現役を超える豪華さ。
トップスター経験者たちの存在感、凄いです。圧倒されます。
その個性をぶつかり合わせずに活かすさすがの手腕を見せるのが、構成・演出の荻田浩一さん。
荻田さんも宝塚の演出家出身です。
独特の美意識と繊細さでこだわりのステージを数多く送り出した荻田さんは、ただ年功序列で順番に見せ場を作っていく、なんてことはしません!
独特の美意識と繊細さでこだわりのステージを数多く送り出した荻田さんは、ただ年功序列で順番に見せ場を作っていく、なんてことはしません!
その歌唱力でファンを魅了したスターには存分に歌わせ、名ダンサーと称されたスターには存分に躍らせる。
スターの個性を最大限に活かしたステージになっている模様です。
「この人のこういうシーンが観たかった!」というファンの喜びの声が聞こえてきそうな構成。
さて、この日の稽古場は、初めての通し稽古の日...とのことですが、出演者の皆さん、ピリピリした様子はまったくありません。
むしろ、なごやかにスタートしました。
それにしても元男役トップの方が並ぶ姿は、壮観です。
古き良き宝塚レビューらしい、パリを題材にしたシーンも。
『サ・セ・パリ』などの名曲は、やっぱり外せません。
羽扇やシャンシャン、そして背負い羽根なども登場!
宝塚を代表する傑作ショー『ノバ・ボサ・ノバ』のあの大名曲も!!
そして、作品を彷彿とさせる、手飾りを付けてのダンスに、観ているだけでテンションMAX!
ザッツ・タカラヅカレビューな1幕から一転、2幕では少しクールな雰囲気に。
ジャズナンバーも多く、男役のカッコイイスーツ姿なんかも期待したくなります。
こちらには〈ゲストピアニスト〉として、元星組トップスター、麻路さきさんも出演。
麻路さん、すばらしいピアノ演奏だけでなく、ダンス・歌の披露もあり!
スターの個性を知りぬいた荻田演出は、トップ経験者だけではなく、すべての出演者に等しく愛情が注がれます。
名バイプレイヤーとして数々の舞台を盛り上げた未沙のえるさんは、要所要所でコミカルな演技を見せ、ショーを盛り上げます。
そんな未沙さんを見て、「やっぱり、面白いねぇ彼女!」と感嘆の声をあげる待機中の鳳さんと峰さん。
出雲綾さんの、華やかで高らかな歌声もたっぷり!
裸足で踊る朝海さん。
安寿さん、湖月さん、朝海さんと、宝塚史に残る名ダンサーを中心としたシーンのカッコ良さ!!
それにしても、ハイレベルなシーンが次々とスピーディに展開していきます。
OGという響きから想像する、同窓会的ぬるさは一切なし!!
本気のショーです。
スターたちの本気と誇り、何よりも宝塚歌劇に対する愛情。
それらが結集した、最高の祝祭的ショーが誕生しそうです。
出演者も、自分の出番以外のシーンを本気で楽しそうに見ていましたよ。
作品は3部構成、まだまだほかにも見どころはたくさんありますので、本番のステージをお楽しみに!
公演は、
10月12日(土)~27日(日) 東急シアターオーブ(東京)
11月2日(土)~17日(日) 梅田芸術劇場 メインホール(大阪)
で上演されます。
チケットはともに発売中です。