砂漠での放浪生活をしている粗野で無学な兄と、
一流大学を出て、脚本家として活躍している堅実な弟。
そんな兄弟がお互いにもつ憧れとコンプレックスから生まれる
葛藤の先を描く「TRUE WEST~本物の西部~」。
その出演者のみなさんからコメントが到着しました!
内野聖陽
(c)キシマリ(FEMME)
「脚本を読んだ時、まずせりふ劇として素晴らしいなと思いました。
基本的には兄と弟を中心とした物語なんですが、
そのスピード感、緊迫感のあるやり取りが非常に面白く、これはぜひ挑戦したいなと。
僕が演じる兄のリーは、弟からすると出来れば帰って来て欲しくなかった男。
つまりちょっと変わり者なんですが、そういう意味ではフーテンの寅さんにも似ているような気がして。
でもこれはアメリカが舞台の作品ですし、寅さんともまた違う、
何か新しい兄貴像みたいなものが自分の中でクリエイト出来たらいいなと思います。
弟役の音尾(琢真)くんは、テレビドラマでも共演させていただきましたが、
非常に芝居好きで、真っすぐないい奴です。
決して妥協することなく、稽古をたくさん積んで、一緒にいい舞台を作っていける役者さんだと思うので、
今回弟役が音尾くんで本当によかったなと思います。
翻訳ものというと堅苦しいイメージがついて回るかもしれませんが、
この作品は笑えるところもたくさんあります。
家族の緊迫したドラマでありつつも、プッと笑ってしまう瞬間がたくさん隠されているというか。
ですから変に構えず、気楽に観に来ていただきたいですね。」
音尾琢真
(c)キシマリ(FEMME)
「俳優冥利に尽きる作品ですよね。俳優でもあるサム・シェパードさんが書かれているだけあって、
俳優というのはこれほどいろんなことを考えて、表現して、
それを見せるだけで一つの作品になり得るんだ、ということが描かれている。
僕も"俳優"という職業に自負を持っている人間ですので、
そういった意味ではすごくやりがいのある作品なんですよね。
僕がやる弟のオースティンというのは、兄に比べれば落ち着いた人物。
でもそういう人こそ、一線を越えた時のおっかなさは相当ですから(笑)。
常にパンパンの風船のように膨らんでいるんだけれども、落ち着いて見えるぎりぎりの人でいること。
それこそがこの舞台の面白味につながる、そう僕は信じているんですよね。
少人数芝居というのは、やはり相手によるところがすごく大きいと思うんです。
でも今回は相手役が内野(聖陽)さんだという時点で、一番の恐怖はクリアされているなと。
内野さんであれば、こちらも楽しめるくらい、全力でぶつかっていける。
そういう数少ない俳優さんですから。
まぁ内野さんの影響力にどれだけ僕が応えられるかと言ったら、
かなり高いハードルではあるんですけど...(苦笑)。」
菅原大吉
(c)キシマリ(FEMME)
「兄弟ものってやっぱり面白いですよね。
独特な関係ですし、同じような歴史を重ねてきた者でもあるわけですから。
そんな二人の中に内在するものが、彼らの会話やお母さんの存在を通して徐々に絡み合っていく。
そういう姿を見るのは、きっとすごく楽しいと思います。
僕はハリウッドのプロデューサーであるソール・キマーを演じるんですが、
彼は兄弟二人の間に挟まれて化学変化を起こしていく、いわゆる"触媒"のような存在なんでしょうね。
ただキマーとしては、仕事で彼らの間に入っているだけで、
「仕事になるのはどっちだ?」くらいにしか考えていない。
だから脚本とはちょっと違うかもしれませんが、まぁ僕がやるのであれば、
ちょっと日和見な、どっちつかずの男になればいいかなと。大プロデューサーって柄でもないですからね(笑)。
これまで共演をしたことがあるのは内野(聖陽)さんだけですが、
本当に熱い、仕事に対して真面目な男なんですよね。
そんな内野さんの魅力が十二分に発揮される舞台だと思いますし、
生で観る内野さんの力っていうのを、ぜひ劇場で体感していただければと思います。」
吉村実子
(c)キシマリ(FEMME)
「脚本の1ページ目を読み切らないうちに、もう「面白い!」って思いました。
少しずつステップを踏んで、やっと佳境を迎えるっていう作品が多いと思うんですが、
これはもう最初からって感じですから。
そういう意味ではすごく珍しい戯曲だなと。
私は内野(聖陽)さんと音尾(琢真)さん兄弟の母親役をやらせていただくんですが、
二人の会話が本当に面白いんですよね。
いっそのこと、私はいなくてもいいんじゃないかって思ったくらい(笑)。
共演者の皆さんも本当に素晴らしい俳優さんばかりですし、私自身、今からとっても楽しみです。
私も二人の男の子の母親ですが、日本であれアメリカであれ、
母親というものにそんな大きな違いはないと思うんです。
いろいろ思うところはあるでしょうけれども、やはり心の底では息子二人と、
そして主人を愛している。そういう母親のありようみたいなものが、今回ちゃんと出せたらいいなと思います。
私も頑張りますが、まずは物語の主軸を担う内野さんと音尾さんに頑張っていただき、作品を盛り上げていただく。
そうして大勢の方に観に来ていただけたら、すごく嬉しいなと思います。」
公演は東京を皮切りに、大阪、福岡、愛知、広島、宮城を回る。
みなさんの思い、情熱を味わいに、劇場に足を運んでみては。
9/29(日)~10/13(日) 世田谷パブリックシアター
10/17(木)~20(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
10/22(火)~23(水) キャナルシティ劇場
10/27(日) 名鉄ホール
10/25(金) はつかいち文化ホール さくらぴあ 大ホール
10/30(水)~31(木) 電力ホール