■ミュージカル『二都物語』 華麗なるその世界 vol.4■
井上芳雄&浦井健治の共演で、文豪ディケンズの名作を蘇らせるミュージカル『二都物語』。
稽古場レポート、第2弾です。
今回は、稽古場レポートPart1では登場しなかった、浦井健治さん扮するチャールズ・ダーニーの出演シーンです!
場所はパリ、サン・テヴレモンド侯爵の城。
岡幸二郎さん扮する侯爵と...
浦井健治さん扮するチャールズ・ダーニーは叔父と甥の関係です。
侯爵は、この物語の"悪役"ポジションの人物。
傲慢で高慢な貴族です。
対してチャールズは正義感あふれ、傲慢な叔父に我慢ならない様子です。
侯爵は、貴族であらずば人にあらず、といった感じで、庶民に目を向けている甥を恥じていて、
チャールズは逆に、そんな思想を持っている叔父こそがエヴレモンドの名を汚している、と思っているようです。
絶望的に相容れないふたりはこの日、決別をします。
浦井さん扮するチャールズの、悲壮なまでのまっすぐな気持ち、切ないほどに綺麗な心に胸打たれること間違いないシーンです!
それまでワサワサしていた稽古場も、このシーンをやっている間は、水を打ったようにシーンとなっていました。
鵜山さんも「僕が本当にやってほしいのは、こういうことなんだ!という気持ちで」「この世には貧しさが溢れているのに、あなたひとりだけのことじゃないですか!という風に」と、チャールズの心情を丁寧になぞり、セリフの言い回しひとつずつに細かく演出をつけていました。
ちなみにフランス貴族のはずのチャールズがなぜ「チャールズ」なのか。
侯爵の傲慢なふるまいで、忌むべき名になってしまった"エヴレモンド"を嫌い、英国名"チャールズ"を名乗り、性も母方の"ダーニー"を使っているのですね。
侯爵は彼をフランス名で呼んでいました。
(なお、もうひとつちなみに、フランス語の発音上、"エヴレモンド"はあたまに"サン"が付くと、"サン・「テ」ヴレモンド"と変化するそうです)
そんな緊張のシーンですが、浦井チャールズ、こんな優しい笑顔も。
笑顔の相手は...
松澤重雄さん扮する使用人のガベル。
チャールズは彼に後の事を託し、発ちます。
そして場所はかわり、イギリス・ドーバー。
父・マネット医師とともにイギリスに戻ってきたルーシー。
マネットは今井清隆さん、ルーシーはすみれさん。
そして、チャールズ。
船内で出会ったらしい3人。
ルーシーが気になるチャールズですが...
ミス・プロスに妨害されてしまったり。
水兵さんたちにからかわれたり。
音楽も陽気で、波止場らしい明るさがあるシーンです。
が、この人の姿が。
バーサッド、福井貴一さんです。
バーサッドは何やら侯爵にこそこそと密命を受けたりしています。
彼の罠により、チャールズは逮捕されてしまいます...。
逮捕のアクション指導真っ最中の、浦井さんと渥美さん。
「ここをこう締める...はい、痛がって!どこが痛い?」と渥美さん。
「えーと、ここです!」と言う浦井さんに、「違うでしょ!」と渥美さん。
で、本気で力を入れられた!? 浦井さん、本気で痛がってます?
このシーンではあっという間に別れわかれになってしまい、幸せな日はまだまだ遠し、のチャールズとルーシーですが。
舞台裏では笑顔の浦井さんとすみれさんです。
そしてこちらの悪役コンビも、和やかに素敵な笑顔でした!
稽古場レポ、次回はいよいよ井上カートンが登場します!
公演は7月18日(木)から8月26日(月)まで、帝国劇場にて。
チケットは発売中です。
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