劇団四季『リトルマーメイド』公開稽古レポート Part2

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■劇団四季『リトルマーメイド』が出来るまで vol.9■


3月14日に報道陣向けに行われた『リトルマーメイド』の公開稽古では、稽古披露の後、出演候補者及び演出補のクリスチャン・ダーハム氏、振付のジョン・マッキネス氏の合同取材が行われました。
今回はそのレポートです。Shiki_LM0901.JPG
まず最初は、アリエルのふたりに対し、「水の中の演技で、努力されていることは」という質問が飛びました。
アリエル役候補の谷原志音さん、秋夢子さん、ふたり顔を見合わせ、そうなんです大変なんですよ...といった表情。

「フライングにあわせて特にトレーニングをしてはいませんが、実際にすごい大変なんです...。多分練習中、自然に筋肉をつけていると思います。(海中での動きを)意識しながら、動いたり歌ったりしゃべったりするので」

Shiki_LM0903.JPG谷原「稽古が始まる当初はトレーナーさんと腹筋のトレーニングをしたり、家に帰ったら寝る前に腹筋をずっとやったりしていました。今も無意識にこれ(水泳のバタフライのように、腹筋を波打たせるような動きです)をやっているんです」

Shiki_LM0902.JPG「座ってる状態でも常にこういう...力いれて、ね」

谷原「常にヒレを動かさないとダメなんですよね。床に立っている時も、歌っている時も。泳がないと沈んでいく、魚は死んでしまうので」

「忙しいです。フライングは20分の稽古だけでも(筋肉が)パンパンになります!」Shiki_LM09c.JPG

クリスチャンさん、ジョンさんには、四季の俳優と仕事をしての感想、また今回日本版を作るにあたっての変更点やみどころに関する質問がされていました。

「7週間ほど前に日本に来ましたが、稽古の初期段階で、非常に才能に恵まれた方たちが稽古場にいるということに驚き、嬉しく思いました。稽古は神経を集中させることが必要でしたし、感情的にも深いところにいかないといけないような場面が多いのですが、最終的にはここ2・3週間ですべての要素がまとまって、力強いパフォーマンスになってきたなと思います。また、劇団四季にこのショーを持ってこれたことは、私たちは非常に恵まれていたなと思います。もともとエキサイティングなショーですが、今回日本にもってきた段階で、いろんな場面を拡大したり、調整をしたりする機会を与えていただきました。パペットの数も増えています。セットも新しい振付も増えています」とクリスチャンさん。Shiki_LM0906.JPG
ジョンさんは「私はNYから来たんですが、通常NYではキャストは稽古が終わったらすぐ家に帰り、翌日は前日のことをやり直すということが多い。四季の皆さんは誇り高く、何時間も稽古のあとに自主稽古を重ね、翌日にはすべて直っている。なので翌日にはワンステップ上のレベルに持っていけます。素晴らしい経験をこちらでしています。また今回素晴らしい機会を与えられたと思ったのは、新しいバージョンとしてこの作品に関わる事ができたということです。私はオランダの時に初めて『リトルマーメイド』に関わりましたが、稽古期間は3・4週間しかななく、細かい調整が時間的にできなかったんです。今回は時間もあり、キャストの方々がとても熱心にやってくださるので、作品自体をもっと良いレベルに持っていくことができています。具体的にはパペットは6体が加わりました。ハートフィッシュという赤い魚、カサゴ、タツノオトシゴが今回のプロダクションで初めて登場します。振付もかなり新しいものにしています。『アンダー・ザ・シー』も振付をかえていますし、2幕の冒頭にある『マエムキニ』という曲では、タップダンスなのですが、かなり違う振付になっています。セットや振付だけでなく、スイミング...実際にはフライングなんですが、我々はスイミングと呼んでいます。これも新しい場面を増やしています」と見どころを話してくれました。Shiki_LM0907.JPG
エリック役候補のふたりには、ディズニーミュージカルの魅力を。

上川一哉さんは「エリックはディズニーの王子様の中でもちょっと違った雰囲気をもったキャラクター。王子様なんだけど、海や船乗りに憧れるという、ワイルドなところがあります。劇団のレパートリーのキャラクターでもちょっと違ったキャラクターになりそうです」Shiki_LM0905.JPG
竹内一樹
さんは「本当に毎日お稽古場にくるのが楽しいです。小道具のひとつひとつに夢があったり、キャラクター同士のやりとりだったり、ほかの(ディズニー作品以外の)作品よりすごく派手なんですが、すごく繊細に緻密に作られている。それを稽古場で体験できるのがすごく楽しくて、ディズニー作品のメリットだな、演じる側も心が躍るような作品なんだなと強く感じています」と話していました。Shiki_LM0904.JPG
それぞれのお気に入りのナンバーも質問されました。

谷原「やっぱり一番好きな曲は『パート・オブ・ユア・ワールド』。この歌は昔からすごく好きで、大学でミュージカルの授業があったんですが、試験があると絶対にこの曲を選んでいました。お母さんの前でもよく歌ったし、カラオケももっています。この曲が大好きなのに、これを今回舞台上で歌えるなんて。友だちもみんなびっくりしていました。あとは『マエムキニ』も、聴いていて元気に、ポジティブになる曲なので、大好きです」

「どうしましょう。全部同じ。...ちょっと残して~(笑)。えーと...『アンダー・ザ・シー』が大好きです。絶対に見に来てくれるお客さんもみんなハッピーになって、もっともっと作品を好きになってくれると思います。映画の3Dみたいなパフォーマンスもしますので、楽しみにしてください!」

竹内「『アンダー・ザ・シー』も『マエムキニ』もそうですし、ポジティブな楽曲が多く、身体が踊ってしまうんです。袖でスタンバイしていても、ナンバーが流れると、勝手に身体が踊りだしてしまう。どの楽曲が好きか選びたくないくらいにどの曲も好きです」

「ほんとですよね。スタンバイしてるときも、オーバーチュアで鳥肌が立つ」

竹内「次に自分が出るというところでビッグナンバーがあると、それに元気をもらって「よし!」て出られるので、すごく楽しんでいます」

上川「僕も同じ気持ちなんですが、最初のプロローグのナンバーというのは幕があがるのに相応しい曲で、ナンバーが流れると心がすっと海の世界に入っていける、気持ちが高ぶるナンバーで聴いていて楽しいです。演じる側としても集中を高めてくれるナンバーで、エネルギーが湧き出ます」

「綺麗な曲にかこまれて、毎日楽しいです」

Shiki_LM09a.JPG
谷原さんと秋さんは、質問に対する答えがどうしてもかぶってしまうらしく、ほかにも「ここだけは見逃してほしくないというシーンは」という質問で、「今頑張っている、フライング」と答えた谷原さんに、「また言われちゃった~」と秋さんがくやしがったり、「じゃあじゃんけんで順番決めようか」と言ったりしている姿がとてもキュートでした。Shiki_LM09b.JPG
公演は4月7日(日)に東京・大井町の積水ハウスミュージカルシアター 四季劇場[夏]にて開幕します。
チケットは年内・12月31日(火)分まで発売中! 

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