10月。
ソウルに行って、1キロ強太ってしまった。
67キロオーバー、過去最高を記録してしまった。
観光ではなかったことや、1週間いたので急いで韓国料理を食べる必要がなかったことから、いつもの食生活の一部に韓国料理が組み込まれたようなかたちになった。
とにかく量のわりに東京よりも割安だからどんどん食べてしまう。
ソウルはピザもパスタもうまかった。
そんな調子でカップ麺⇒うどん⇒ピザ⇒サムギョプサル⇒パスタ⇒サムゲタン⇒ハンバーガー、というふうに好きなものだけを食べていたのだから太るに決まっている。
というわけで、帰国してからダイエットをしている。
この出たがりな腹に我慢ならない。
25歳まで何を食べてもまるで太らなかった。
高校の頃から体重はずっと56キロ。
それが25を境に体質は急に変わり、5年で10キロも増えた。
かつて頬が痩け、大きい二重の目だけがギョロギョロと動き、ボクサーみたいな体脂肪率でムダ毛が多い俺は、確かに世の中にあらがっていて、かっこよかった。
髪の毛もモヒカンで、下北沢の街を歩く俺はギターがなくても、まぎれもないパンクだった。
目が合うやつには味のなくなったガムを無理やり噛ませ、駅前のキャンペンガールを口説き落とし泣かせ、乱立する不動産屋の看板を壊して回った。
バス停のベンチを盗んだこともある。
もちろん深夜にだけ、あの目の腫れたキャンギャルを座らせるため。
朝の光とともにベンチはバス停へと戻っていった。
アメリカに留学していたときなど、オクラホマシティで偽の日本料理を食べ、怒りのあまりケビンとジョナサンを抱えてモール中を走り回った。
もちろん目につくバーガーキングはすべて打ち破り、タコベルの日本チェーン展開を交渉し、バレンタインにはフェリーシャに花をもらった。
それがいまや、このでっぷり腹は夜8時、帰宅ラッシュの電車にさえ収まらない。
つい先程など、破裂しそうなほど紫色に膨れ上がった肉が架線に引っかかり、京浜東北線を50分止めた。
俺は吉野家の牛丼の米を少なめにして注文したり、まずいダイエットペプシの炭酸を抜いて飲んだり、TRFのEZ DO DANCERCIZEを通販で買ったりして、日々体を絞っているところだ。
F/T12『隣人ジミーの不在』岡崎藝術座 作・演出:神里雄大
11月2日(金)~ 11月6日(火) あうるすぽっと
一般前売 3,500円(当日+500円)、学生 3,000円、高校生以下 1,000円(前売・当日共通、当日受付にて要学生証提示)
http://festival-tokyo.jp/program/12/neighbor_jimmy/