俳優の植原卓也(24)、橋本淳(25)、市川しんぺー(48)、伊藤正之(54)らが出演する舞台「阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ」が9月21日、東京・下北沢の本多劇場で開幕した。
とある地方の村で起こった連続通り魔事件と、それを取り巻く人々のサスペンスタッチなブラック・コメディー。
脚本は、自劇団「THE SHAMPOO HAT」旗揚げ以来、業界ではマニアックかつ熱狂的なファンを持ち、その独特な世界観は赤堀ワールドと称され、多くの指示を集めている赤堀雅秋。
そして、演出は、脚本の持つ繊細なディティールや、普遍的な心情を巧みに表わす手腕で定評のある河原雅彦という、ありそうでまだなかったコンビが、遂にタッグを組んだ。
舞台「阿呆の鼻毛で蜻蛉を繋ぐ」は、近年演劇界を席巻している若手男子を中心とした演劇作品とは一線を画した、かなりの異色作。人間のバカバカしくも哀しい業の深さを描き出す赤堀ワールド全開の今作で、人気若手俳優たちが今まで見せたことない剥き出しの演技で魅せる。
▼あらすじ
とある田舎にある村。
そこで祖父の代から続く金物屋を継ぎ、暮らしている小峰春彦(橋本淳)。
わけあって入院している彼の病室には、担当医の青柳哲也(加藤啓)、親友の田辺稔(栁澤貴彦)や、その姉でスナックを経営している道子(吉本菜穂子)、そしてかつては漁師だったが、今はスーパーで働いている父の夏彦(伊藤正之)が訪れる。
夏彦は道子と付き合っているのだが、春彦に気づかれないようにそれを隠そうとする。
春彦もそんな二人のことを、見て見ぬふりをしている。
一方、病院の外では村を揺るがす大事件が起きていた。連続通り魔事件である。
その事件で、無職のプータロー、原田一美(平田裕一郎)と、夏彦と同じスーパーで働く宏美(瀧内公美)の兄妹は、母を殺害されてしまう。
犯人が捕まらないいらだちを、ベテラン刑事の高橋国男(市川しんぺー)へ乱暴にぶつける一美。
高橋は部下の石井秀樹(植原卓也)とともに、懸命の捜査を続けているが、まだ犯人を特定することはできていない。
手がかりといえば、現場に残されたネジだけ。
しかし、道子のスナックで働く妻の敏子(田島ゆみか)との関係に、微妙なすれちがいを感じて悩む石井は、どこか捜査に身が入らない。制服警官の三島純(板橋駿谷)はさらにやる気がない。
事件は長期化の様相を見せ始めていた。
ある日、夏彦の通報を受けて高橋は、石井、三島とともに、常習万引き犯・池田翼(駒木根隆介)の件を処理するためスーパーに向かう。
反省の態度をまったく見せようとしない池田に、うんざりする四人。だがそんなことにはおかまいなく、池田は奇妙なことを言い始める――。
【舞台写真/撮影:引地信彦】
公演は9月30日(日)まで下北沢 本多劇場にて上演。
さらには、9月24日、25日、26日の終演後、出演者、演出家、そしてゲストを招いてのアフタートークショーも開催決定!
◎出演者選抜6名によるアフタートークショー
◆9/24(月)19:00の回、終演後
[登壇者]
橋本淳/平田裕一郎/柳澤貴彦/瀧内公美/加藤啓/伊藤正之(順不同・敬称略)
◆9/25(火)19:00の回、終演後
[登壇者]
植原卓也/板橋駿谷/田島ゆみか/吉本菜穂子/駒木根隆介/市川しんぺー(順不同・敬称略)
◎演出家・河原雅彦、映画監督・園子温
司会 徳永京子(演劇ジャーナリスト)によるスペシャルトークショー
◆9/26(水)19:00の回、終演後
[登壇者]
河原雅彦、園子温(映画監督)/司会:徳永京子(演劇ジャーナリスト)
チケットは発売中。