柿喰う客の1年半ぶりの本公演「無差別」が開幕!

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柿喰う客「無差別」がリニューアルオープンした東京芸術劇場シアターイーストで9/14(金)に開幕した。

今回の作品は、劇団化7周年に伴う、劇団メンバー7人による1年半ぶりの本公演だ。
作・演出の中屋敷法仁と劇団員の七味まゆみ、玉置玲央、深谷由梨香、永島敬三、大村わたる、葉丸あすかの7人。

近年、柿喰う客メンバー個々の活躍は目を見張るものがある。
小劇場から大劇場、さらにはイベントやロックフェスなど......。
ジャンルを超えて本当に様々な場所でその名前を目にする。
そのメンバーが1年半ぶりに勢揃いしての本公演。
期待に胸をふくらませ、劇場へと向かった。

ロビーに入ってまず目を引いたのは、様々な柿喰う客GOODSや、過去公演のフライヤーなどの展示である。
7周年記念公演という事で今回このようなロビー装飾をしており、実に賑やかでまるでお祭りのようである。
そして、7年にしては驚く程の公演数に、柿喰う客の歴史と、未だに衰えぬその勢いに納得する。

そんな華やかさから一遍、劇場内は限りなく暗く、より一層暗い舞台上には7本の鉄柱がそびえたつ。
月光を浴びて薄暗く輝くそれは、客席に流れる音も合間って、空気をより神聖なものにしているように感じた。
まさにどこかの村祭りのような華やかな場所から、荘厳な神社にでも入ったようなあの感覚に近いのかもしれない。

そして、物語はゆっくりと、1人の男が語るところから始まった。

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人間とは?生まれるとは?生きるとは?死ぬとは?
そんなことが終始頭をかすめていく......。

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劇中、「生きたい」、「命」という言葉が、何度もはっきりと観客に訴えられる。
その強調は、時に不自然なほどに客席に発せられ、否が応でも、心して観なければいけない。
生きたいと願う、人間、獣、そして、神という存在。
様々な生い立ちを丁寧に、そしてスピーディーに描き、それぞれの「人間臭さ」が立体化していく。
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そして現れる「茸の神」----------。
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劇団メンバー7人が、自身の役と、コロス的な役を兼ねるのだが、それぞれに見せ場が与えられ、さすが、としかいいようのない統制、緩急、見所が調和した舞台。
これが、劇団力!と言わんばかりの力作だ。

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おそらく、この「無差別」を観た方はなんらかの衝撃を受けるかもしれない。

パンフレットの中で、中屋敷は「いまこの時代に生きているという実感を作品にしたい」と書いている。

そんな中屋敷の思いは、やはり生の舞台でこそ伝わるものだと感じた。
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今作は観るというよりは一緒に体感する作品かもしれない。
神社の薪能や、奉納歌舞伎、神楽舞のような種類の「現代演劇」と言えるのではないだろうか。

観終わったあと、不思議と浄化されたように感じた。
しかし、何かしなければ、考えなければ、と心をひどく揺り動かされた気分でもある。

光と影、お互いを見つめて初めて光の強さを認識する、そんな事を気づかせてくれる作品だった。

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公演は9/24(月)まで、池袋・東京芸術劇場にて上演。
チケットは発売中。

東京公演の後、福岡、大阪を巡演。

【舞台写真 撮影:引地信彦】

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