人気アニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』が、今年4月の舞台化に続き『コードギアス 反逆のルルーシュ-魔人に捧げるプレリュード-』と題して男性キャストのみで本格ミュージカル化された。ストーリーはアニメの1作目(第一期)と2作目(R2)の間
に相当する新作。主役のルルーシュを演じる高木心平と、その妹・ユーフェミアを演じる三上俊が意気込みを語った。
『コードギアス』は、8月に新作劇場版の映画が予定されているなど、原作アニメが終了した今も根強いファンをもつ人気アニメシリーズ。主人公のルルーシュは帝国の皇子でありながらも、素顔を隠し、超能力とロボットを駆使して帝国に反逆するダー
クヒーローだ。物語の中に学園ドラマなどの要素もあり、エンタテイメント性とテーマ性を併せ持ったストーリーが人気の秘密だ。今回は4月に上演された舞台版とは異なり、ミュージカルとして上演される。これは、音楽とダンスにより『コードギア
ス』の持つ光と影の面が、新たに表現できるのではという制作側の意図もある。また、宝塚のようなイメージで上演できたらという発想から、オール男性キャストでの配役となった。女性の役も男性が演じることでファンタジー感を出す狙いだ。
ミュージカル化にあたって原作アニメを見た高木は「ロボットの戦いが見どころではあるんですが、僕としては人と人との関係性がとても魅力的に感じました」と、人物の描かれ方に注目したいと話す。三上も「キャラクターの感情をしっかり表現したい」
と語るなど、ミュージカル版では人間模様が深く描かれそうだ。女性役を演じることについて三上は「原作ファンからすると、全員男というのはかなり衝撃だったのでは。でも、男と思わないで観ていただけると思う」とキッパリ。さらに「今まで所属
劇団の公演で女性役をたくさん演じてきたので、あまりプレッシャーはありません。ユーフェミアの キュートさと、緩やかだけど真摯な感じを出せたら」と自信をのぞかせた。そんな三上のドレス姿を見た高木も「本当にきれい。舞台に女性がいるような気持ちになれそう」と太鼓判を押す。
役作りにおいて原作はどの程度意識するのだろうか。「原作ファンの多い作品なので意識しますね。DVDを見ながら、たとえば座るときの手の置き方など、キャラクターの何気ない仕草を研究しています」という高木の言葉に、三上も「そういう部分は絶
対に演技に生きてきますよね」と大きくうなずいた。ただ同時に、原作にとらわれ過ぎないことも大事だと言う。高木は「僕らだけにしか作れないものがあると思うので、いい意味で開き直って、思いきって演じたい」と話し、三上も「ダンスや歌が
入ってきますし、ミュージカルならではの『コードギアス』をお魅せできるようにしたい」と抱負を語った。
公演は7月8日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて開催。当日引換券発売中。
取材・文:大林計隆