東京公演を終え、いよいよ7月5日より博多座での上演がスタートした『エリザベート』。
本日は、九州よりトート役・石丸幹二さんインタビューが到着しましたのでどうぞ!
博多座では4回目の上演となり、今回は2008年以来4年ぶりとなる『エリザベート』。前回の博多座公演とは主要キャストがガラリと変わり、また新たな魅力が楽しめるのも話題のひとつだ。
その中のひとりが、トートを演じる石丸幹二。ミュージカルでは久々の福岡公演ということもあり、本人も非常に楽しみにしていたとか。
――最初に石丸さんがトートを演じるとお聞きした時は、あまりにイメージと違ってびっくりしました。
「そうですよね(笑)。とにかく"妖しさ"をキーポイントにやってます。エリザベートへの迫り方も『ええっ?』と驚かれるくらいに。今の言い方で言うと、若干"キモい?"くらい(笑)。ある時、女子高生の方に多く観て頂いている回に、すごく彼女たちが過剰反応してくれまして『ああ、これでいいんだ』と(笑)。福岡では、そんな石丸幹二は初ですからね」
――凄そうです(笑)。石丸トートについて、もう少し聞かせてください。
「演出の小池(修一郎)先生からは『クールビューティ』なトートを、とお題を頂戴しまして。もちろん、情熱的でホットな演技もあるのですが、最終的には、このトートはクールだったなと思われるように演じたいと思っています。見終わった後に『全ては、トートの手の上で転がされていたんだ』という印象を持ってもらえるように、と言いますか。随所に、石丸幹二しかやらないトートの表現方法を作ってますから、そこにも注目して頂きたいですね」
――「エリザベート」を初めてご覧になった時の印象は?
「エリザベートが、いろいろ苦労しながらも、自我に目覚めていく姿に共感しましたね。最後は死の世界に旅立っていくんだけど『私が自分の人生を選んだ』と主張する姿には、女性だけでなく男性も共感できますし、そういうところがヒットしてる要因なのかな」
――「エリザベート」はいろいろな魅力にあふれてますが、特にここ!という楽しみ方は?
「見所はいっぱいありますけど、ふたりのエリザベート(春野寿美礼/瀬奈じゅん)のキャラクターがまったく違うのは面白いと思います。エリザベートによって、トートのアプローチの仕方も変わってきますし、そんなところを見比べる楽しさもあるかも。例えれば、エリザベートによって、バレーボールくらいの大きさの球が飛んできたり、卓球くらいの球が飛んできたりって感じで、それによってこっちの返し方も変わってきますからね。瀬奈さんは強いエリザベートの部分を、春野さんは儚さをよく表現されてる。人間には強さと儚さの両方あるから、どちらも人間らしいですよ。なおかつ他のキャストもふたり、3人といるので、それぞれ違いますからね。山口さんの絶対的な存在感は凄いし、マテさんはロックテイストあふれる感じだし。僕はもちろん"妖しさ"ですけど(笑)」
――確かに、何度も楽しみたくなってきます! 名曲も多い作品ですが、特に好きな曲などありますか?
「名曲が多いので、ひとつに絞るのは本当に難しいですが、表現するのは難しいけど、それだけやりがいがある曲は『愛と死の輪舞』かな。トートに人の心が芽生えて、エリザベートに恋をしてしまうのは、それ自体が不思議なこと。作品の中でもちょっと浮いてるシーンなので、違和感なくトートとして歌うというのは高いハードルでしたね。クリアしようと焦点をあてて歌っているうちに好きな曲になりましたね」
――新たな石丸さんに舞台でお会いできるのが楽しみです。
「トートを演じたおかげで、新しい自分を発見できた感じです。こんなこと人前でやってもいいんだ、みたいなね(笑)。ある意味、年齢を重ねたからこそできた役と言うか。期待をいい意味に裏切る。これが僕のトートのテーマ。毎回楽しんで演じてますので、ぜひひとりでも多くの方に観て頂きたいですね」
公演は7月26日(木)まで福岡・博多座、
8月3日(金)から26日(日)に愛知・中日劇場、
9月1日(土)から28日(金)に大阪・梅田芸術劇場 メインホールで上演されます。