5月31日(木)に、東京・新国立劇場で開幕した『サロメ』。
初日の舞台をご覧になった方は、さぞや度肝を抜かれたのでは?!
今回、小説家の平野啓一郎さんが現代語で新訳した『サロメ』は、これまでの官能的で肉感的な女性として描かれてきたサロメを、清純なイメージ、若くまっすぐな性格の新しい女性として描いています。
そのサロメに扮するのが多部未華子さん。
多部さん、舞台は2010年の『農業少女』(作:野田秀樹、演出:松尾スズキ)以来、本作で2度目なのですが、"無邪気さゆえの残酷さ"を見事に体現してました!
『デカワンコ』の印象が強い方は、すっごい多部ちゃんの一面に驚くかも。
また、演出の宮本亜門さんも、今回の舞台には相当気合が入っているようで、開幕前に行われた会見のコメントは熱かったですよ~。
『サロメ』会見の模様はこちらでご紹介しています→@ぴあニュース
サロメと対立するへロデ王役の奥田瑛二さんは、稽古場で苦戦されていた様子。
会見では「どうしたらいいか、大変ですよこの芝居。(開幕を)喜びながらも、逃げたい気持ちです」と複雑な心境もチラり。
多部さん曰く「話しかけられないオーラがあった」とか。
それを聞いた奥田さん「開幕したら大丈夫だから」とおっしゃってました。
さて、一体どんな舞台なのか気になりますよね。
百聞は一見に如かず、先日行われたゲネプロの舞台写真を一部公開します!
手前がヨカナーンを演じる成河(ソンハ)さん。舞台中央が多部さん。
奥田さんが着ている赤い上着の背中の柄にも注目!←舞台でね。
紫のドレスが素敵な麻実れいさん。
王妃ヘロディアを演じます。
☆チェックポイント:衣裳はヨウジヤマモトからの提供です。
<ものがたり>
舞台はエルサレム、ヘロデ王の宮殿。
サロメは王妃ヘロディアの娘で、ユダヤ王ヘロデは義父。
ヘロデはサロメの実の父である兄を殺し、ヘロディアを妻としていた。
宴の席で、ヘロデ王に見つめられていたサロメがテラスに逃れると、地下の井戸から預言者ヨカナーンの声が聞こえてきた。
サロメは興味をもつ。
テラスではヘロデ王がサロメに踊って見せろと命ずる。
サロメはその代わりにヨカナーンの首を要求するのだった。
セリフが現代に合わせて書かれているのと、白を基調としたセットも現代的なので、どこかのセレブのお宅で繰り広げられているかのように、遠い過去の話ではなく、いま起きていることのように感じられます。
その分、ラストシーンは衝撃的に感じるかもしれません。
上演時間は約1時間40分とコンパクトですが、非常に濃厚な舞台です。
公演は6月17日(日)まで。