鳥島明でござあます!
5、6年前、
はえぎわの劇団員募集オーディションを開催したことがあった。
その会場に遅刻して現れたのが鳥島明であった。
そのオーディションの最後に、特技がある人いますか?と聞くと、
鳥島明がピっと手をあげた。
お、遅刻の彼、挽回をしてくれるんだな?
鳥島明は、「餅を飲みます」と言って、餅を飲み始めた。
本物の餅ならばまだ凄いかもしれないが、勿論エアー餅だ。
口をモグモグしているばかりで、何をしているのかさっぱり分からなかった。
とっても気になったので、二次選考に残ってもらった。
二次選考では、用意した台本をやってもらい、彼はラストで大切な役割を担っていた。
血糊を口の中で割って出すという簡単なものだったのだが、
さあ、皆で2時間程で作った作品の、いよいよラスト...!
さあ、鳥島くん、口から血を...!口から血を...!
鳥島:口をモグモグ
ん...?お...?さあ、血を...!
鳥島:口もモグモグ
お、ん?空気がだんだん冷めて来ちゃったぞ?さあ、鳥島くん、血を...!
鳥島「すいません、割れません」
ズズーーーン...
にしてもこの存在感はなんなのだろう。
その夜、餅を飲む彼が夢にまで出て来る始末。
残す他なかった。
その後彼は、一回のお試し公演を経て、川上友里と共に、晴れて仲間に加わることとなった。
その後も彼の、誰にも真似できない存在感は色褪せることがない。
以前花見をした時、今日は弾けますよ~と言って、日本酒を飲み始めた彼。
一時間経てど、一切弾ける様子のない鳥島くん。
ふと気付くと、仰向けになって静かになっていた。
どうしたの?
さっき吐きまして...。
彼はそのまま帰っていったのだった。
むーん。
必ず何かを残していく。
二年ほど前。
はえぎわでは、多くの出番をあげれていなかった彼のために、真夜中企画で二人芝居を用意した。
とっても面白い彼がそこにいた。
その時ようやく初めて思った。
鳥島くんを劇団員にして良かった。
その前の3年間は、ごめんなさい。笑。
そして、今。
彼の存在感は、未だ色褪せないどころか、、、
私鳥島明、輝きでござあます!