【演劇ニュース】
東京・帝国劇場で上演中のミュージカル『レ・ミゼラブル』が、4月22日の昼の部で通算上演回数2500回に到達し、この日特別カーテンコールを行った。本作は同じ役を数人の役替わりで上演しているが、この日の出演者は別所哲也、石川禅ら。
1987年6月11日の日本初演から24年、長く愛され続けているミュージカルの金字塔。カーテンコールで「Les Miserables 本日2500回達成しました」という大きな看板が登場すると、いつも以上に大きな拍手が客席から沸き起こった。この回で主人公のジャン・バルジャンを演じた別所哲也は「俳優を志した20代の頃に日本初演を、ここ帝国劇場で観たことを鮮明に覚えています。俳優になるんだったらあの舞台に関わってみたいと思ってここまでやってきた。2500回という大きな節目をお客様と分かち合うことができて本当に光栄です」と涙ぐみながら挨拶。また人間が生きることの尊厳を描く内容が、現在の日本が置かれている状況と重なることもあり「色々なことが世の中で起きているが、生きていることの素晴らしさをこの舞台で僕は感じています」と噛みしめるように話してもいた。
初演時にも同じ役で出演していたマダム・テナルディエ役の阿知波悟美は「何度も足を運んでくださっている方も多い。皆様に支えられて私たちは今日も舞台に立てているんだなと感謝の気持ちでいっぱいです」と話し、また同作でアンサンブルから様々な役を経て現在ジャベールを演じている石川禅、同じく子役時代から作品に関わっているマリウス役原田優一らは舞台での失敗談などを話し、客席からも大きな笑い声が起こっていた。
カーテンコールは、客席と一緒に劇中歌『ピープルズ・ソング』を大合唱し終了したが、初演から続いたロンドンオリジナル演出での上演が今回で最後になる(次回からは新演出で上演されることが発表されている)こともあり、その後〈バリケード解説講座〉が特別に開催された。劇中、印象的な登場をする巨大な "バリケード"の仕組みや、その他のセット、照明などの解説をジャベール役(別日に出演)岡幸二郎らが行い、観客も興味深げに聞き入っていた。
公演は6月12日(日)まで。チケットは現在発売中。