【演劇ニュース】
井ノ原快彦が3年ぶりの舞台で主演を務める『芝浦ブラウザー』。この舞台の製作発表が2月17日、都内にて行われた。会場には井ノ原をはじめ、女優の芦名星、TEAM NACSの音尾琢真、作・演出を務めるヨーロッパ企画の上田誠らが登壇し、賑やかな話を繰り広げた。
井ノ原と上田がタッグを組むのは、2008年の『昭和島ウォーカー』に次いで2度目。井ノ原、上田の実家が工場であることから端を発した前作に続き、今回もふたりの共通の嗜好"物件フェチ"から物語が立ち上がった。場所は高層ビルによる再開発の進む芝浦。不動産会社に勤める営業マンの藤田(井ノ原)は、高層ビルの狭間で暮らす集合住宅の人々の生活に惹かれ、覗き見を始める。そこには住宅のマドンナ的存在の"管理人さん"(芦名)や親子(市川しんぺーほか)らが、日々を快適に暮らそうと試行錯誤をしていて......。
会見はキャストが互いに初対面とは思えないほどの打ち解けぶり。井ノ原、上田が過去に見た驚きの物件について熱弁を振るうと、音尾は実家で父が作った屋根裏部屋を見に行ったら、うつぶせで寝られるスペースしかなかったというエピソードを披露、芦名は福島の実家でかまくらを作る習慣があるからか「丸い形の穴みたいな部屋が好き」と発言し、会場を沸かせていた。出演者それぞれと個別に打ち合わせをしてアイデアや嗜好を聞きだし、それを劇の中に混ぜ込んでいくという上田は、「今回は (キャストの)皆さんの部屋を見ているかのような芝居になります。まだどんな舞台が出現するのか全貌は見えていませんが、かなり実験的で挑戦的な作り方をしようと思っていますので、それを体験していただければ」と語った。また座長の井ノ原は、「こんな舞台初めて観た!と言わせるためにはどうしていくのか。他人の部屋を覗き見るような舞台という発想自体が初めて観るよ!というものなので、これをいかに上手に皆さんに伝えていくのかが僕たち役者陣の仕事だと思っております。(アイデアを稽古場で出しながら作り上げるため)誰が欠けてもこの舞台は成立しないというふうにするのが、今のところの目標ですね」と話し、キャストとの良い空気感を得て早くも手ごたえを感じている様子だった。
公演は4月2日(土)から19日(火)まで東京グローブ座、4月22日(金)から24(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。東京公演は2月19日(土)より、大阪公演は2月26日(土)より一般発売開始。