●よこやまのステージ千一夜●
9月から始まる新国立劇場の2010/2011シーズンは、
演出家の宮田慶子さんが新芸術監督に就任します。
そのシーズン開幕作品として宮田さんが選んだのは、
"近代劇の父"と評されるヘンリック・イプセンの「ヘッダ・ガーブレル」。
新シリーズ〈JAPAN MEETS... -現代劇の系譜をひもとく-〉の第1弾でもある
本作は、ノルウェー語の原作から新たに翻訳して上演する意欲作です。
この日(7月13日)は、出演者の
大地真央さん、益岡徹さん、七瀬なつみさん、田島令子さん、山口馬木也さん、青山眉子さんに
演出を手がける宮田慶子さん、アンネ・ランデ・ペータスさんと翻訳をともに手がける長島確さんの8人が登壇しました。
今回は、夫婦役の大地真央さんと益岡徹さんに焦点を合わせて
お届けします。
まずは新国立劇場初登場、ヘッダ役の大地真央さん。
「みなさんと一所懸命稽古を積んで、"21世紀のヘッダ・ガーブレル"を作っていきたい」と話す大地さんは、
「この作品は1890年に書かれたものですが、
(ヘッダは)今の時代にいいか悪いかは別として、
"(人として)なんかわかる!"という部分が多々あると思います。
その辺りで共感してもらえれば」
と語っていました。
そして茶目っ気たっぷりに
「脚本の印象ですか? 面白いですね。
登場人物のひとりひとりが ヘンです!!!
もう、本当に面白いです。それをどう演じるかですね」
と、報道陣の笑いを誘いながら話されているのが印象的でした。
そして、大地さんとはテレビドラマで19年前にご一緒したきり、
久しぶりの共演となる益岡徹さんは、ヘッダの夫役ヨルゲン・テスマン役です。
イプセンの作品は、益岡さんが芝居の世界に入られた30年前に
仲代達矢さんと「建築家ソルネス」をやって以来だそう。
そのときの印象は
「イプセン作品というのは、シェイクスピアと同じ印象で、"遠くにある山"みたいな感じでした」
とのこと。
アプローチしてもなかなか近づけないそんな印象だったようです。
脚本の印象は
「登場人物のひとりひとりの日常が普通に続いていくんですけれど、
はたと気がつくと、いろんなところに(人間の複雑な思惑といった)毒があったんだな......と気づくという。
見たくなかった人間の裏側がうまく書けているな、と改めて思いました」
とのこと。
ヘッダ・ガーブレルは、巷で言われているように
ただの悪女なのか? そうでないのか?
それを劇場で確かめてください。
新国立劇場演劇「ヘッダ・ガーブレル」< span> は
9月17日(金) から10月11日(月)まで、
新国立劇場 小劇場 にて上演されます。
チケットは現在、先行先着を7月15日(木)11:00まで受付中。
一般発売は7月19日(月)より発売です。
新国立劇場の次期ラインナップのニュースはこちら。