●よこやまのステージ千一夜●
先日、現在上演中の
新国立劇場演劇「夢の痂」を観劇してきました。
ご存知、故・井上ひさしさんの戯曲で、この作品は"東京裁判三部作"の第3弾となります。
2006年6月初演
高校の国語教師役の三田和代さんのセリフが胸に響きます。
「日本語には主語がない、主語を隠す仕掛けがしてあることに気がつかなかった」
これが単に文法の話をしているだけではないというのが、
舞台を観ているとわかります。
井上ひさしさんが三田さんの体を通して、本当に訴えたかったことを
セリフに乗せてその場で話しているようでした。
今年の夏、井上ひさしさんの新たな作品を目にすることは叶いませんでしたが、
まだまだ井上ひさし作品、引き続き上演されます。
同じ新国立劇場で行われる
新国立劇場演劇研修所 朗読劇 「少年口伝隊一九四五」< span> はいかがでしょう?
新国立劇場演劇研修所 朗読劇 「少年口伝隊一九四五」 は
2008年2月に、新国立劇場演劇研究所の研修生に向けて書き下ろした朗読劇です。
2009年9月公演より 撮影:落合高仁
毎年、研究生の3年次に取り組む課題として上演されていましたが、
今年は4期生が上演するとのこと。
内容はこうです。
広島がヒロシマになった、昭和20年8月6日。
原爆の被害から運良く助かった少年3人が、
壊滅状態で原稿を書く手立てがない新聞社の、
ニュースを口頭で伝えるお手伝いを始めて......。
若き俳優の卵たちが瑞々しい感性で
井上ひさしさんの言葉を伝承する様をお楽しみに。
こちらの公演は
7月30日(金)・31日(土) 新国立劇場 小劇場で上演されます。
チケット発売は7月4日(日)です。