そして、主に自宅勤務の毎日が始まった。
午前中は近所のジムに行ってプールで泳いで風呂に入って喫茶店に入る、
というようなことをしている。
運動は特に好きじゃないけど、頭ばかり使って身体を動かさないでいると、
時々暴れ回りたくなる衝動に駆られて、
それはホントに自分でも怖くなる状態で、
それを避けるために毎朝ダラダラと水着やらゴーグルをバッグに詰めて出掛けていく。
今日は喫茶店に入ると、
隣のオッサンが、コーヒーをわざとらしいほど「ズズズズズズズ」と音を立ててすすり、
カップを置くなりすぐまた「ズズズズズズズ」とやるのを繰り返していて、
それがまた実に規則正しい運動で、
「ズズズズズズズ」に3秒、
カップのソーサーと口元への往復にやっぱり3秒、
という感じで、しかもそれをカップが空になるまで何十回とやるのである。
リズミカルな日常的動作という点で、
まるでコンテンポラリーダンスのようだった。
舞台で見るなら、それなりの面白さはあるかもしれないが、
喫茶店の隣の席でやられれば、それは耳障りで腹立たしいだけだ。
よく見れば、そいつは見覚えのあるヤツだった。
ここは比較的まともな町だ。
だから毎日昼間からぶらぶらしている大人も限られていて、
すぐに顔を覚えてしまう。
僕もそのグループの一人である。
決して交流は持たない。
お互い軽蔑し合っているような感じもする。
ここで同じくブログをしている『ゴジゲン』の今度の公演に、
前にうちの劇団に出てくれた安藤聖さんが出る。
安藤さん曰く、
主宰の松居さんという人はまだ若いのに色々注目されていて才能がある人、
とのことだから、なんとか観に行けたらなあと思っている。