☆☆☆かねこのぶろぐ☆☆☆
第35回 菊田一夫演劇賞・授賞式が26日都内で行われたので行ってきました。1975年に創設されたこの賞は、菊田一夫氏の念願であった演劇の発展の為の一助として、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した舞台関係者に贈られ、今年で35年目を迎えます。
過去の受賞者には、森繁久彌さん、蜷川幸雄さん、長谷川一夫さん、山田五十鈴さん、森光子さん、藤間紫さん、鳳蘭さん、松本幸四郎さん、とまさに演劇界を牽引してきた蒼々たる顔ぶれがずらりと並んでいます。
今回の受賞者は、菊田一夫演劇大賞に小池修一郎さん、菊田一夫演劇賞に石井一孝さん、松たか子さん、香寿たつきさん、今村ねずみさんが受賞。菊田一夫演劇特別賞には、松竹・劇団新派、舞台美術の堀尾幸男さんがそれぞれ受賞されました。
受賞者の方々には、賞状と記念品などが贈られました。
小池修一郎さんは、「エリザベート~愛と死の輪舞~」「太王四神記VerⅡ~新たなる王の旅立ち~」「カサブランカ」「キャバレー」の演出と脚本の成果に対して贈られた事で『昨年は数を沢山やらせていただいたので、その結果賞をいただけたと思う。18年前に初めてこの賞をいただいた時の大賞が藤間紫さんで、その時はずっと先の事だと思っていたが、この賞を貰った今、自分はまだまだゴールに達していないのではないか』と賞の重みに対しての心情を覗かせましたが、『ショウビジネスの世界でやっていく為に、みんなで頑張りましょう』と締めくくっていました。
石井一孝さんは「マイ・フェア・レディ」と「蜘蛛女のキス」での受賞です。東宝ミュージカル「ミス・サイゴン」のオーディションでデビューした事にふれ、『東宝のみなさんに御礼を言いたい。不埒なボクをこれまで支えてくれたみなさんのお陰です。』と満面の笑みで話していました。
松たか子さんはゴールドの靴が印象的な赤のドレスで登場です。「ジェーン・エア」での受賞に『知らせを聞いてビックリしました。非常に驚き、戸惑いました。』と当時の様子を語り、『ジェーン・エアの役を必ずしも自分がベストを尽くしてやれなかったんじゃないか?』と思ったようですが『(この先舞台で演じて)今回は文句無しに出来た、と言う事はきっと一生来ないと思って(賞を)いただきました。』とコメントされました。
香寿たつきさんは白でまとめたスタイルが凛としていて素敵でした。『(宝塚を)退団して7年が経ちました。昨年は舞台にも恵まれ、今回受賞した「天翔ける風に」は初めて女役を演じた思い入れの深い役でした。一歩一歩精進していい役者になりたいと思っています。』とおっしゃってました。受賞には「シェルブールの雨傘」も入っています。
今村ねずみさんは、「キサラギ」と「THE 39 STEPS」での演技が評価されました。受賞の連絡に非常に驚いたそうで、『演劇の神様がちょっとは微笑んでくれたのかな?』と嬉しそうでした。コメントの最後に『自分らしさを忘れず、演劇の力を信じて自分を生かしていきたい』と今後の活動に通じる気持ちを語っていました。
劇団新派の方々は、永年の伝統と踏まえた昨年の充実した舞台成果に対しての評価でした。松竹制作の松本氏と劇団を代表して水谷八重子さん、波乃久里子さんがご挨拶されました。
堀尾幸男さんは、永年の舞台美術に対する貢献に対しての受賞。東宝で初めてのお仕事をされてから22年が経ち、『それもこれも優秀なスタッフが支えてくれたお陰。』と感謝の気持ちを表してました。
場内は、関係者が詰めかけ、俳優の姿もちらほら。それにしても幸四郎さんはオーラがあるので、すぐに判りました。松たか子さんのお祝いに駆けつけたようです。