朴璐美がプロデューサーを務める「LAL STORY」、ストレートプレイ企画第二弾の上演が決定

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舞台、声優、そして現在はミュージカル「レ・ミゼラブル」にも出演するなど、ジャンルを超えて活躍する女優、朴璐美。常に新しい挑戦をし続ける彼女が、近年力を入れているのがプロデュース活動だ。

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2018年、彼女自らがプロデューサーとして先頭に立ち、「役者の呼吸すらも感じられる小さな劇空間で、観客を巻き込み、一緒になって嘘のない本物の舞台を作り上げる」ことを目指し、舞台製作団体「LAL STORY」(ラルストーリー)を立ち上げる。そして、立ち上げから約1年という短期間で4本(再演含む)もの舞台を製作し、いずれも大盛況のうちに幕を閉じた。

中でも、劇団桟敷童子の東憲司を演出として迎え、青年座の山路和弘と文学座の石橋徹郎、そして朴自らも出演した3人芝居「死と乙女」は、3人の演者の生の息遣いが濃密な空間に響き渡り、細部にまでこだわられたアリエルドーフマンの心理サスペンス劇を東憲司が大胆な演出と舞台美術で豪快に斬り込み人間の闇を深く抉り出した。この作品は話題を呼び、口コミで知った演劇ファンが連日当日券を求めて長蛇の列をなすなど、小劇場の公演としては異例の成功を収め、またストレートプレイ第一弾企画にしてバッカーズファンデーション演劇奨励賞を受賞した。

そして2019年10月、そのLAL STORYが新たなストレートプレイ第二弾企画を上演することが決定した。

体感型朗読劇と合わせて、通算で5本目の公演(ストレートプレイとしては2本目)として選ばれたのは、「ガラスの動物園」「欲望という名の電車」などで知られるテネシー・ウィリアムズ作「さけび」。

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テネシー作品でありながら、この作品は今までの彼の作風とは全く異なる異色のものだ。当時、批評家たちに全く受け入れられなかったこの「さけび」は、1967年に一旦上演されるも、その後10年弱にも渡りテネシー自ら改稿を重ね、タイトルも変えて何度も上演された、テネシーの執念とも言えるこだわりが見える、特別な思いを持って描かれた作品だ。

物語の登場人物は、とある寂れた劇団の俳優兼作家である兄のフェリースと、その劇団の看板女優である妹のクレア。この二人の所属する劇団が、失敗続きの公演の果てに、極寒の最果ての地の劇場に辿り着く。だが、「あなたと妹さんは───狂っている」そう電報を残し、劇団員全員が消えてしまった。残された二人の兄妹。フェリースは急遽演目を「二人だけの芝居」に変更し、幕を上げる。しかしその内容は、二人が抱える暗くて悲惨な過去の事件へと結びついていく。現実と虚構が入り混じり、正気と狂気の境界線が滲んでいく瞬間に見えてくるものとは・・・。

偏にこの作品のあらすじを書くことが容易でないほど、この戯曲は複雑な構造をしている。それゆえか、日本ではほとんど上演されたことがない。世界に目を向けてみても、近年になってようやく上演され始めたばかりである。もしかしたら時代が早すぎたのかもしれない。コミュニケーション不全が問題視される現代社会だからこそ、今、上演する意味があるのかもしれない。何れにしても、日本の演劇ファンにとって貴重な時間となることは間違いないだろう。

また、非常に複雑なこの作品の世界を表現する登場人物は、たった2人のみ。この事も「さけび」を難解作たらしめる大きな要因だ。

この難解な2人芝居に挑むのは、それこそ舞台・ミュージカル・映像・声とジャンルを問わず活躍し続け、毎日芸術賞などを受賞しているベテラン・青年座の山路和弘と、これが朴とは5度目のタッグとなる、演劇界で異才を放ち数々の賞を総なめにしている劇団桟敷童子主宰の東憲司、そして再びプロデューサーと兼任で出演をする朴璐美。「死と乙女」のメンバーが再結集を果たし、盤石の布陣でテネシー・ウィリアムズの悲痛なまでの「魂の叫び」に挑む。

過去の上演例がほとんどなく、また意外にもテネシー作品は初めてという3人は、この異色中の異色の作品に何を見出し、それをどのように表現するのか。期待はふくらむばかりだ。

公演は、サンモールスタジオにて10月17日(木)〜27日(日)まで。

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《公演概要》

LAL STORY PRODUCE-sp-「さけび」

2019年10月17日(木)~27日(日) サンモールスタジオ

作 : テネシー・ウィリアムズ

演出 : 東憲司(劇団桟敷童子)

出演 : 山路和弘 朴璐美

http://sun-mallstudio.com

公式HP

http://lal-story.wixsite.com/cry00

《チケット販売情報》

プレリザーブ:8月25日(日)11:00~9月1日(日)23:59

一般販売:9月7日(土)10:00~

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