げきぴあブログをご覧の皆さま、こんにちは。FUKAIPRODUCE羽衣です。
メンバー総出で新作に取り組んでおります『ピロートーキングブルース』は、6月20日(木)~本多劇場で開幕です。23日(日)までと短い期間ですので、ぜひお見逃しなく!
新メンバー・松本由花による、出演者紹介の第三弾は、岡本陽介と浅川千絵です。
*
時に筋トレメニューつくったり、時にフォーメーションつけたりと活躍しつつ、とぼけることも忘れないおかもっちさん。
深井さんや糸井さんと同じく大学の先生なのですが、おかもっちさんの授業はまだ受けたことがなく。ですがたまに学内で見かけるときの歩き方の独特さたるや、一度見たら忘れられないものがあります。名簿片手にスイスイと、釣り糸で引っ張られているかんじ。
お会いするといつも、ご自分の挙動が気持ち悪くないか、怖くないか、すごく気を遣ってくださっているような、怯えているような気がします。大丈夫ですよーと言いたいです。ですがお芝居になると臆する様子ひとつ見せず、清々しい立ち姿です。
身体能力が高いーというのはご本人ふくめ周知の事実ですが、あれだけの経験値があるのに羽衣内では時に邪険に扱われ、しかしそれを気にしない、むしろサッカーゴールの遥か上まで受け止めにいっています。志が。人柄が良いってこういうことを言うのかしらと思わせられます。
持ち前のフィジカルの強さを活かして、とってもワイドな視野で空間作りを支えているだけでなく、『ピロートーキングブルース』では澄み渡るような目と心が光っています。
え?よくよく見ると、すごいことしてる!を、観に来てください。
*
羽衣に加入することが決まり、ちょくちょく現場に行くようになった頃、浅川さんについては「面倒見がいい」と「気をつけろ」という両極端な情報を他のメンバーさんから聞いていました。
それから数ヶ月経ち、わたしの目に映る浅川さんは、面倒見のよい心優しいひと、ですが爆弾を投げてくることも多い、かなり愉快なひとです。気にかけて声をかけてくれているのか、自然と天然にそれに至っているのか、まだわかりかねますが、気さくなおねえさんです。
突然ちょっかいをかけてきたり、この時間が永遠に続くのではないかと感じさせるオチのない話。あんまり楽しそうにお話しするので憎むことはありませんが「時間泥棒」と呼ばれる所以は納得です。
そんな浅川さんだからこそ、他の誰かでは思いつかないようなことをナチュラルにやってのけます。
1言えば10返ってくるとはよく言いますが、浅川さんの場合は、1言うとヤンバルクイナ返ってくるみたいな。え、なんで?!というどよめきと、ていうかそれ絶滅危惧種!という奇跡をはらんでいます。
そういう突拍子もない一撃を生む瞬間の中には、何にも代え難いわくわくがあって、舞台の上での浅川さんはその一瞬の連続で生きているからこそ輝くのだと思います。
『ピロートーキングブルース』ではどんな方法で意識の外を突いてくるのか、わたしも楽しみに、さらに突き動かされるまま、わくわくの向こうを覗きにいきたいとおもいます。
文・松本由花(FUKAIPRODUCE羽衣)
撮影・金子愛帆