■『レベッカ』特別連載vol.4■
『エリザベート』『モーツァルト!』『レディ・ベス』『マリー・アントワネット』で知られるミヒャエル・クンツェ(脚本・歌詞)&シルヴェスター・リーヴァイ(音楽・編曲)のゴールデンコンビが手掛けたミュージカル『レベッカ』 が8年ぶりに上演されます。
物語は、ヒロインの「わたし」がイギリスの大金持ちである上流紳士のマキシムと恋に落ち結婚するも、彼の所有する広大な屋敷 "マンダレイ" に色濃く落ちる前妻・レベッカの影に追い詰められていき......というもの。
アルフレッド・ヒッチコック監督映画でも知られる名作ですが、このミュージカルではサスペンスフルな展開に、巨匠リーヴァイ氏の流麗な楽曲がマッチし、独特の世界を生み出しています。
これまでも桜井玲香さん、保坂知寿さん、平野綾さんのインタビューを掲載してきた当連載ですが、今回は稽古場レポートをお届けします!
▽ 左から 山口祐一郎、大塚千弘
◆ 稽古場レポート ◆
稽古場に伺ったのは11月上旬の某日。
まだ初日まで20日以上あるタイミングのため、脚本の理解をキャストみんなで共有したり、ステージングをひとつひとつ確認したりという段階で、いわば作品の土台を作っている最中......というところか。
この日、まず最初にあたっていたのは、2幕後半・マンダレイの「書斎」のシーン。
『レベッカ』という作品は、山口祐一郎扮するマキシム・ド・ウィンターの前妻・レベッカの死の謎が全編を覆っており、そもそもその死は事故死とされていたが、物語後半、レベッカのヨットが発見されたことで、話は大きく舵を切る。マキシムは「レベッカの事故死を再調査する予備審問」に召集され、そこで、レベッカの死の真相に迫る重大な事実が発覚する。
事故死でないとしたら、自殺か殺人か。
殺人だとしたら、誰が犯人か。
▽ 左から 山口、平野綾
▽ 左から 山口、桜井玲香