新しい座組で挑む「GRIEF7」カラム×SHUN×米原幸佑 座談会

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A_KWB1640.jpg7月26日(木)に開幕するミュージカル『GRIEF 7』

"七つの大罪"をベースに、牢獄で出会った男たちの物語を描く本作は、錦織一清が演出、野村桔梗が原作、三浦 香が脚本、金子隆博ながしまみのりが音楽、さらに出演者もカラム、碕 理人、SHUN(Beat Buddy Boi)、三浦海里、加藤良輔、米原幸佑と、これまでに見たことのない座組から生まれるミュージカルです。(※詳細はこちら

果たしてどんな作品になるのか......出演者のカラムさん、SHUNさん、米原さんに直撃してきました!

*****

「期待とワクワクと、使命感もあります」(米原)

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――お三方は初共演ですね。

米原 そうですね。ただ僕はこのふたりだけが初共演で、あとのメンバーは共演したことがあります。どんな方なんだろうなと思っていたのですが、今日お話して、仲良くできそうだなと思いました。このカンパニーはみんないいやつ...(笑)。
カラムSHUN (笑)
米原 それ、大事ですよね!

――この作品自体も、米原さんが「やりたい」と提案したそうですね。

米原 はい。食事の席で話していたことが実現したという感じで。だから今回は、「出演が決まった」というより「実現した」という感じなんですよ。

――もともとどんなアイデアをお話しされていたのですか?

米原 男6人くらいの密室劇というか会話劇をできたら、という話をしていました。そこから始まって、だんだん錦織一清さんが演出、三浦 香さんが脚本と決まっていって、「すごいことになってきた!」みたいな(笑)。だから期待とワクワクと、言ったからにはちゃんと面白いものをつくらなきゃという使命感もあります。

――カラムさんは出演が決まってどうでしたか?

カラム オファーをいただいたときに、演出の錦織さんのお名前を見て「悩む必要ないでしょ!」と出演を決めました。これまでも舞台は出演してきましたが、こういうミュージカル作品は初めてなんですよ。僕は、本業は歌手で(韓国アイドルグループ大国男児の一員・今年KARAMとしてソロデビューも果たした)、芝居しながら歌いたいという想いもありましたので、すごく嬉しいです。

――どうして錦織さんだと即決だったのですか?

カラム もともと母が好きだったんです。"踊って歌える"アイドル文化の第一世代の方ですし、そういう経験をしてこられた錦織さんだからこそのアイデアや演出がたくさんあると思っています。それに、僕もアイドル活動をしているのでそういった面でも勉強になると思いました。
SHUN 僕は音楽活動をずっとやってきて、舞台はこれが3作目です。未だに不安要素はたくさんありますが、今回はミュージカルですし、ダンスと歌も含め、役者としてしっかり表現できるようにがんばりたいと思っています。

――とはいえミュージカルも普段の歌とは違いますよね?

SHUN そうですね。前作ではラップパートでラップ指導もされました。ただそれも演技的な指導で、すごく理解できたし、自分の音楽にも還元できる表現だったんですよ。今回もまた違うものになると思うので、いろんなものを吸収したいと思います。

――ダンスボーカルグループBBBの活動では歌わないような楽曲もありますよね。

SHUN ありますね。ただ今回もラップがあるそうで、台本に「歌詞相談」って書いてあったので(笑)。

――腕の見せ所だ。

SHUN そうですね!

「人生で一番難しい作品でした」(カラム)

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――脚本は読んでみていかがでしたか?

SHUN 台詞の量が過去最大でした(笑)。
米原 6人芝居だから台詞多いよね。

――台詞も多いし、物語そのものが謎めいてますよね。

米原 そうなんですよ。まず僕らが世界観を理解するまでに一週間かかるかな(笑)。とりあえず脚本家を呼んできてほしい。

――三浦さん来てくださいますかね(笑)。内容はどうでしたか?

カラム 僕は人生で一番難しい作品でした。これは、2、3回読んでもちゃんと理解できないのでは?というような。

――カラムさん演じるリュウはアイドルの役ですね。ご自身もアイドル活動をされていますが、そういうところで理解が早いという面はあるのでしょうか?

カラム まだ僕がリュウという人物に深く入り込めてなくて。それができてから、(アイドルという共通点で距離を)縮めていったほうがいいと思っています。今は彼の過去を自分の中で考えているような段階ですね。

――逆にSHUNさんが演じるサムは、これまでと違うイメージの役柄になりそうですね

SHUN 思いもよらないIQ250という役で(笑)。それをどう演じるかですよね。とにかく頭がいいのですが、登場人物たちを見ている役だなと思うので、稽古でもみんなをしっかり見て、掘り下げてつくりあげていかないとなと思っています。

――米原さんの演じるエディ・フクダは謎めいていますね。

米原 最初のほうを読んでいると、バカな役なのかなと思ったのですよ。でも読んでいくうちに「ヒールだな」と感じました。ここ数年、僕はヒールをやったことがなかったので、その辺をどうみせようかと考えるのは楽しいです。稽古で錦織さんと相談しながら完成させていったらおもしろいんじゃないかなと思っています。

「プレイヤーの方が演出するのは絶対面白いと思う」(SHUN)

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――演出の錦織さんはどんな印象の方ですか?

米原 先日、『GRIEF 7』チームをお誕生日会に呼んでいただいたんですよ。
カラム 羨ましいな...。(※カラムさんはスケジュールの都合で参加できず)
米原 そのときも錦織さんは、僕らを皆さんに紹介してくださったり、「今度一緒に舞台やるから頼むね」と言ってくださったりして。芸能界の先輩であり兄貴って感じがしますね。すごくフランクな方です。
SHUN 本当に気さくな方でしたよね。笑顔が素敵でした。俺は笑顔が売りなんですけど、負けましたね(笑)。
米原 そうなん。気付かんかったわ(笑)。

――歌って踊ってこられた錦織さんのつくるミュージカル作品というのが面白そうだなと感じています。

SHUN そうですよね。プレイヤーの方が演出するのは絶対面白いと思うし、錦織さんにしかない感覚もあると思うので、貴重な経験だなと思います。
米原 今の僕らが知らないやり方を、可能性として提示したいとお話しされていたんですよ。そこもすごく楽しみです。

――そういう意味では、カラムさんもSHUNさんも音楽活動をしてこられたおふたりですが、米原さんは、そんなおふたりとの共演をどう感じていますか?

米原 今までもミュージシャンの方と共演することはありましたが、やっぱり役者畑にいる人とは違う感性があって、刺激を受けます。盗めるところは盗みたいなって思いますね。ただその中でもカラムみたいに韓国籍で日本でも活躍している俳優さんと共演するのは初めてなので、楽しみにしています。

――カラムさんは韓国の舞台作品にも出演されていますが、国による違いを感じたりするのでしょうか?

カラム もちろん演出家さんによっての違いもありますが、演技の仕方やミュージカルでの感情表現の仕方は違いがあるように感じます。まだうまく言葉で説明できない部分ではありますが、韓国は感情を表に出すけど、日本は心で思って表に出さないことが多いような。今回はそういう経験も生かしていきたいし、僕自身も勉強したいです。

――SHUNさんはすぐに芝居に馴染めましたか?

SHUN いや、難しかったです。この3作目にしてやっと「がんばろう」と思える希望を感じられているくらいで。前作くらいまでは大変なことばかりでした。でも、学びたい、吸収したいという気持ちがどんどん大きくなっています。楽しいですから。

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――では最後に読者に一言お願いします。

カラム 観に来てくださる皆さんがいろんな味を楽しめるミュージカルになりそうですし、お客さんの人生のひとつの思い出になる作品にできたらと思います。芝居したり歌ったりするのは僕らですが、お客さんと時間を共有しながら過ごしていけたら嬉しいです。
SHUN 演出、脚本、キャストと名前を聞くだけでワクワクできる作品だと思います。今までになかった舞台を全力でつくりたいと思いますし、日本で一番面白い作品にするという気持ちがあるので、それを劇場に体感しに来てほしいです。
米原 「罪を背負った男たちの七つの物語」と聞くと暗い話なのかなと思うかもしれませんが、なかなか日常では味わえない世界観がベースにある作品になっていると思います。僕自身が脚本を読んで、モヤッとしながらも「なんか面白かった、もう一回観たい」と中毒性のある舞台になるんじゃないかと感じています。

――錦織さんも「一度観たくらいじゃわからないものをつくっていきたい」とおっしゃってましたね。

米原 そうですね。わからなくてもいいと思うんですよ、演劇って。すごい情報量が凝縮されているものなので、それを全部理解しようとして観なくていいと思うんです。でも劇場を出たときに「なんかわからんけどおもろかったね。あれはどういうことなんやろ」と友達と言い合えるような舞台になるんじゃないかなと思うので。そういう『GRIEF7』を共感できる友......"グリーフの輪"をたくさん広げてほしいと思います。
SHUN きましたね。「#グリーフの輪」で(笑)。
米原 "みんなで檻に閉じこもろう!"って(笑)。

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◎おまけ◎
SHUNさんがラッパーという話から意外な展開に...!

カラム 僕、ラップはずっとやったことがなかったのですが、ソロで出したCDにラップパートがあって。やってみて自分では「才能がある」と思ったんですよ。でもファンの方に笑われて(笑)。
米原 ええ!(笑)
カラム ちょっと傷ついたんですよ。だから今回、教えてほしいです。
SHUN 俺がずっと横についとくよ(笑)。
米原 いやでもラップはむずい。全然、口まわらへんし。むずいよね?
カラム むずいっす!
米原 俺「ヒェヒェヒェ」って恥ずかしくて言われへんもん(笑)。
一同 (笑)
SHUN 普段からそんな言ってるわけじゃないですよ(笑)。

――でも劇中で皆さんのラップも聞いてみたいですね。

米原 俺、「ヒェヒェヒェ」って言ってSHUNに「邪魔」って言われる、きっと(笑)。
カラム 僕もそこに参加したい。
SHUN じゃあどこかで一緒にやりましょ!(笑)


ミュージカル『GRIEF7』は7月26日(木)から31日(火)まで東京・俳優座劇場にて上演。チケットは現在発売中。

取材・文:中川實穗 撮影:川野結李歌

『GRIEF7』
日程:2018年7月26日(木)~31日(火) 六本木・俳優座劇場
演出:錦織一清
脚本:三浦 香
原作:野村桔梗
出演:カラム、碕 理人、SHUN(Beat Buddy Boi)、三浦海里/加藤良輔/米原幸佑

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